犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

蕗の自給率約500%

2022年04月26日 | うつろい
蕗を刈り取る。
湯がいて煮て食う。
とは言え、
庭中に広がり過ぎて、多い。
取って食って取って食っても、減りゃしない。
地下茎で伸びて広がって、殖える殖える。

冬の間に、地下茎を掘り起こして、ずいぶん捨てた。
「ご自由にお持ちください」
と書いて道端に置いておいたが、
誰も持って行きゃしない。

湯がいて煮てパッケージして
「ご自由にお持ちください」
と書いて置いておいたら持って行く人もいるだろうか。
今どき、そんなアヤシゲな物を持って行って口に入れる人はいないか。

じゃあ、代金百円だったらどうだろうか。
いや、そんなら、刈り取った蕗を束で置いて百円としたほうが
持って行く人は多いだろう。

そんな愚にもつかぬことを思い巡らすほど、
たくさん採れた。
しまった。こんなに食えん。



しめた!お隣から声が聞こえる。
ポリ袋に大量のしかし全体のほんの四分の一ほどの蕗を入れて、
外へ飛び出し、塀越しに声を掛ける。
「蕗はお好きですか?」

お隣のおじさん(88歳)は、久しぶりに会ったら随分と耳が遠くなったようだ。
我が家の物干し場と、お隣の庭は隣接している。
以前は、私が洗濯物を干していると、おじさんは気付いて挨拶してくれたものだが、
この頃はそんな様子が無くなっていた。
私が物を干す音も耳に届かなくなっていたのかもしれない。

「こんなにたくさん、かえってご迷惑ではないですか?多過ぎませんか?」
「いやいや、好きですから。」
と、くしゃくしゃの顔で喜んでくれた。
ほッ。



友人Pから突然、ランチのお誘いが来た。
「蕗、要る?」
忙しそうなので、多過ぎない量を、下ごしらえして持参した。



下ごしらえがちょっと面倒だ。

たっぷりの塩で擦って、湯がいて、冷水で冷まして、皮を引く。
文字で書けばこれだけのことだが、
大量の蕗を一人で黙々と剥くのは、ちょっと気が重い。

その点、誰かと一緒におしゃべりしながら作業すると、
あら不思議、あっという間に剥きあがる。という気がする。

だから、今日は我が音楽的相棒である山ちゃんを召喚しておいた。
山ちゃんは蕗が好きだ。
蕗をおかずに主食の蕗を食べても飽きないと言う。
そんなに好きか。

私は、飽きる。
蕗は好きだが、飽きてしまう。
一度食べたら次の日は食べなくてもいいし、
三度食べたら次の一週間は食べなくてもいい。

…。
それは「好き」と言えるのだろうか。
山ちゃんの「好き」と比べたら、「別にそうでもない」の部類にさえ入るのではないか。



一緒に作業して、
途中から缶ビールを開け、
筍をつまみ、
せっかくなので早速、蕗を炊き、
ついでに皮蛋豆腐も出して、
つまんで飲む。

私は一人で食って飲んでもかなり楽しむほうだが、
ひとと食って飲むのはまた旨いものだ。



材木の高騰について思うとき、
食事について思うとき、
国としての自給率が要点だと考える。
第一次産業は国の基盤として重要だ。

少なくとも、
我が国家の蕗の自給率はかなり高い。
国内の需要はさほど大きくない。
産出量のうち多くは輸出に回される。といったところだ。



蕗が庭に広がり過ぎている。
若い株はどうせ細いものしか生えてこない。
食いでが無い。
太い茎が採れる大きな株だけ残して、
若い株は掘り起こして捨てることにしよう。

蕗を刈り終わってみて、思った。
これは、
混んでいたところを間引きして、より立派な蕗が育つように
お世話しているに過ぎないのではないか?
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 木材を継ぐ | トップ | メダカ産卵だけブーム »

コメントを投稿

うつろい」カテゴリの最新記事