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昨年暮れの「新幹線帰省」の折に故郷の中古ショップで唯一拾った鉄道模型がこれでした。
物はミニトリックスのBR01蒸気機関車。
BR 01と聞いてもドイツ型に興味のない向きにはよく分からないかもしれませんが、実車はドイツ国鉄の最初の制式蒸気機関車として250両近く製造されたスター級蒸機の一つです。
それまで地域によってまちまちな規格で製造されていた蒸気機関車を統一した国鉄の発足とともに規格を統一して設計された物だそうなのでドイツ国内では尤もよく見かける機関車だったのでしょう。日本で言えばD51かC57に近い存在かもしれません。
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そのメジャー性ゆえか一部が流線型に改造されたり、ドイツの東西分裂後は西と東でそれぞれ独自の仕様変更がされるなどしているのだそうで各車毎のバラエティも広く、日本にもファンが多い機関車だそうです(何だか伝聞形が多いな)
模型の世界でもこの 01はメジャー級の人気モデルでミニトリックスの他、フライシュマン、アーノルドラピードと当時のNゲージ3大メジャーメーカーから揃って製品化されています。
輸入品だけにあの当時は安くても1万5千円台、物によっては2万5千円台というお値段(当時のKATOのD51が5500円だった時代です)なのですが今回はその 1/3〜1/5程度のお値段でどうにか買える物でした。
とはいえ、ただ安くてもモデル自体が私の琴線に触れなければ手を出す事も無かったと思います。
事実店頭で手に取ってみた時、和製モデルとは異なる気品を感じる造形と試走時のドイツ製らしい(?)信頼感のある走りに惹かれました。
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本機はダイカストとプラの組み合わせによるモデル化ですが、適材適所というか重量感と安定性が求められる足回りに鋳造部品を使いながらも、一方で繊細さを要求されそうなところにはプラ成形を使い分けているセンスが巧みで「魅せるモデル」になっているところが素晴らしいところです。
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テンダードライブの強みでボイラー下がしっかり抜けているのと、これまたきちんと抜けている動輪のスポークが引き締まった足回りを見せています。ここだけでも十分惚れ込む価値はあるモデルではないかと。
勿論走行性も重厚感あふれるもので咄嗟にこれがテンダードライブとは信じられないくらいです。
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以前だったら海外メーカーの外国型だからとスルーしていたものですが、実際に手に取ってみれば模型として意外と気に入るモデルに当たるものですね。
昨年暮れの運転会ではこれがOE88の先頭に立って華やかさを彩ったのですが、その時の写真を撮らなかったのが未だに公開の種です(涙)