旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

冬期限定ボンボンショコラ事件

2025-02-13 17:35:00 | 図書館はどこですか



順番が回ってきて図書館でお借りできたのが、「冬期限定ボンボンショコラ事件/
米澤穂信著」です。新聞のミステリー小説ランキング記事で紹介されていたのが
読もうと思ったきっかけで、米澤さんはランキング常連者、この冬期~も三つの
ランキングで2位に選出されたそうです。

青春ミステリー『小市民シリーズ』四部作の完結編にあたる冬期~からいきなり
読み始めていいものかどうかが思案のしどころ、昨年アニメ化された『春期限定
いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』を先に見ていたので、
たぶん世界観にはついていけるだろうと思い切って手にしてみることに。ちなみに、
すでに『秋期』と『冬期』もアニメ化が決まっているようで、期せずして、私と
しては珍しく、原作を先行して読んでいる作品を近々アニメで見ることになります。

ただし、冬期~巻末の解説文には「予備知識なしで読んでこその趣向が秘められて
いるので、できたら春期~だけは先に読んでおいたほうがいいでしょう…」と
薦められていて、これから読まれる方は、それに従ったほうがいいかもしれません。
昨年アニメ化されたばかりで、私としては「最新作」の感覚なのに、実は小説版
春期~の発表からすでに20年も経過しているようです。もしかしたら携帯電話から
スマホに進化するなど社会情勢にも変化があり、細かい設定が微妙に変わっている
可能性もありますかね。

さて、私はアニメ版と小説版で、同シリーズとはいえ違うタイトルの作品にしか
触れていないので、かなり強引に両者を比べてみての感想は、小説版のほうが
ずっと面白かったということです。すでにテレビシリーズは消去していて見返せず、
記憶をたどるしかないのですが、アニメ版が少々まどろっこしく感じるのは、原作
では主人公・小鳩くんの独り語り、モノローグがたいへん多く、これを動画として
処理するのが難しいからではないでしょうか? 原作のニュアンスを重視して表現
しようとすると、静止画のまま膨大なセリフ量が必要でしょうし、動きがあって
こそのアニメでは、アクションが少なくなり物足りないのかもしれません。特に
この冬期~では、小鳩くんはひき逃げ事故にあい、体が自由に動かせずほとんどが
ベットに横たわったままで、より一層「静」の場面が延々続くことになるので、
脚本がさらに重要になるでしょう。その点を含め、どうアニメ化するのかとても
興味深いところです。

中学時代、自分たちは推理力に長けていると思い込んでいた二人は、積極的に
事件に関与、謎解きを披露しますが、ある失敗をきっかけに高校では『小市民』
として、なるべく目立たないようにすることを目標にします。しかし実際には
次々と事件に遭遇し、禁を破るかのように、否が応でも謎に挑むことに。冬期~
ではその失敗した事件が回想され、そこで小鳩くんと小佐内さんが初めて出会った
いきさつが語られて、やがてその過去の事件が小鳩くんがひき逃げにあった現在と
結びつき、緊迫のラストへと事態は静から動へ急展開するのです。


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