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11月12日(金) 晴れ時々曇り
アラームで目覚め、寝袋から出ないうちに、車の天井に雨音が響きだした。昨日から不安定で
変わりやすい天候に振り回される。さっそくレーダーで確認したら、顕著な雨雲はしばらく
やってくる気配はなさそうで、この雨は通り雨だと判断し、出発準備を続行、トイレから戻り
見上げると、星が瞬いていた。
東ヌプカウシヌプリ登山口の白樺峠の気温は0℃。アスファルトがツルツルに凍り付いていた。
周囲の山々に朝日が当たり焼け始めた。写真左は白雲山?
表示板にも雪が付着。出発地点の積雪は数センチ程度。
樹林帯に入りつつある付近の雪は2,3cm。笹が覆い被さり道が不明瞭。
こういう時ピンクのテーピングの目印がありがたい。
中腹のややきつい坂を登り切り、稜線が近づくとさらに積雪が増した。雪山には
まず縁のなかった私だ、これ大丈夫なの?と、少々心配になってきた。
雪対策としては、スパッツを装着し、出発時から雨具のズボンをはいておいた。
スパッツは近年買い替えたばかりで本日が初披露。ブーツは特に積雪期用でない
GOROのS-8に防水ワックスを塗り込んだだけのもの。ワックスが効いたのか、
最後まで浸水はしなかった。あと、軽アイゼンも用意はしていたがこれは非常用、
たぶん出番はないだろうとは思った。
あればよかったと思ったのが防水仕様のオーバーグローブで、歩みを進める際に
道両側の木などにつかまることが多々あり、その木自体にも着雪しているので、
繰り返すうち普通の手袋ではだんだん水が沁みてきてしまった。オーバーグローブは
冬季の必需品だがその他の季節ではまず使わないし、用意しなかったが失敗だった。
幸い予備の手袋があったので、ひどい場合これに切り替えて対応するしかないと
考えながら登ったが、その後は思ったほど水を含むことがなかったので、予備を
使うまでもなく事なきを得た。
稜線には5cmから、深いところで10cm程度の雪が積もっていた。
写真中央奥がオッパイ山。
東ヌプカ山頂到着。
笹狩りの道入り口付近。
やや傾斜のある道なので手こずるかと心配したが、逆に雪のためエッジが効いて、
普段よりも滑りにくかったかもしれない。
今日は阿寒の山々が指呼に見えた。
現地は、ガレ場全体が薄っすら雪化粧し、しかも到着時から二時間ほどは天気が安定、
青空が広がって絶好のロケーションとなった。がしかし… 肝心のナキウサギが全然
姿を見せない。鳴き声が数回聞こえた程度、あとはし~んと静まり返っていた。
その習性を聞き知ってはいたが、雪を被ると、ここまで行動が鈍くなるものなのか。
やがて徐々に雲が増え、日高山脈を越えて、雪雲がこちらに迫ってくる気配となった。
予定よりも少し早いが雪に降られながら下山するのも面白くなく、諦めが肝心と、
機材をしまったとたん、その気配(音)を察知したのか、警戒音を発しながら、
すぐ近くにナキちゃんが姿を現せた。二時間以上経過してこの日初めての遭遇である。
もう一度カメラとレンズをセットし直したものの、さすがにナキちゃんもそこまで
サービス精神旺盛でなく、すでに巣穴に引っ込んでしまっていた。しかしせっかくだからと、
そのままもう少し粘っていたら、別の個体2,3匹を続けざまカメラに収めることができた。
ちょうどその頃、いっせいにもぐもぐタイムに突入したのであろうか。
次の無音時間帯となったのを契機に、今度こそ下山開始、弱い雪が降り始めたが
たいしたことにはならず、無事下山。結局この日は、最初から最後まで一人きりだった。
日が差す時間が長かったためか、登山口付近の雪は多くが解けてしまっていた。
成果のほどは定かでないが、まったく空振りに終わらなくてよかったよ。徒労に
終わっていたら、さぞやがっかりし疲れ倍増していたところ。あの時姿を見せて
引き留めてくれた(いや、グズグズしてんとはよ帰れや、ボケ!と威嚇しただけだろうけど)
ナキちゃんに感謝しかない。