
春寒し雨に交りて何か降 井月
はるさむし あめにまじりて なにかふる
今日は旧暦1月21日。
春の雪は旧一月の季語。
※
月に一度、同居母86歳要介護2パーキンソン病認知症状少々の
神経内科受診の日である。
最寄りの大学病院に、朝一番に行って血液検査を受ける。
車を出すと、空は低く灰色に覆われて重い。
これは何やらが降るかな、と思っていると、
病院の駐車場に車をとめて歩き出したら、
バラバラと雨が降り始めた。
診察を待ちながら、4階の窓から外を眺めると、
みぞれが混じったり、白くゆっくりと雪が混じったりしている。
やっぱりか。
降り出して2時間後、支払いを済ませて病院を出ると、
雨は止んでいた。
その1時間後には陽が射して、めきめきと気温が上がった。
4月上旬並みの暖かさという。
※
午後、隣の駅まで歩いて買い物に行った。
上着は置いてくれば良かったな。
シャツも腕まくりし、汗ばむくらいだ。
数年前に眼科で検眼してレンズを決めてもらったが、
あんまり効果を感じられず、眼鏡は結局買わなかった。
つまり、あまりに軽度だったのだ。
夜間に運転する際、矢印がぶれてなんだか分からなかったのだが。
去年あたりから、昼間のぶれも強くなった。
目が疲れる。
文字もぶれて見にくい。
眉間に皺を刻みたくないなあ。
今度は眼鏡屋に行った。
「夕方になって疲れてくると乱視の度も進むので、
その辺を加味して決めていきましょう。」
そうそう!そうしてください!
説明をしてもらいながら、検眼を受ける。
「これと・・・これ、どちらが見やすいですか?」
おおお。まるで違う。返事しやすい。
しっかりと選択して返事して、選ばれたレンズを組み合わせた眼鏡をかけてみて、
その明瞭さに思わず声が出た。
※
お気に召したのは、ドラえもんとコラボしたフレームだった。
異様にかわいいケースと、どこでもドア型の眼鏡拭きが付く。なにそれ
運転用にと買ったのだ。
「ぼくドライビンです。」
小学5年生の時だったか、風邪を引いたついでに
大山のぶ代さんのドラえもんの声真似を練習した。
その成果を試す。(40年越し)
※
帰り道、早速かけて歩く。
久々に明瞭な世界に、たいへん気分が良い。
商店街の向こうの端まで、
400m先の交差点まで、
梢の芽のふくらみまで、
子どもがしゃがんで見ている路傍の石も、
見える。
観察好きなのに、鳥も虫も木や草も、はっきり見えなくて
ちょっとしょげていた。
それが吹き飛んだような気持ちだ。
どこかへ行きたい気分がよみがえる。
※
古本屋の表の100円本の棚に、雑多な本の背表紙が並んでいる。
その中に、卯月妙子『人間仮免中』を見付ける。やった!
こんなことも、最近はできなくなっていた。
卯月。四月並みの暖かい日に見付けるに相応しい。
ついでに店内も見る。
『井月句集』と、こうの史代『日の鳥』を買う。
月、月、日、か。悪くないだろう。
はるさむし あめにまじりて なにかふる
今日は旧暦1月21日。
春の雪は旧一月の季語。
※
月に一度、同居母86歳要介護2パーキンソン病認知症状少々の
神経内科受診の日である。
最寄りの大学病院に、朝一番に行って血液検査を受ける。
車を出すと、空は低く灰色に覆われて重い。
これは何やらが降るかな、と思っていると、
病院の駐車場に車をとめて歩き出したら、
バラバラと雨が降り始めた。
診察を待ちながら、4階の窓から外を眺めると、
みぞれが混じったり、白くゆっくりと雪が混じったりしている。
やっぱりか。
降り出して2時間後、支払いを済ませて病院を出ると、
雨は止んでいた。
その1時間後には陽が射して、めきめきと気温が上がった。
4月上旬並みの暖かさという。
※
午後、隣の駅まで歩いて買い物に行った。
上着は置いてくれば良かったな。
シャツも腕まくりし、汗ばむくらいだ。
数年前に眼科で検眼してレンズを決めてもらったが、
あんまり効果を感じられず、眼鏡は結局買わなかった。
つまり、あまりに軽度だったのだ。
夜間に運転する際、矢印がぶれてなんだか分からなかったのだが。
去年あたりから、昼間のぶれも強くなった。
目が疲れる。
文字もぶれて見にくい。
眉間に皺を刻みたくないなあ。
今度は眼鏡屋に行った。
「夕方になって疲れてくると乱視の度も進むので、
その辺を加味して決めていきましょう。」
そうそう!そうしてください!
説明をしてもらいながら、検眼を受ける。
「これと・・・これ、どちらが見やすいですか?」
おおお。まるで違う。返事しやすい。
しっかりと選択して返事して、選ばれたレンズを組み合わせた眼鏡をかけてみて、
その明瞭さに思わず声が出た。
※
お気に召したのは、ドラえもんとコラボしたフレームだった。
異様にかわいいケースと、どこでもドア型の眼鏡拭きが付く。なにそれ
運転用にと買ったのだ。
「ぼくドライビンです。」
小学5年生の時だったか、風邪を引いたついでに
大山のぶ代さんのドラえもんの声真似を練習した。
その成果を試す。(40年越し)
※
帰り道、早速かけて歩く。
久々に明瞭な世界に、たいへん気分が良い。
商店街の向こうの端まで、
400m先の交差点まで、
梢の芽のふくらみまで、
子どもがしゃがんで見ている路傍の石も、
見える。
観察好きなのに、鳥も虫も木や草も、はっきり見えなくて
ちょっとしょげていた。
それが吹き飛んだような気持ちだ。
どこかへ行きたい気分がよみがえる。
※
古本屋の表の100円本の棚に、雑多な本の背表紙が並んでいる。
その中に、卯月妙子『人間仮免中』を見付ける。やった!
こんなことも、最近はできなくなっていた。
卯月。四月並みの暖かい日に見付けるに相応しい。
ついでに店内も見る。
『井月句集』と、こうの史代『日の鳥』を買う。
月、月、日、か。悪くないだろう。
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