光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
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「SONYのNゲージ・スハ43」に50年前の逡巡を見る(笑)

2017-03-25 05:57:52 | 車両・客車・貨車
 SONYのNゲージのはなし
 これまではED75について書いてきましたが、牽引されるスハ43のはなしが残っています。

 今回はそちらから。
 このED75にはスハ43が3両付いてきていました。
 
 形はどうにかスハ43していますが、当時の欧州型や初心者向けのHO・16番によくあった様に車体が実物よりも短くディフォルメされています。
 大体17M級程度でしょうか。しかもスケールは160分の1に近い様ですから全体に小ぶりで現行規格のNゲージに混ぜ込むとちぐはぐ感はそれなりにあります。

 おまけに連結面の造形がこれ以上ないというほどにラフな事、床下機器が「板状のシルエット」と言う思い切った処理など、マニアが見れば相当に玩具っぽく見えるモデルなのは間違いありません。

 ですが造形や機構面ではこのモデル特有の特徴も見られて意外と面白い物がありました。

 カプラーが独自規格だった事はED75の所でも触れましたが、安っぽい外観に反して連結はスムーズで確実。
 しかも下部にアーノルドのそれを思わせる突起があり、明らかにアンカプラーによる遠隔操作による自動解放を念頭に置いた設計と思われます。

 アーノルドと違うのはカプラーを上下でなく左右方向にずらして連結(解放)させる点。実はこれはZゲージでもメルクリンミニクラブがやっています。
 アーノルドのやり方だとどうかすると解放時に軽い車両なら上に吹っ飛んで行きかねない(笑)危険が横動方式なら少ないという事は言えそうです。

 カプラー部の動きも50年前のモデルとしては意外とスムーズでしたし。

 台車は金属板のフレームにプラ製の台車枠の別パーツを取り付けるというこれまた独自方式。
 まあ、これについては「同じ金属フレームを他の形式に使いまわせる」という程度のメリットしか感じませんが(笑)現行の一体成型の台車枠の精度に自信が持てなかったのかもしれません。
 尤も、考え様によっては鉄コレの動力車の交換できる台車枠のやり方を先取りしていると言えば言えます。

 車体はプラ成形ですが床板が金属製というのも他のNゲージ量産モデルでは見られないところです。
 エンドウの金属車体の24系ですら床下周りはプラでしたから。この辺は模型的な造形よりも玩具としての耐久性を重視している様にも見えますが、Nゲージ最初期の製品ゆえの細密さと耐久性のどちらを重視すべきか作る方もよく把握しきれていなかった節も感じられます。

 とはいえ、ショーティである点を除けば印象も悪くありません。むしろED75とのバランスの面ではぴったりと言えます。