旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

ノーベル賞赤崎氏「LEDは平和的な技術」 … それに比し原発核燃料の恐怖を憂う

2014-10-10 14:41:59 | 政治経済


 ノーベル物理学賞受賞の3氏の様々な発言がマスコミを賑わしている。いずれも教訓に満ちているが、中でも毎日新聞のインタビューに答えた赤崎勇教授の発言が心に響いた。氏は、科学技術が人類に果たす貢献について次のように言っている。

 「科学は使い方によっては刃物にもなるし、薬にもなる。使う人間の英知が問われる」
 「LEDは悪魔的に使おうと思ってもそういう使われ方は、一般的にはできない技術」

 85歳の老教授は、1980年代に自らが研究開発したLEDが、想像以上の速さで普及、使用されていることに目を細め、「平和的な技術」と胸を張ったという(9日付毎日新聞一面)。
 正にLEDは、21世紀の光として世界を照らし続けるであろう。


 それに比し、「平和的利用」の鳴り物入りで使用されてきた原発核燃料の恐怖を憂う。先日、三菱総研の講演会で中谷巌氏の話を聞いたが、氏はその中で、「これからの人類の不安要因、特に日本の先行き」に触れて次の4課題を提起した。
 1.過剰資金問題。過剰マネー、じゃぶじゃぶマネーの処理
 2.放射性物質の処理問題
 3.地球温暖化問題
 4.人口問題。特に日本の急激な減少と老人問題

 いずれも大変に重い課題である。しかし私は、1、3、4の課題については究極的には楽観的である。マネー問題も人口問題も人間は英知を絞って解決していくのではないか? 温暖化は困ったものだが冷凍化するよりいいだろう。
 ただ核燃料の処理だけは悲観的である。人類は処理方法を知らぬままに使用をつづけたのである。赤崎氏の言う「科学が刃物になった」典型であろう。正に人類は「英知が問われている」のである。
              


LED開発でノーベル物理学賞受賞の快挙 … 赤崎、天野、中村の3氏

2014-10-08 15:31:44 | 文化(音楽、絵画、映画)


 実用的な青色発光ダイオード(LED)の開発で、日本の物理学者3氏がノーベル賞を受賞した。赤崎勇名城大教授(85歳)と天野浩名古屋大教授はその開発の面で、中村修二米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授はその実用化が評価され、3人同時の受賞となったようだ。
 トーマス・エディソンの白熱電球の開発・実用化により世界は日常生活に光を得たが、それから百数十年、人類は「白色電球よりはるかに消費電力が少なく、耐久性も高く、また環境破壊を及ぼすことの少ない白色照明」を得ることができたのである。
 正に光の革命であり、電球だけでなくあらゆる電気機器のディスプレーや交通信号など広く生活分野に使用されてきている。世界の白色照明は、すべてLEDに切り替わっていくだろう。その先鞭を日本人がつけたことを誇らしく思う。しかも、一昨年の山中教授の研究結果と同様に、日常生活に直結した恵みを与えてくれたことをうれしく思う。

 それにしても、その研究態度、すさまじい探究心には頭が下がる。青色ダイオードの開発は不可能と、多くの研究者が次々とやめていく中で、ひたすら続けた研究の結果であったようだ。赤崎教授は、「ひとり荒野を行く感じだった」、「やめていく人もいたが、ちっともそういうことは考えなかった。ただ自分がやりたいことをやってきた」と述懐している。また天野教授は「実験で3000回は失敗した」と振り返っている。それでも諦めなかったのだ。
 ノーベル賞という賞が、単なる天才とか幸運とかによって与えられるものでないことだけは確かなようだ。


大雨の中の純米酒フェスティバル

2014-10-06 14:14:11 | 


 今年もまた自然災害の打ち続く年であった。集中豪雨、土砂災害、かてて加えて御嶽山の噴火で数十人が命を失うなど、年々災害の規模は大きくなってきている。その中で東京だけは台風も避けてくれていると思っていたら、「ここ10年で最大規模の台風」18号の直撃を食らうことになった。天の恵み、天の災害…、神はこれを全ての民に平等に与え給うのだ。
 しかも、台風本体は未だ西日本にあるにもかかわらず、東日本にかかる前線の関係で大雨となった昨日、「純米酒フェスティバル2014年秋」を開催した。朝から降りしきる大雨でどうなることかと思ったが、幾人かの欠席はあったものの満員の盛況でホッとした。
 なにせ今回は15年目、30回の記念すべき会であったから。そしてそれにふさわしく、出展蔵の酒の質も、参加者の日本酒をたしなむ質も、ともども向上してきたように思えた。うれしいことである。

        
         

   
  純米酒愛好家中谷政明さんと「味処かわしまや」の面々 
         
30回皆勤賞の中谷さん(左)と初参加のフリーアナウンサー小谷あゆみさん(中央

 中谷政明さんは30回皆勤賞どころではなく、毎回、昼の部(12時~14時半)と午後の部(16時~18時半)すべてに参加いただいた強者(つわもの)、いわば60回皆勤賞で今回感謝状が贈られた。このような人に支えられて今日を迎えた純米酒普及運動であった。
 小谷さんは初参加であったがこちらも日本酒愛好家、フェスティバルを大変評価してくれ、「石川観光特使」や「やまがた特命観光・つや姫大使」などを務めるので、今後の純米酒普及推進にいろいろと力を発揮してくれるものと期待している。

 出店蔵の中には、東日本大震災で被害を受けた蔵も多く、中でも「浜娘」を醸す赤武酒造さんは岩手県大槌町の蔵が全壊、昨年盛岡市に蔵を建てて復興、いつの日か大槌町に再建することも夢みて頑張っている。心から拍手を送りたい。

                   
      

                             


1秒差の銀メダル … アジア大会男子マラソン

2014-10-04 11:04:25 | スポーツ


 アジア大会男子マラソンは、松村銀、川内銅メダルの結果に終わった。バーレーンの選手が優勝したが、世界的レベルから見てどのくらいの水準なのか分からないので、日本選手の成績を喜んでいいのかどうかも分からない。2時間12分台の記録だから、それほど高水準のものではないのであろう。
 それはともかく、42キロを2時間以上かけて走って、1秒差というのは差たりうるのか? 川内は松村に遅れること3秒差、トップとも4秒差だ。これまた2時間12分からすれば誤差範囲内の差ではないのか?
 しかしそれが、金と銀と銅メダルの差となる。スポーツとは厳しい世界だ。最後の1秒を争って、それまでの42キロは何だったのか?、と言いたくなる。42キロは省略して、最後の2,30メートルだけを争えばよかったのではないかとさえ言いたくなる。

 しかし、その1秒や4秒は決定的なのである。川内は完敗を認めた。一時は10秒(数十メートル)ほど離されながら最後は優勝を争うところまで追い上げて敗れた川内は、「余力を残せなくて……、弱いな…」とショックを隠さなかった。
 しかも、来年の世界選手権には出ないで、「一度選考レースから離れて自分自身を磨きたい」とまで言っている。この4秒差はかくも決定的なものであったのだ。
 スポーツの世界における1秒や1ミリは普通人には想像もできない大きな壁なのであろう。


有給休暇と日本人

2014-10-03 14:45:09 | 政治経済


 今日の日経新聞の一面トップ記事は、有給休暇の消化を企業に義務付けることが厚労省で検討されていることを報じている。つまり、長時間労働の是正の一環として、従業員に有給休暇を取得するように企業に義務付けようというのだ。
 従業員は、働かなくても給料が受けられる一定日数の有給休暇を権利として保有している。一般に6年半以上勤務すれば年に20日与えられる。ところが日本人は、これを遠慮して全て取得しない,つまり自ら権利を放棄しているのである。
 同記事によれば、日本の有給休暇取得率は47%ということだ。欧州諸国ではほぼ100%となっている。日本の長時間労働とサービス残業(残業しても遠慮して時間外手当を請求しない残業)が世界的にも問題視されているが、それだけではなく、当然休める年次有給休暇も半分以上を返上しているのだ。
 しかも一方で凄まじい貧困状態が問題になっている。年収2百万円以下の貧困層が2千万人以上といわれ、一生懸命働いても貧しいワーキングプアーと言われる層が1千万人に達するとも言われている。
 ところが一方では、当然行使できる有給休暇という権利を、半分以上も放棄するつつましい働きぶりなのだ。それが現在の日本の富を築いてきたのであろうが、前記の貧困ぶりを見ると、その富は大企業の内部留保300兆円に蓄積されているのではないのか?
 富の再分配も働きぶりも、ここらで総決算をしてみる必要があるのではないか?


早くも10月…

2014-10-01 14:40:46 | 時局雑感


 このところ毎年、10月初めまで残暑が続いたような気がしているが、今年は9月半ばより秋の気配を味わってきた。しかし台風など集中豪雨による水の災害が多く、ついに御嶽山の噴火という思いもしなかった災害にあって、どうも落ち着いた秋の風情というわけには行かない日々が続いている。
 今年も余すところ3か月…、第4コーナーをまわってホームストレッチだ。アッという間に過ぎ去ることであろう。だが、夏場から初秋にかけて(7~9月)過密スケジュールが続き、体調を崩してブレーキがかかった。スピードを緩めたい。
 検査の結果、肝機能の低下が指摘され1か月後の再検査を言い渡された。恐る恐る「酒はだめですか?」と尋ねると、「まあ、飲みすぎないように普通の量に抑えてください」とのことだ。私の「普通の量」はちょっと多いので、半分ぐらいに抑えよう。
 思い起こせばこの間、酒を飲む機会が多かった。神は見落とすことなく、「まだ生きたいのなら少しは自重せよ」というお達しを下されたのであろう。有難いことだ。このお達しには素直に従っている。
 しかし10月もやや過密な日程が続いている。酒量を抑える者にとって最大の試練は「純米酒フェスティバル」である。主催者の一人として、どの程度酒をひかえながら一日を終えるか…、まさに試練である。
 その他いろんな集会が続き、下旬には恩師竹村修一教授の墓参を兼ねた高知旅行も控えている。自重して臨もう。


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