快速〔しもきた〕 3730D列車 [キハ40形車両] (大湊)
※野辺地-青森間は3529D列車
はるばる下北半島までやってきたが、恐山にも尻屋崎にも行く訳でない。大湊線に乗りに来ただけである。青森県の東の半島の下北半島にいるが、これから西の半島、津軽半島の津軽線に乗るつもりである。それなら青森までわざわざ戻らなくても、むつ湾フェリーで移動した方が面白そうだが、鉄道で移動した方が早い。今乗ってきた列車で引き返す。下り列車は空いていたが、上り列車は観光客で混雑している。駅前にはJR東日本の系列のホテルもあった。三連休最終日なのだから仕方がない。キハ100系ではなくキハ40・キハ48形で運転しているのは、乗客が多いからなのだろう。通路側の席に座って、大湊を出発。次の下北からもかなり乗り込んできて満席となり、通路まで一杯となった。なかなか盛況である。車掌が放送で列車に冷房が無い事を謝っている。何を言っているのか。窓から涼風が入り、天井では扇風機が回っている。これがいいのだ。上りの快速〔しもきた〕も快走し、途中の陸奥横浜にだけ停車して野辺地に到着した。
ここでほとんどの客が降りてしまった。東京方面へお帰りだろうか、八戸行の特急〔つがる16号〕に乗り換えていった。駅舎のほうを見ると、立ち食いそば店に「とりめし」の文字が見える。ちょっと停車時間もあり、せっかく国鉄車のボックスシートなので、弁当でも買ってこようと行ってみるが、そば店の女性が「次は一時頃になります」と申し訳なさそうに言う。売切れは残念だが、そばを啜る時間はないので、おとなしく列車に戻る。JR社員がそばを啜っているのが車窓から見える。野辺地を出発した列車は東北本線を走り、青森に到着した。
大湊線・東北本線 快速〔しもきた〕 大湊(11:06)→青森(12:46) キハ40-555
さっそく降りたプラットフォームにあるそば店で、てんぷら玉子そばを啜る。深夜・早朝に特急〔白鳥〕、特急〔はつかり〕と急行〔はまなす〕を乗り換える時に味わったそばである。次に乗るのが津軽線。青森-新中小国信号場間はいわゆる津軽海峡線として北海道との往復に何度も利用しているが、今日はその先の未乗区間にも足を延ばす。
津軽線 普通 333M列車 [701系車両] (青森)
津軽線 普通 青森(13:01)→蟹田(13:41) クハ700-5
買い物客や高校生を乗せた列車が青森を出発。車窓に建設中の新幹線が見える。さて津軽線は単線ながら昭和63年(1988)の青函トンネル開業時には新中小国信号場までは電化され、長大な列車が交換できるよう設備が改良されている。昔は列車本数も少ない閑散線区だったのだろう。この列車に乗っている高校生が生まれた時には、すでに青函トンネルは開通していたのだと気付く。もう開業20年なのか。もともと混んでいなかった車内の客も減ってきて、北海道へ渡ると思しき客が見られる。海を近くに眺めて、終着の蟹田に到着。
青森から40分で到着! (蟹田)
特急〔スーパー白鳥9号〕[789系車両]が入線 (蟹田)
蟹田は小駅にも関わらず、多くの人がプラットフォームに待っている。折り返し青森行となるこの列車に乗り込んだ。下りで蟹田に着いた客は入線してきた函館行の特急に乗り込んでいる。津軽海峡線(蟹田-木古内間)では普通列車(快速を含む)が運転されておらず、特例で同区間の相互駅間では普通乗車券のみで特急の普通車自由席を利用できる。特別企画乗車券「青春18きっぷ」そして「北海道&東日本パス(普通列車限定)」でも同じ扱いが受けられる。特急券なしで利用の皆さんと思われる。特急の出発を見送る。JR東日本とJR北海道の車掌も交替している。一旦駅舎を出てみる。乗り換え客の賑わいとは無縁そうなひっそりした駅である。 (つづく)
津軽線 蟹田駅 (青森県東津軽郡外ヶ浜町字上蟹田)
やっぱり蟹がお出迎え (蟹田)
いずれも平成20年7月21日撮影