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6月11日(火) 晴れ時々くもり
就寝前に、ガスが多くなって山頂部が隠れてしまっていたのは知っていた。真夜中目覚めて確認したら、
長者原付近の上空は一面雲に覆われていて、これはどう判断すればいいものか? 寝ている間に
ガスが晴れ、すっかりいい天気になるはずだと予想していたのだが。
大曲まで移動して様子を見ようと車を走らせると、ほどなくガス帯に突入、すぐに抜け出すと上天気で、
一面の星空だった。長者原付近は、雲海の下だったのだ。この時期の九州で、これだけ星がスカッと
たくさん見えるのは珍しいのではなかろうか。月は半月くらいのはずだが、すでに沈んだのか姿なく、
真上に天の川が横たわっているのがよくわかった。
車内で軽く仮眠してからと横になりかけたが、後から来た車の登山者が駐車後すぐに出発したのに
触発され、用意を整え、軽く食事してから真っ暗な中歩き始めた。
九重連山の周囲に雲海が広がっているらしいのがわかった。もしかしたら連山の周囲がすべて雲海で
埋め尽くされているのかもしれなかった。このままガスが上がって来ず、安定した晴天が続くことを
願いながら歩き続けた。
三俣山・本峰一番乗りかと思いきや、すでに一人いて、0:00頃から登り、星を撮っていたんだそうだ。
夜明け前の一番寒い時間帯、ありったけの物を着込んで、私も撮影準備にかかる。
昨秋も運よく同じような雲海の場面に遭遇したが、今度はそのミヤマキリシマ版だ。あーでもない、
こーでもないと、日の出前、日の出直後と写真を撮りまくった。
ほどなくしてⅣ峰へ移動。ここの山頂部にはキリシマがかなりの密度で咲いていて、撮影をしばし楽しむ。
下山途中、西峰から大船山方面を写したもの。周囲のガスが上昇、移動して、法華院温泉あたりにまで
流れ込んできているのがわかる。これもし、立中山(この写真中央の台地)で撮影していたら、
面白かったであろう。ガスがすぐ近くまで押し寄せてきている。
ただしこれは紙一重、ガスに完全に巻かれてしまったら撃沈である。
わざとゆっくりめに降りてきたのは、Ⅳ峰斜面に日が当たるのを待っていたからでもあった。ただこの時間帯は、
半逆光となりキリシマの色が飛んでしまい、あまりいい撮影条件ではないようだ。
すっかり晴れ渡った硫黄山を振り返る。
長者原方面への分岐地点から長者原(タデ原)を望む。ここから長者原まではまだかなりの道のりだが、
大曲に駐車できればずいぶん距離を短縮できる。