タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

ベトナムの旅から~その11

2009年12月17日 | 旅行のことなど
何でも運ぶベトナムのバイク

 ベトナムの話が中断していますね。

 今日は時系列の話から離れてベトナムのバイク文化の紹介します。



 ハノイのノイバイ国際空港。その日私たちはハノイからフエに飛ぶ予定でした。しかし、チェックインが終わったあとに、私たちが乗る飛行機が遅れると旨アナウンスがありました。それも5時間。

 ノイバイ空港は小さな空港です。空港の中で過す時間が5時間増えてもすることはありません。数少ない小さな売店を覗いてみる程度です。ほとんど軟禁状態に置かれてしまいました。

 そのとき売店でこの本を見つけました。写真だけの本ですから立ち読みも簡単です。自分がザッと見たら仲間を呼んできて紹介、、、、、そのようなことをしていたら最初は機嫌が良かった売店の人の顔色がだんだん悪くなって、、、、、、何となくその本を買う羽目になってしまったわけです。



Staws

 その中の一部を紹介します。何故Strawsと言う題になっているのか分かりませんが、この状態で街中を走るなんてサーカス並ですね。どうして動き始めるのでしょうか?



 Decprative Bushues

 小さな森が動いているような感じが済ますね。この程度のことは彼らには朝飯前のことでしょうが、私たちには度肝を抜かれます。



 Mirror

 タカ長もハノイの町でこのようなものをこのようにして運んでいるのを見ました。かなり早いスピードで走っていました。バイクを運転している人よりも後ろでミラーを持っている人が大変ですね。相当風圧がかかるはずですから、それを支える腕力とか腹筋とか、、、、、

 そもそも何も持たないで後ろに座っているだけで私たちは怖いのですが、彼らは抜群のバランス感覚を持っているのでこのように色々なものを持ったまま座っておられるのですね。



 School Children

 彼らはこのように子どもの頃からバイクの上で育っているのです。この子たちは小学生でしょうが、もっと小さな頃から、やった首が座ったばかりの幼い子も親の膝の間に乗ってバイクの洪水の中を走っているのです。つまり私たちとは育った文化がまったく違うのです。

 バイクの後ろに座って何もつかまらないで携帯電話をしているのは現地では日常的な風景です。



 実はタカ長たちもベトナムでバイクに乗せられました。場所はセンティ。あの広大なセンティを歩くのに時間がかかりすぎるので、国立公園のレンジャー氏のバイクに乗せられて時間短縮を図ったのです。

 最初は何が何か分からない状態で乗せられたのですが、怖いとは思いませんでした。センティの道はこのように固いところばかりでなくて、ぬかるんでいるところもたくさんありました。そこを走るたびにタイヤが横にスリップしていることも分かりましたが、乗ってしまえばスリップするのも悪くないかぁ、と言った気分で小さなバイク旅を楽しみました。

 そのようにのんきに座っておられたのは、ベトナムの人はうえで紹介したようなバイク文化の中で生まれ育っていることを知っていたからです。相手の技能がまったくわからない日本人の運転でしたら怖くてライダー氏にしがみついていたはずです。



 自分でもバイクに乗るこのメンバーはライダー氏にしがみついていました。

 自分の息子のような若い男にしがみついていたのだから良かったではない、とからかいましたが、そんなことも考えないで、怖い思いをして乗っていたメンバーのほうが多かったようです。

 ライダー氏の腹あたりにしっかりと抱きついているのが見えますね。よほど怖かったのでしょう。

 帰りもバイクに乗せてあげる、と言う話もありましたが、あのように怖い思いをするのなら歩いたほうが良い、と言って全員5km以上の道を歩いて帰りました。タカ長はバイクでも良かったのですが、、、、、、、

 しかし、歩いて帰る途中で珍しい鳥との遭遇もありましたから、歩いて帰ったのが正解と言うことにしておきます。


来春の調査に向けて

2009年12月16日 | タカの渡り観察
おめでとうございます

 と言っても正月の挨拶ではありません。我らがキム・ソンヒョン研究員のところに第二子が無事誕生しました。お嬢さんです。母子ともに元気だと昨日電話が入りました。

 12月初旬の予定だと聞いていたので今か今かとその朗報を待っていました。ソンヒョン研究員も何かと落着かない毎日だったと思われますが、これで安心して仕事に打ち込めるはずです。本当におめでとうございました。

 その仕事の一つは来春の渡り調査の準備、もちろん色々協力してもらえるはずです。私たちも彼の協力をアテにしています。


来年のことを言えば鬼が笑うかも分かりませんが、、、、、、

 今日、御大とトビ吉おじさんの三人で昼食を採りながら来春の調査に向けて気勢を上げました。来年のことと言えば先のようですが、実際にはそれほどの時間はありません。もう具体的な準備を始める時期になっています。



 韓国釜山広域市影島区のボンレ山山頂から見下ろした釜山港です。

 来春も事情が許せばこの山頂に上るつもりでいます。途中の道がややこしいので現地の人の案内が必要なのですが、ナクトンガン河口エコセンターのカン・スング研究員に無理を言って案内してもらうつもりでいます。



 タカ長は高価なカメラ機材は持っていませんが、安価なタカ長カメラでも今春以上に良い写真を撮りたいと考えています。もう少しピントのきた写真が撮りたいのです。

 プサンに行く第一の目的は渡り調査であることは十分認識しているつもりですが、ボンレ山に登るときだけはわがままを言ってこのような、釜山港をバックに飛ぶハチクマの写真が撮りたいのです。



 今春行ったときは一度に13羽現われたのが最高でしたが、飛び方がばらけていて一枚の写真に収めることが出来ませんでした。まぁ、写真としての出来は悪くても、自分だけが納得できるものが撮れたら最高です。



 調査の面で言えば、来春は釜山と巨済島とで同時並行調査をしたいと考えています。理想的に言えば釜山で2ヶ所、巨済島で2ヶ所の調査地点を設定したいのですが、なにぶんにも参加者が少ないので両方とも1ヶ所での観察になるはずです。

 理想を言えばキリが無いのですが、それでも今春よりは充実した調査になるはずです。2ヶ所で同時並行調査をすれば韓半島からの飛び出しの状況を面としてみることが出来るので、これまで以上の成果をあげることが出来るはずです。



 来春はノートパソコンを持って行き、このブログの更新や観察速報をその日のうちに済ませるつもりです。その速報を見て日本で観察される人はご自分の観察地に駆けつけて頂けるようにする、と言うわけです。

 あまり大きなアドバルーンを揚げると、思ったような成果が上がらなかったときにバツの悪い思いをすることになるかも分かりませんが、自分で自分を鼓舞するためにも早めにアドバルーンを揚げさせていただきます。

 タカ長としては万難を排してこの調査にあたるつもりですが、老老介護の身としては何が起こるかわかりません。万一予定通りにことが運ばないときは笑って許してくださいね。

 来春の調査にあたる人はタカ長独りではありませんから、まったく調査ナシと言うような事態にはならないはずです。その点はご安心下さい。


冬の陽だまりハイク

2009年12月15日 | 山歩きから
傘山に登りました

 私たちの冬の山歩きは瀬戸内海沿岸の山歩き。

 瀬戸内海の海を見ながら歩くことを第一としています。雪山には登りません。私たちは健康のために山を歩いているだけで、登山の部分を突出して考えているわけではないからです。



 宮島の対岸、大竹市の傘山から見下ろす広島湾の海、曇り空で光る海は期待できませんでした。しかし、今日は無風でいかにも瀬戸内海らしい海と言えそうです。



 もう少し空気がクリアだったら四国、石鎚山あたりが見えるはずですが、今日はシッカリと確認できませんでした。

 山道はコシダの繁る細い道、これと言った植物も鳥も見られない単純な道で、のんびり歩いても予定よりかなり早く頂上に着きました。

 空を飛ぶのはカラス、鳥の声と言えばヒヨドリと言う程度では道草もママなりません。そう言えばヤマガラが囀っていました。しいて言えばそれが今日のトピックスです。



 瀬戸内海の光る海の写真と言えば岡山在住の写真家、緑川洋一さんの写真を思い出します。昔のことなので名前とかその表記が間違っていたらご容赦下さい。あのカラフルな写真は今日のような曇天の下では撮ることが出来ないはずです。

 瀬戸内の陽だまりハイクは晴れてくれないと絵にならないようですね。



 山頂に登ったころ薄日が射してきましたが、それもつかの間のことでした。これで風があると寒さに震えることになるのでしょうが、その風が無かったので助かりました。



 山頂から望む県北の山ですがどこを探しても雪は見えません。これからだんだんと寒くなるような予報が出ていますから、週末ころには白い山を見ることが出来るのでしょうか?

今日の裏山

2009年12月14日 | タカの渡り観察
赤い鳥は見たけれど

 赤い鳥を見ました。場所はタカ長観察地のすぐ上です。今シーズン初めてです。

 裏山に行くために火葬場の横を歩いていたら左手のブッシュの枝先に赤い鳥。双眼鏡を当てようとしたら逃げられる、次の枝先に止まったので見ようとしたらまた逃げられる、何と忙しいことでしょう。同じようなことを三度繰り返しましたが、三度目はゆっくりと止まってくれたのでしっかり見ることが出来ました。

 ところが今日はカメラを持っていませんでした。三度目の正直、あれだけ時間があれば証拠写真程度は撮れたはずですが、、、、、、。

 準備万端しているときは何も出なくて、、、、、、、よくあるパターンです。



 最初に目についたのはもちろん♂です。つづいて♀が♂を追うように枝先に現れて、♂から少し遅れて枝移りして行きました。つかず離れず、♂を追い越さないように、、、、。よほど貞淑な♀ですね。三歩さがって亭主の影を踏まず、、、。わが家とはまったく縁の無いベニマシコの移動方法でした。



 裏山では初めての踏みあとを湿地の傍までは行ってみました。この時期でも浅い水溜りがあちらこちらにあります。そこに近づいていくと遠くの枝に鳥がいるのですが、なかなか全身を見ることが出来なくて何だったのか確認できませんでした。

 もう少し近づいていくと近くを鳥の羽音が、、、、、何羽もすぐ近くを通過して行きました。なんとなく雰囲気的には合格です。この周りには鳥が集まるのかも分からない、と言う期待を持たせてくれました。

 裏山にまた新しい魅力が見つかりそうです。


野鳥の羽

2009年12月13日 | バードウォッチング
野鳥の羽は思ったより地味ですね

 今日のタカ長、「自然の博物館」をつくる会の総会に出席しました。

 「自然の博物館」をつくる会が活動をしていると言うことは、わが広島にはこの種の博物館がいまもって無いと言うことなのです。政令指定都市、とか言っても国立大学もナシ、それらしい空港もナシ、と言うようにお粗末な状況なのですから「自然の博物館」が無いのも当たり前(???)

 考えてみれば淋しいものですね。言ってはいけないことかも分かりませんが、平和、平和、原爆、原爆と言っているばかりだからこの種のものが出来ないのではないかとぼやきたくなります。

 平和は何より大切なことは論を待ちませんが、しかし、何となく偏っているのではないかと、あの原爆の閃光を見た経験を持っているタカ長は素直に疑問をもっています。

 さて今日の総会です。

 はっきり言っては悪いのですが、総会の議事に関心があって参加したのではありません。総会の前のF先生の講演を聞きたかったのです。そしてF先生の野鳥の羽のコレクションを拝見したかったのです。



 今日もたくさんのコレクションを展示していただきました。これがすべて野鳥の羽のコレクションです。もちろんすべて紹介は出来ません。



 ノゴマの羽も展示されていました。

 ノゴマと言えば北海道の広大な風景の中で何度も見ました。今春は韓国のオチョンドで身近に見ることが出来ました。何度見てもあの喉の赤さにはドキッとさせられます。皆さんも同様な経験をお持ちのはずです。しかし、、、、、、



 羽のコレクションで見るとご覧の通りです。エッ、あの赤はどこにあるの???と言う感じではないでしょうか。



 のどの部分を大写ししてもこの程度です。外で見たイメージとはものすごく違う、と思われるのではないでしょうか?F先生のお話では、喉の部分の羽はすべて採ったそうですから、これがすべてと考えて良いのです。

 実際には野鳥の羽は何枚も重なったような状態になっていますが、コレクションでは一枚ずつ並べてあります。そのために実際の鳥のような深みも厚みも感じられないので、私たちが屋外で見る鳥の色のイメージとは変わってしまうようです。



 渓流の宝石、と言われているカワセミの腰の部分も羽で見るとこの程度の色です。これもまたイメージとはかなりかけ離れていますね。

 コレクションが退色とか変色したとか言うことではないのです。F先生に何度も確認したのですが、注意して保存しているので変色はしていない、と言うことでした。

 野鳥の羽も一枚一枚見ると案外地味なのですね。


タカの渡り報告会から

2009年12月12日 | タカの渡り観察
観察地めぐり、、、、

 12月6日は観察地を案内して頂きました。



 先ず高茂岬。天気は曇、風が強くて体感温度はかなり下がりましたが、車十余台を連ねて観察地に向かいました。途中倒木もあり先頭の車の人が降りてそれを片付ける一幕もありました。



 観察されるのはこの場所ではなくて、車を降りてすぐのところで見ておられるそうです。ここまで下りたのは眼前の九州を見るため、そしてサシバの飛来方向を見ながらここでの渡りの説明を受けるためでした。



 これは九州の方向から少し南側に振ったところですが、海は一面の白波で風はおそらく「風力5か6」は吹いていたはずです。ゆっくりと説明を受け、シーズン中のサシバの動きをイメージするような状況ではありませんでした。



 皆さんは早々にこの坂を上がったところの駐車場に帰ってゆかれました。前方の山がサシバの飛来方向になります。ここから飛び出したサシバが頭上を飛んで九州に渡っていくのが普通のパターンと言うことになります。

 この高茂岬にはトイレも駐車場も完備しているので観察に行くには良いところです。



 高茂岬を見せてもらった後由良半島に向かいました。

 先ず、由良半島の付け根の標高の高いところに上がって遠くから由良半島を見ます。

 枝の向こうに左右に細長く連なっているのが由良半島で、サシバをカウントされているのはその先端ではなくこの写真の中間どころになるようです。



 ここは道路ののり面の急斜面を登ったところにある猫の額ほどの平地に日よけのテントを張って観察されているようでした。観察場所としてはお世辞にも良い環境とはいえません。ここから飛去方向の海側を見ながら、背後の山から飛び出してゆくサシバを見るのは辛い作業だと言えます。他に適地がないからされているのでしょうが、それにしてもご苦労なことです。



 参加者全員が立つこともできないような狭いところで説明を受けたあと、愛媛タカの渡り研究会の会長さんから挨拶があり、今回の報告会のすべてのプログラムを終了しました。

 高茂岬ににしてもこの由良半島にしても関係者はものすごい努力をしてカウントされていることが良く分かりました。彼らの努力に比べると、その気になれば自宅から歩いてゆくこと出来るタカ長など恵まれすぎた環境にあるといえます。

 自分たちが恵まれていることをあらためて認識するとともに、彼らが苦労して集めた観察データはいい加減な気持ちで見てはいけないように思いました。文字通り汗と努力の結晶なのですから、、、、、。

タカの渡り報告会~その2

2009年12月11日 | タカの渡り観察
ハチクマは天気を予測できるのだろうか?



 タカ長カメラでもこの程度の写真は撮れるのです。と言ってもその確率はきわめて低く、この影には多くのピンボケ写真があります。

 さて、愛媛県愛南町で行われた報告会の話です。

 そこで衛星追跡の航跡の上に気象の変化をコンピューターグラフィックにした映像に重ねた研究発表が行われたことは昨日のブログに書きました。そのシュミレーションを見てタカ長が興味を持ったことの報告です。



 衛星追跡の航跡図は、私たちが目にする事が出来るのは10個体くらいですが、実際にはそれよりはるかに多いハチクマが発信機を背にして飛んでいるのです。50個体いくらいるようです。そのことは今回はじめて知りました。

 これだけの航跡図を見ると見事にハチクマの渡りルートを図上に再現できます。その航跡を西は中国大陸から東は中国地方までの広い範囲の地図上にプロットすると本当に見事な渡りルートが再現できるのです。

 それによると中国地方の瀬戸内海沿岸から九州北部を経て五島列島あたりまでは硬く編んだ縄みたいな状態になっていますが、五島列島から西に東シナ海から中国大陸にかけてはその縄が大きく解けて扇子のように開いていました。
 東シナ海洋上には目印になるようなもも無いでしょうし、海上の風向きも微妙に変化しているはずですからハチクマが渡っていく方向もばらけてくるのでしょう?

 当然のことですがタカ長観察地は瀬戸内海沿岸の、縄がきつく編まれているところにあります。「ハチクマ高速道」の真下にあることが目で確認できるのです。

 このことは分かってはいることですが、はっきりと画面上で見せられるとやはり興味深々ですね。



 もう一つ興味を持ったのはその航跡図の上を移動するハチクマの動きです。

 五島列島から東シナ海の天気が悪いときは海を渡れないので、ハチクマが五島列島にたまってくることがシュミレーションの上でも示されていました。このことは私たちが観察地で見ている感覚と同じですね。

 多くの場合はハチクマは東シナ海の風向きが良いときに海に飛び出していくのですが、その中でチョッと変わった動きをするハチクマが目に止まりました。

 そのハチクマは五島列島から東シナ海にかけての風向きが良くないのに飛び出して行ったのです。そして100kmくらい沖に出たときでしょうか、時間経過とともに風向きが変化してそのハチクマが渡るには最適な北東からの風に変わったのです。ハチクマにとっては追い風、美味しい風に変わったのです。

 あのハチクマは何時間か先に追い風に変わることを予測して東シナ海に飛び出していったのでしょうか?本当のことはハチクマに聞かないと分からないのですが、もし天気が好転することを確信して行ったのなら、ハチクマには天気を先読みする能力があることになります。

 本当のことはタカ長には分かりませんが、とても興味のあるハチクマの動きでした。



 天気の先読みと言えばタカ長はアカハラダカで面白い経験をしています。

 佐世保の烏帽子岳に行ったときです。観察地は晴れ、風はありました。

 その日九州の南には台風がありました。そのためかどうかアカハラダカは動かないのです。私がその日観察したのは早朝の4羽だけです。到着が遅れた宝塚からの鳥友は1羽のアカハラダカも見ることが出来ませんでした。

 「アカハラダカの予知能力には参ったなぁ」と頭を抱えたのは宝塚の鳥友です。

 烏帽子岳と対馬の内山峠は無線で連絡していましたが、内山峠からの連絡でもアカハラダカがまったく動かない、と言うことでした。小さくて弱いタカほど天気の変化を機敏に感じるのでしょうが、それにしてもその日のアカハラダカは九州南方の台風を自分の目で見ているように感じたものです。

 ハチクマにしろ他のタカにしろ天気の変化にまったく無関心では自然界で生きていくことは出来ないでしょうから、程度の差はあっても彼らは彼らなりに天気の変化を予測する能力を持っていると考えるのが順当なような気がします。

 本当のところはタカ長には分からないのですが、、、、、、、。


タカの渡り報告会

2009年12月10日 | タカの渡り観察
タカの渡り報告会 2009 in 愛媛

 12月5日に愛媛県の最南端、愛南町のサンパールホテルを会場に「タカの渡り報告会2009 in 愛媛」が行われました。

 タカの渡りの話をする機会は昨年も今年の6月にも小さなものはタカ長たちがセットしましたが、今回はそのときよりも参加者も多く、また長野や岐阜など遠くからの参加者もあり「ミニ・全国集会」の感じがしました。



 会場は町の中心部にある小さなホテル。この町に住む鳥友がこの集会の事務局を担当しましたが、小さな町なのでホテルの関係者とも面識があるのでしょう、いろいろな面でホテル側にも協力して頂いたようです。例えばこの会場費、これもサービスだったようです。県外から参加する私たちには少し遠い会場でしたが、このように融通を利かせる面では田舎町のホテルで良かったのでしょう。



 田舎町のホテルと言っても結婚式も行われるようなホテルですから粗末なものではありません。この会場に40名以上の参加者を集めて報告会は行われました。



 準備されたプログラムは11でしたが、急遽参加できない人があって一部配布文書だけの発表もありました。

 各地の観察地の状況

 今春マレーシアで調査された信州グループの発表

 ハチクマの衛星追跡の航跡と東シナ海の気象情報をあわせた研究

 などなど興味ある発表が行われました。中でも後者の発表は参加者の耳目を集めたようです。わがトビ吉おじさんがもっとも関心を示す分野の発表ですが、実際に発表されたのはその研究をされた本人ではなく代理発表でした。そのためもう一歩踏み込んだディスカッションが出来なかったのは残念です。

 会場の雰囲気は「すごい発表だ」と言う一色で、踏み込んだ議論は出来る状態ではなかったようです。確かに私たち在野のアマチュアには出来ない研究で、その研究にけちをつける気は毛頭ありませんが、タカ長のようにフィールドに出ているものからすると、コンピューターのシュミレーションに現場での目視調査を加えて欲しい気がするのです。また、そこまでされるのなら、ハチクマの生理的な能力についても検証して、その能力との整合性についても議論を深めて欲しかったのです。

 タカの渡りのことばかりではありませんが、コンピューターでシュミレーションされた画面を見せられると、現実もその通りに動くような錯覚を起こします。テレビで見る天気予報が良い例です。彼らはそのシュミレーションに従って明日の天気を予報していますが、その予報がパーペクトでないことはご存知の通りです。しかし、テレビ画面で見せられると本当にそのようになるような気がするのが私たち人間なのです。このことはシッカリと心に留めておかないと公正な研究が出来ないような気がしています。

 コンピューターと人間、この場合は現場で観察する人の目などと協力してこの面の研究が進むことを願っています。



 

今年最後の渡り観察

2009年12月09日 | タカの渡り観察
2009年最後の渡り観察

 愛媛県愛南町で行われた、タカの渡りの報告会から帰ってきました。そのときの話は後日、と言うことにして昨日の話です。

 昨日、12月8日、早朝5時40分に愛南町のビジネスホテルを出発して一路佐田岬を目指しました。目的地は権現山。



 近くの道の駅にはこのような案内板がありました。佐田岬は渡り鳥の渡りルートでもあり、また風の通り道でもあります。今の世の中、風の通り道には風車が林立しています。この佐田岬ももちろん林立。



 権現山の観察地の西側にもこのように風車が並んでいました。山口県の皇座山から風車が並んでいるのを見たことがありますが、近くで見るとこのようにびっしりと並んでいるのですね。作業をしている人に聞くと24機ある、と言うことでした。



 その風車の近くのこのような小さな展望台で4時間観察しました。画面の向こうは東側、ノスリの飛来方向になります。



 最初に渡りを確認したのはハイタカ。展望台の北側でカラスにモビングされているのを見つけたのですが、そのハイタカはカラスを振り切ったあとは一直線に東方向に渡って行きました。文字通り一直線、、、、、、10倍の双眼鏡から消えるまで追いましたが、まったくぶれないで飛んでゆきました。



 飛んでいったのは中央の山の方向、タカ長は佐田岬は初めてなので地理的には不案内なのですが、おそらくあの山が堂堂山だと思います。その山の頂上を目指して空抜けのまま視野から消えてゆきました。ほとんど真東への渡りになります。



 次がこのノスリ。観察地の東側で斜面上昇風を使って一気に高度を上げてあっと言う間に観察地の北側を西に向けて流れて行きました。タカ長カメラでは2枚撮るのがやっとでした。

 この権現山の展望台は車を横付けできますから、大型の機材で撮影される人には最適だと思われます。頭の上から北側を飛んでくれれば光線状態も最高になります。

 展望台への道も大型バスでも行けるような広い道です。近くにトイレがないのが玉にキズですが、そのあたりは適当に処理してください。この展望台から西にある公園には広い駐車場とトイレがあります。そこまでは車で5分程度でしょうか。



 権現山の東側は切戸になっていて急角度に山が落ちています。これはその北側の集落ですが、実際に飛んでくるのはこの少し右側です。その方向は光線状態が悪くて写真を撮っていません。

 堂堂山あたりから渡ってくるタカはこのあたりで高度が落ちて、この切戸の上で最低になり権現山の斜面上昇風を使って高度を上げる、と今回の報告会の世話をされた鳥友から事前に聞いていたのです。そのノスリはその説明どおりの渡りをしてくれました。

 今年最後の渡り観察は東向きハイタカが2羽とこのノスリが1羽の合計3羽でした。この時期ですから多くはありませんが、12月になって渡りを観察するのは初めての経験です。そのうえ居つきのノスリは何度も出てくれましたから、私にとってはとても楽しい4時間の観察でした。

 権現山は渡りシーズンに行けば面白そうです。今がシーズン最中なら帰宅時間が遅くなるのを我慢して夕方まで観察しても良いのですが、今回は寝不足が続いていたので早めに撤収しました。


タカの渡り報告会

2009年12月04日 | タカの渡り観察
いよいよ「タカの渡り報告会・in 愛媛」です

 明日からタカの渡り報告会です。その報告会の世話をしている鳥友からの連絡では、参加者は40名を超えるようです。どなたが参加されるのか、それは聞かないことにしています。会場に行ってみないとわからない、そのほうが面白いではないですか?



 タカ長も若干時間が頂けるようなので、今春韓国で行った日韓共同調査の概要とこれからの展望について話すつもりです。

 このハチクマの写真はそのとき撮影したものです。釜山広域市影島区の蓬莱山(ボンレサン)の観察地で撮影しました。



 この観察地には釜山の「洛東河(ナクトンガン)河口エコセンター」のカン・スングさんに案内して頂きました。観察地の近くまで車で上がりましたが、あの道は地元の人でないと分かりません。

 車を降りて山道を30分歩いたところが観察地です。そのように観察地に行くのは大変ですが、展望は最高でした。タカ長としては韓国に行く前から釜山港をバックに飛ぶハチクマを撮りたかったのですが、カン・スングさんのお陰でその望みをかなえることが出来ました。



 釜山ではそのほか2ヶ所で渡りを観察しましたが、その2点は標高が低いのでこのようにハチクマの背面を撮ることはできません。徒歩30分頑張ってあの観察地点に行ってよかった、と言うことです。



 私たちが行った日は近くを飛んでくれるはチクマも多かったので、タカ長カメラでもこの程度の写真は撮ることが出来ました。それらしいカメラ機材を持っている人が行かれたらもっともっと良い写真が撮れたはずです。



 タカの渡り観察について言えば、東南アジアの国に比べ韓国の動きは鈍いのです。その不満はずっと前から持っていたのですが、この調査でわずかですが前に向けて動き始めました。その歩みは緩やかですが、とにかく動き始めたのですから、その動きがもっと活発になるよう願うだけです。

 もちろんタカ長たちも微力ながら協力してゆきます。


明日からその報告会に行くため3~4日このブログの更新が出来ません。ご容赦下さい。そのかわり報告会から何らかの話題を持ち帰ることが出来るはずです。それをお楽しみに、、、、、、。