旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

20230712 北海道夏編㉙ 最後の最後、緊迫の舞鶴港接岸 小樽港~舞鶴港~和歌山市

2023-07-12 07:12:01 | Weblog



7月12日(水) 曇り時々雨

船内は予想に反したいした混雑はなく、団体は船国自衛隊の方々が少々いる程度、夏休み前
ということで、就学年齢前の小さな子供を見かけるほかは家族連れも少なく、ピーク寸前、
静かな船内だ。本州付近は梅雨末期の不安定な天候が続いていて、その影響で天候は海域に
よってめまぐるしく変わり、時折揺れの激しい時間帯もあったが、全般まずまず快適な
航海だったと思う。

定刻21:15よりも早い21:05着予定とのこと。それにしてもずいぶん早い時刻に車両積み込み
室への立ち入りが許可された。いつもなら「ゴー」というバラストを吐き出す大きな音?
が途絶えてから船内放送が入るのに、その音も聞こえず、普段通りでない違和感を感じ
ながらも車へ乗り込み、ゲートが解放されるのを待った。がしかし、待てど暮らせど門は
開かず、ついに我慢の限界を超えて車外へ出た方が係員に事情を聴きに行って、初めて
機関部のトラブルで港へ接岸できず、船はいったん沖合いへ離れたことがわかった。

ようやく乗務員がやってきて、貨物室は温度も高く、いったん客室へ戻るよう指示が出た。
その間、こちらから尋ねなければなんの説明もなかったので、対応は迅速だったとは
思えない。この時点で、すでに21:30を過ぎていたと思う。


   

自室のベットで横になって過ごした。時々船内放送が流れたが「機関部のトラブルで…」を
繰り返すばかり、詳細は依然不明のままだ。

さて、この先どうなるのか? 基本暇人の私は、このまま海上ホテル、もう一泊しても
構わないと思っていた。帰宅後食べるつもりで、夕飯はカップラーメンしか食べていないから
そのうちお腹がグーグー鳴り出すだろう。「臨時に売店を営業します」とのアナウンスも
あったが、基本無視していい。もっと事態がひっ迫すれば、やがておにぎりやパンなどの
差し入れがあるかもしれない。手持ちの食料はどうだ? ラーメンは食べつくしたが、
お土産に買った柳月のどらやきが2個あるし、山で使わなかった携行食はけっこう
残っている。翌朝くらいまでなら十分持ちこたえられそうだ。ヘリコプターやボートで
救出される可能性もある。しかし荷物を満載した車をおいてはいけず、これはパスだ。

我々乗客のほぼすべてが北海道旅行からの帰宅者なので、どんな結末を迎えても、
最後には笑い話になるであろう。しかし、シャレにならないのが、今、港で待機している
乗船予定者たちだ。機関部のトラブルがどの程度なのかがまったくわからないが、
仮にこのまま接岸できても、修理や調整などでドック入り、すぐ折り返しての出航は
考えられない。そうすると旅行者のスケジュールは白紙に戻り、場合によっては
このあと数日は出航が見合わせられるだろうから、一番のかき入れ時に、船会社
としても手痛い事態だ(しかし、これは杞憂に終わったようで、このあとすぐ
折り返し出航され、そのあとも欠航することなく運行されている。一体全体、
どんなトラブルだったのかが、いまだに不思議でならない)。

暇なので、そんな考えが頭をグルグルめぐっていたが、いっこうにらちが明きそうに
なく、後部デッキに出てみた。舞鶴港はすぐ眼前に見えているのに… 自衛隊の方が
いたので「訓練でなく、実践での出番が来たようですね!」と話を向けてみたが、
「陸上ならともかく、海の上ではどうも…」というつれない返答だった。

それからまた時間が流れ、「タグボートがこちらに向かっており、これから約一時間
後に曳航されて舞鶴港入港予定です。それまでの間、もう一度だけ自力での入港を
試みます」とのアナウンスがあった。しばらくすると、例の「ゴー」という大きな
音が聞こえるなどしたあと、「自力での舞鶴港入港に成功しました…」と放送があり、
やれやれといった感じで、再び車庫へ向かった。繰り返しになるが、なぜ最初から
これができなかったのか、そして、こんな出来事があったにもかかわらず、その後
別段運休などすることなくスケジュール通りに運行されているのが、とても不思議。

やがてバイクから下船が始まり、続いて自衛隊の特殊車両、それからようやく
一般車が降りることができた。すでに時刻は23:00を回っていて、定刻よりも
2時間遅れでの下船となった。

結果オーライだったのは、高速道路がオール深夜割引適応で安く済んだのと、
通行量がさらに少なく、快適に自宅まで走れたことだ。それならば、通常時も、
コンビニの駐車場で2時間くらい休憩して、それから走り始めたらいいのにと
なりそうだが、少しでも早く自宅に帰り着きたいのが人情だし、遅くなると、
居眠り運転のリスクが増すのが怖い。ちなみにこの日も、トラブル発生を知る
前にビタミンドリンクをグビっと飲んでしまったので、効力が早めに薄れてきて、
途中疲労の色が濃くなったので参った。

結局自宅着が2:30。北海道ならそろそろ東の空が白み始める頃で、日によっては
すでに行動を開始していたなと、苦笑いするほかなかった。



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