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声優陣の一部を紹介しましょう。ご登場願うのは、カミーユ・ビダン(CV:飛田展男)、
ジェリド・メサ(井上和彦)、ヤザン・ゲーブル(大塚芳忠)のお三方です。いずれも
現在でも現役でご活躍の方ばかり、むしろ、今のほうが露出度が多いのではと思われます。
Zガンダム操縦者の主役ニュータイプを演じられたのが飛田さん。一見ナイーブそうな
イケメンでヒーロー然としていながら、その実相当な性格破綻者で、空手を習っていた
ため腕に自信があるからなのか、カッと頭に血が上るとすぐ相手に殴りかかるという
危険人物でもあります。そういう複雑な性格付けの主人公を、飛田さんは繊細な
ハイトーンでうまく表現されていました。
バリバリの現役でご活躍の飛田さんは、現在も多くのアニメ作品にご出演されています。
しかしそのナイーブな美声は封印されていることが多く、幅広い声色を使い分けるので、
ほとんどの場合、エンドクレジットを見て初めて、飛田さんが演じていたことにあとから
気がつきます。昨年度の作品では、「かげきしょうじょ!!」のゲイっぽい音楽教官や
「最果てのパラディン」の幽霊魔術師・ガス役などでお耳にかかりました。おそ松さんで
ダヨ~ンを演じられていたのにはさすがに驚きでしたが。
カミーユのライバル的存在がジェリドで、声を当てていた井上さんは「伝説巨神イデオン」
のハタリ役などでも富野作品に出演されています。我々世代には「サイボーグ009」の
島村ジョーなど二枚目路線の鼻にかかった甘いお声のイメージが強いのですが、近年では
「夏目友人帳」でのニャンコ先生や「映像研には手を出すな!」のやる気があるのかないのか、
浅いのか深いのかよくわからない部活顧問役など、意表を突くようなキャラクターも担当され、
活躍の幅を広げられています。もはやレジェンド声優のひとりと言っていいでしょう。
物語後半、カミーユの前に立ちはだかるのがヤザンで、ほぼ全滅するティターンズ側の
関連人物においてしぶとく生き残り、ZZ(ダブルゼータ)ガンダム前半まで出続けます。
演じる大塚さんは、富野作品前作「重戦機エルガイム」での主要人物ミラウー・キャオに
続いての登板となります。日本人離れしているというか、アメリカナイズされたお声と
いうのか、独特の渋い声質は洋画の吹き替えでも重宝され、アニメを見ない方々でも
そのお声に触れた方は多いのではないでしょうか。私が印象に残っているものでは、
「ジュラシックパーク」シリーズのジェフ・ゴールドブラムの吹き替えでしょうかね。
深みのあるお声にさらに磨きがかかった現在、アニメ作品でも引っ張りだこの感があり、
それほど器用に声色を使い分けるタイプではなく、一聴するだけで「大塚さんだ!」と
わかる場合が多いにもかかわらず、違和感少なく様々な役柄にフィットしてしまうのが
不思議なんですよねえ。枚挙にいとまがないのですが、たとえば大ヒットした作品で言うと
「鬼滅の刃」で主役竈門炭治郎の師匠・鱗滝左近次や「ゴールデンカムイ」の鶴見中尉
などですかね。
お三方いずれも、Zガンダム時代よりも現在のほうが出演作品が多くなっている印象で、
長い年月を経てなお、当時以上に活躍されているのがすごいと思います。
先の話が長くなり、安彦良和さんデザインによる、次々登場する美形女性キャラに
触れる予定だったスペースがなくなりました。またいずれかの機会に。
この番組が初めて放映されたときには、関西では平日の夕方5時か5時半頃に始まっていた
ように記憶しています。第一話から見始めたものの、十話ほど(カイ・シデンが初登場した回
まで)で頓挫してしまいました。友人らとの付き合いやアルバイトなどが忙しく、決められた
時間にテレビの前に陣取ることが難しくなってきたのが、見なくなった一番の理由だったと
思います。ようやく家庭に普及し始めていたビデオデッキをまだ所有していませんでしたしね。
まあでも、作品自体に相当する魅力があったのなら、飛ばし飛ばしでも見続けたのでしょうけど、
そうせず見切りをつけたのは、そこまで強く引き付けられるほどの完成度、出来栄えでなかった
ということなのでしょう。ようやくすべて通しで最終話まで見ることができたのはそれから
数年後、勤め先での取引先のアルバイトくんがビデオテープにダビングしてくれてからでした。
Zガンダム以来、単発でいくつか見た以外には新作アニメをほとんど見なくなってしまうので、
その意味で私にとっては分岐点、負のエポックメーキング的な作品だったとも言えるでしょう。
最近になってアニメ視聴を再開するまでに、それから実に30年以上の時が流れが必要でした。