上士幌にある「みどり鮨」さんに初めて行ってきました。そのご報告。
私はミシュランには興味がないし、わざわざそこに掲載されているお店に出かけるってことも
まずないことなんです。でもきっかけはなんだったか、けっして港町ではない北海道の内陸にある、
しかも私がよく訪れる町のお寿司屋さんがミシュランに取り上げられていると知って興味がわいて、
一度行ってみたいと思っていたんですね。ところがこれまで行けずじまい、最大のネックが
「夜しか営業していないこと」でした。
上士幌は糠平から一番近い市街地ですし、ガソリンスタンドや小さいながらスーパーやコンビニもあり、
しばしば訪れる場所です。その先の帯広はさらに大きな町で、グルメツアーなどでも頻繁に訪れるので、
その際に上士幌は通過地点になってしまうこともありますけどね。もしみどり鮨が昼間も営業していたなら
とっくの昔に行っていたでしょうが、たとえばぬかびらユースに宿泊すると、ここの夕食はおいしいくて、
まず素泊まりすることはありえないので、その機会を逸していたのでした。
9月17日(水)この日は天気が悪く、愛山渓からの登山を中止したので、さてどうしようかと思い、
思い切ってみどり鮨へ初挑戦することにしたのです。今までならぬかびらユースに夕食付で泊まる
タイミングなんですがね。今回訳あって車中泊を多用したので、その機会が生まれたともいえます。
お店が17:00~ですから、それまでの時間を潰すのが大変です。しほろの道の駅にある「しほろ温泉・
プラザ緑風」で日帰り入浴、ここの休憩所でたっぷり昼寝しました。ここはぬかびらの塩崎さんおすすめの
温泉で、モール泉の温泉がかけ流し、500円で施設もまずまず充実していていいところでした。
温泉好きの方なら、こんな愚図ついた天気の日には何軒も温泉をはしごしたらいいのでしょうけど、
私の場合、一回汗を流したら十分満足ですからねえ。
もうひとつこの店のネックは、定休日が「不定休」なこと。行って休みだったらがっかりですよね。
地元民ならともかく、遠距離からの旅行者はタイミングを外すと大変なことになります。
ですからその前に「かみしほろ情報館(観光案内所)」で本日の営業を確認しておきました。
水曜日でしたからかなり危険ですよね。その際お姉さんにこの店の探りを入れておきます。
「車なのでお酒が飲めない」と嘆くと、「生ちらしお持ち帰りも出来ますよ」とのいいアドバイスを
受けました。そうだ、その手があった! さらに「二人きりで切り盛りしていて、忙しいとかなり待たされるので、
先に持ち帰り分も注文したらいいですよ」との指示もいただきました。なるほど、的確なご忠告、
本当に助かりました。
そして17:00ジャスト、店の前の電灯も灯っていなくて、一見やっているのかどうかもわかりにくかったけど
一番で飛び込みました。バーのようなおしゃれな雰囲気ながらとてもシックで落ち着いた店内です。
6人ほどが座れるカウンターの端へ陣取りました。いきなりお茶が出てきて、飲み物のことを聞かれないので
ちょっと拍子抜け、どうせお酒飲めないけどね。メニューにも「日本酒色々あります」としか記載されていなくて、
どうもお酒にはこだわりのない店のようです。寿司の特上・1700円とお持ち帰りの生ちらし(上・1200円)を
頼みます。ちなみに寿司の上が1200円、生ちらしの特上が1700円でした。
寿司は次々出てきたので不覚にも正確な数を数えていないのですが、10貫+αあってあら汁付、
ネタはノドグロ、ホッキ、大トロ、などなど高級どころがそろっておいしくて、しかもこの値段だとCPもかなり
高いと思いました。お持ち帰りの生ちらしは容器代もとられず、たぶん本来つくあら汁がその分ないからだと
思われます。こちらも海鮮ネタが10種類以上?たっぷり乗っているので食べ応え十分、大満足です。
これだけ食べて2900円(税込み)ですから、安いと思いますよ。たとえば小樽・魚真の「魚真にぎり」は
15貫2700円、回転寿司のトリトンでおなかいっぱい食べて2000円前後ですからね。トリトンは
飛び抜けてレベルが高いけれど、それでも回転寿司には出せない味ってありますからね。
ここの欠点はやはりお二人(大将と若い従業員?)で切り盛りしていること。間口の狭さに比べ奥行きが長く、
店は結構大きくて、せめてもうひとり接客専門の方がいてほしいところ。私の入店直後三人連れが奥の座敷
(あるいはテーブル席か?)へ、さらに続けて二人連れがカウンターに。しばらくして4人連れがやはり奥へ。
その間、電話での注文が入ったりでてんてこ舞い!! 店内の落ち着いた不雰囲気にそぐわないあわただしさが
非常に残念です。私が調査員だと星外しちゃうよ!? 案内所のお姉さんに「お寿司食べてちょっと
物足りなかったら、あとお勧めを数貫追加で握ってもらったら?」とのいいアドバイスもいただいていたのですが、
とても大将と会話を楽しんで地元ネタのいいのを頼むって雰囲気でなくなったのが残念でした。
それはともかく、食事の内容は非常にいいと思いましたので、ぜひまた機会を作って行ってみたいですわ。
なお、写真は小冊子「かみしほろ旅図鑑」に掲載されているものです。
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