今回はクラブでの雑談から出た話題をきっかけに思った事を書きたいと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/5a/95aff9d5264ba1b376cad461b374e14d.jpg)
ある女性メンバー(モジュール製作中)が近所のとあるイベントで鉄道模型の運転があると聞いて自分のモジュールの製作の参考にしようと思って見に行ったそうです。
確かに会場では鉄道模型の運転はやっていたのですが、彼女の言によれば「ただ、電車が走っているだけ・・・山とか道路が全くない」ものだったそうで、早々に帰ってきてしまったとか。
後でそのことが話題になった時「そういえばこの手のイベントの運転会でシーナリィ付のモジュールでやっている所が意外に少ないのでは?」と言うようなことが出てきました。
たしかに16番クラスのイベントではいわゆる「組み立て式レイアウト(つまり線路)」を並べて走らせるのがメインである事が多くストラクチャーの類も駅周辺や機関区などに限定されている事が多いと思います。
端的に言えばグランシップのイベントですらそれに近いものがあるのですが、そこは会場のスケールの大きさと各クラブが趣向を凝らしたコラボレーションでカバーしているのでそれほど違和感は感じていませんでした。
ですが、その私でさえ今回の彼女のコメントを聞くと「目から鱗が2,30枚おっこった」ような感覚になったのも確かです。
言われてみれば「板に線路を固定した組み立てレイアウト」による運転会やイベントと言うのは昭和30年代頃から鉄道模型イベントの定番でしたが、当時のレイアウト全書だったかで山崎喜陽氏が「組み立て式レイアウトではストラクチャーは重要だがシーナリィはあきらめろ」と言った意味の事を書かれていたほどです。
要するにこの種の組み立てレイアウトは個人やレンタルレイアウトなどとは目的も性質も異質な物であるという事を示していると同時に、あの頃の鉄道ファンの感覚からするなら「いっぱいに引き回された線路の上を多くの車両が並んでいれば(あるいはメンバー自慢の車両が疾走するのを見せれば)見る方も満足するだろう」と言う感覚があったと思います。
そもそもあの頃は一般レベルでは「鉄道模型の楽しみ方」と言うものがどういうものか良くわからなかったところもあったでしょうし、シーナリィ付のレイアウトが手っ取り早く見れる場所と言えば「万世橋の交通博物館」位しかなかったから「風景の中を走る鉄道模型」の魅力が伝わっていなかった部分もあったと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/ea/16318d2e62787a3ada2a59a346c0aef9.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/2f/bb62ee59c267f46688c6be83388eb480.jpg)
それらの欠点をカバーする意味もあったのでしょう、山崎氏が70年代中葉に「線路配置を規格化したモジュールレイアウト」の概念をアメリカのクラブから輸入する形で提唱し、70年代末にはJANTRAK規格による運転会を実施するなどして「シーナリィの中を走る鉄道模型」の魅力をアピールし始めました。うちのクラブも含めてモジュールによる展示をやっている同好の士たちはいわばJANTRACKの子孫たちであるとも言えます。少なくともNゲージの世界ではモジュールレイアウトを通して一般の方々にもシーナリィのある鉄道模型の魅力がアピールされていると思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/32/6140f17019790db1ddc65d78c9759601.jpg)
ですが一方ではラージモデルに見られるように(サイズ的にシーナリィを付けるのが難しいという事もありますが)車両そのものの魅力を前面に押し出す形でのプレゼンの方向もある訳でこれはこれで一つの方向と言えます。
少なくとも16番以上のサイズの模型はそうした方向にならざるを得ないでしょう。
ですがそれでも、そういう意味で究極なのは原鉄道模型博物館の「てつもいちばんパーク」の様な「作り込まれたシーナリィを持つラージスケールモデルのレイアウト」という事になると思いますが。
(そういう「究極の理想像の具現化」の様なレイアウトが少なくとも一つあるというのはとても有難い事ではあるのですが)
ただ、今回のやり取りを見て改めて感じるのはイベントや運転会用を考える限りにおいて、もはや「線路があって列車が走っているだけのレイアウトだけでは普通のギャラリーは満足しなくなりつつあるのではないか」という事です。
うちのクラブのイベントのギャラリーに老若問わず女性の比率が意外に高い現状を考えると車両と同じ位シーナリィに眼差しが向けられている事を痛感させられますし、車両とシーナリィとのバランスと言うかコーディネートのセンスが問われ始めている事も感じ始めています。
(勿論、一般レベルの男性ギャラリーの視線についても同じ事が言えるのですが)
まあ、それを言い出したら次の段階はいよいよ「シーナリィそのもののセンスと技量の違いが評価される」事にもなる訳でホビーとしての底上げにはつながるものの、私の様なへたくそには困る時代になる訳で(大汗)なんか藪蛇な結論に落ち着いてしまいますね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/5a/95aff9d5264ba1b376cad461b374e14d.jpg)
ある女性メンバー(モジュール製作中)が近所のとあるイベントで鉄道模型の運転があると聞いて自分のモジュールの製作の参考にしようと思って見に行ったそうです。
確かに会場では鉄道模型の運転はやっていたのですが、彼女の言によれば「ただ、電車が走っているだけ・・・山とか道路が全くない」ものだったそうで、早々に帰ってきてしまったとか。
後でそのことが話題になった時「そういえばこの手のイベントの運転会でシーナリィ付のモジュールでやっている所が意外に少ないのでは?」と言うようなことが出てきました。
たしかに16番クラスのイベントではいわゆる「組み立て式レイアウト(つまり線路)」を並べて走らせるのがメインである事が多くストラクチャーの類も駅周辺や機関区などに限定されている事が多いと思います。
端的に言えばグランシップのイベントですらそれに近いものがあるのですが、そこは会場のスケールの大きさと各クラブが趣向を凝らしたコラボレーションでカバーしているのでそれほど違和感は感じていませんでした。
ですが、その私でさえ今回の彼女のコメントを聞くと「目から鱗が2,30枚おっこった」ような感覚になったのも確かです。
言われてみれば「板に線路を固定した組み立てレイアウト」による運転会やイベントと言うのは昭和30年代頃から鉄道模型イベントの定番でしたが、当時のレイアウト全書だったかで山崎喜陽氏が「組み立て式レイアウトではストラクチャーは重要だがシーナリィはあきらめろ」と言った意味の事を書かれていたほどです。
要するにこの種の組み立てレイアウトは個人やレンタルレイアウトなどとは目的も性質も異質な物であるという事を示していると同時に、あの頃の鉄道ファンの感覚からするなら「いっぱいに引き回された線路の上を多くの車両が並んでいれば(あるいはメンバー自慢の車両が疾走するのを見せれば)見る方も満足するだろう」と言う感覚があったと思います。
そもそもあの頃は一般レベルでは「鉄道模型の楽しみ方」と言うものがどういうものか良くわからなかったところもあったでしょうし、シーナリィ付のレイアウトが手っ取り早く見れる場所と言えば「万世橋の交通博物館」位しかなかったから「風景の中を走る鉄道模型」の魅力が伝わっていなかった部分もあったと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/ea/16318d2e62787a3ada2a59a346c0aef9.jpg)
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それらの欠点をカバーする意味もあったのでしょう、山崎氏が70年代中葉に「線路配置を規格化したモジュールレイアウト」の概念をアメリカのクラブから輸入する形で提唱し、70年代末にはJANTRAK規格による運転会を実施するなどして「シーナリィの中を走る鉄道模型」の魅力をアピールし始めました。うちのクラブも含めてモジュールによる展示をやっている同好の士たちはいわばJANTRACKの子孫たちであるとも言えます。少なくともNゲージの世界ではモジュールレイアウトを通して一般の方々にもシーナリィのある鉄道模型の魅力がアピールされていると思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/32/6140f17019790db1ddc65d78c9759601.jpg)
ですが一方ではラージモデルに見られるように(サイズ的にシーナリィを付けるのが難しいという事もありますが)車両そのものの魅力を前面に押し出す形でのプレゼンの方向もある訳でこれはこれで一つの方向と言えます。
少なくとも16番以上のサイズの模型はそうした方向にならざるを得ないでしょう。
ですがそれでも、そういう意味で究極なのは原鉄道模型博物館の「てつもいちばんパーク」の様な「作り込まれたシーナリィを持つラージスケールモデルのレイアウト」という事になると思いますが。
(そういう「究極の理想像の具現化」の様なレイアウトが少なくとも一つあるというのはとても有難い事ではあるのですが)
ただ、今回のやり取りを見て改めて感じるのはイベントや運転会用を考える限りにおいて、もはや「線路があって列車が走っているだけのレイアウトだけでは普通のギャラリーは満足しなくなりつつあるのではないか」という事です。
うちのクラブのイベントのギャラリーに老若問わず女性の比率が意外に高い現状を考えると車両と同じ位シーナリィに眼差しが向けられている事を痛感させられますし、車両とシーナリィとのバランスと言うかコーディネートのセンスが問われ始めている事も感じ始めています。
(勿論、一般レベルの男性ギャラリーの視線についても同じ事が言えるのですが)
まあ、それを言い出したら次の段階はいよいよ「シーナリィそのもののセンスと技量の違いが評価される」事にもなる訳でホビーとしての底上げにはつながるものの、私の様なへたくそには困る時代になる訳で(大汗)なんか藪蛇な結論に落ち着いてしまいますね。