タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

青春の山は雨の中

2012年05月25日 | 山歩きから
広島県の最高峰、恐羅漢(おそらかん)山に登ってきました。最高峰と言っても標高は1346mしかないのですが、最高峰は最高峰です。

この恐羅漢山を盟主にした芸北山群と言われる山々は、広島の岳人のふるさとの山、心の山といっても間違いありません。タカ長も若き日にはこの山に通い、チョッとオーバーに言わせていただければ、あのコースのあのあたりにはこんなかたちの岩があるとそらんじていたものです。

その頃の恐羅漢山は山腹にスキー場が出来る前のことで、ブナの原生林におおわれた奥深い山でした。アクセスもいまのようにマイカーで日帰りすることも出来なくて、山麓の古屋敷の農家で民宿してから山頂を目指したものです。

タカ長の定宿はMさんのところで、そこには何度もお世話になったものです。ただいつも民宿を利用していたわけではなくて、テントを利用して付近の山を歩いたこともめずらしくありません。何日か山に滞在していると雨の日もあり、そのような日には日中Mさん宅を訪ねてコタツで雑談し、夜になるとテントに帰って寝たこともあります。

青春時代の喜びも悲しみも、いろいろなものを受け止めてくれた芸北の山ですが、その山が今日は微笑んでくれませんでした。終日雨、その中をのんびりと歩き、山頂で弁当を食べて下山しました。

         
    
         

雨は降り続きましたが風がなかったので傘が役に立ちました。雨の中ののんびり歩き、傘が使えたので花の撮影も出来ました。と言ってもユキザサやチゴユリなど白い花ばかりが目立って、カラフルな花は目につきませんでした。

       

       

恐羅漢と言えばブナの山でした。青春の頃は岩がゴツゴツした山が好きで、その面ではブナの山の良さを知らなかったと言えますが、この歳になると失ったものの大きさを感じることが出来ます。ブナの山は緑のダム、と言いますが、また命の宝庫でもあります。そのブナが伐られて、、、この山の魅力は大きく損なわれたと言っても間違いありません。

         

         

この尾根を歩く限り、当時を思わせるブナの大木はほとんどありません。ところどころにこの程度のブナがポツンと残っているだけです。この山の北側を歩くとブナの森がありますが、それも往時のもとの比べると見劣りするのではないか、と感じるのはタカ長だけなのでしょうか?

言っても仕方ないことですが、この山の北側にある中の甲あたりのブナ林は今でも語り草になっています。最近は植林されてしまったので、その後はまったくと言っていいくらい行っていません。

往時のブナの原生林が恋しく思われるのは、タカ長がそれだけ歳をとったと言うことなのでしょうか?