犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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ハラスメント

2017年07月21日 | LGB&T
[あらすじ] 「LGBTはこういうこと言われるといや」とかいった説明をされると、
気を遣ってしまってどう接したらいいかわからない。敬遠したくなる。
でも今セクハラがきちんと問題にされるようになったのも、数十年前のひとたちが
「こんなのはいやだ」って声を上げてきたからだ。


たとえば、二十代の女性がよく言われるのは、
「いいひとはいないの?」
「結婚しないの?」
「子どもは早く生んだほうがいい」
「子育てしてこそ一人前だ」
などなど。

最初の二つくらいは、友達同士の会話ならなんでもないことだ。
が、職場の上司から言われたり、親戚の上の世代の人から言われたりすると
意味あいが違ってくる。

「子どもは早く生んだほうがいい」
体力や気力の面からもそれに越したことはないかもしれない。
元気のいい卵子のほうが後に問題が起きにくい、
というのはちょっと優生思想が入り込む隙がある。

「子育てしてこそ一人前だ」と言うなら、
子宝に恵まれなかった人は年を取っても半人前扱いなのか。
過去にはそうだったか。

この手のことを言う人は、相手が誰であれ言うものだ。
ましてや、女性とレズビアンの女性の見分けなどつくわけもない。



上の例を、レズビアンの女性が言われた場合、たとえばどう感じるか。

「いいひとはいないの?」
いるけど紹介しません。
したらびっくりするでしょ。受け入れられますか?

「結婚しないの?」
制度があればとっくにしてますよ。

「子どもは早く生んだほうがいい」
欲しいですけど、好きな人との間にはできないんです。
それでも方法は無くはないですが、精子提供についてはどうお考えになりますか?

「子育てしてこそ一人前だ」
私もしたいのは山々なんですけどね。



「こんなのセクハラにも入らない、世の中では当たり前」といった反論を聞くと、
クローゼットつまりカムアウトしないで自分のことを隠して暮らしていることと比較して思う。
その「世の中の当たり前」をどれだけ四六時中感じながら生きていることか。
感じつつ、声には出さず、抑えて生活していることか。

しかし、それはストレートだからクローゼットだからカムアウトしたからといって、
さほど違いは無いのではないかと思うくらい、社会通念の脅威はみんなに等しく降り注いでいる。
だからこそ「社会通念」なのだ。

そして、社会通念は、それに準じていれば安心できる。
私は普通、と思えるお守りの役目を大きく果たしている。
多くの人にとって、それは自由を奪うものであると同時に、
自分を守ってくれるものでもある。

柵という字に読みが二つある。
さく、と読めば周りを囲って自分の領域を守るものであるし、
しがらみ、と読めば自分を取り囲んで外へ出られなくするものである。
社会通念はまさにそういうものなのだろう。



社会通念を壊そうとすると、多くの人は恐れる。
自分も縛られてはいるが、守られてもいるからだ。
柵を壊してはいけない。
ただ、柵のあちこちに扉を作るのはいいだろう。
出入り自由になるように。

ハラスメントがありますよ、というのは、
柵のここんところに扉を作るといいですよ、といった提案の端緒だと思う。



※※※

深大寺、今日からほおずき市です。
白鳳仏が国宝に指定(し直)され、界隈は沸いております。
おいでませ

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