光山鉄道管理局・アーカイブス

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年代順にNゲージのC55を並べてみる

2023-03-30 05:01:39 | 車両・蒸気機関車
 先日入線したTOMIXのC55に関連して。

 当鉄道には同じC55でもKATOとワールド工芸の仕様が既に入線しています。
 今回のTOMIXも含めて3通りが揃った事にはなりますが、それぞれのモデルで出自が異なり発売時期もかなり開いているのでメーカー毎の比較というよりもここ30年のNゲージの造形の進歩を比較するようなノリで眺める事ができます。

 そこで今回は各メーカーのC55の三者三様について感じたことを。

 KATOのC55はワールド工芸よりも後のリリースですが、モデル化の文法は旧世代のKATO蒸機に準じるものでサイズが微妙に大きいのが第一の特徴です。

 こうして同じ線路にTOMIXと並べて見ると「TOMIXのC55が奥にいる様に見える」程度のサイズ差があります。
 細部の造形は今どきのモデルほどには細かくはないのですがモデルとしての印象は非常によく、あっさり仕上げながらもC55っぽさがよく出ていると思います。塗装も艶を落として落ち着いたものでそのままレイアウトに持ち込んでも年代を経た現役機の様な印象で走らせる事ができます。

 ワールド工芸のC55は以前紹介した様にこのメーカーとしては初めての完成品の制式蒸機モデルなのだそうです。プロトタイプが「元流線形の改造後」の仕様というのが実にマニアック!
 ですから細密度や造形は現行のものとは比べ物にならないレベルだそうですが(何しろ現行モデルの実物を見た事がないので汗)、それでもリリース当時としては細密系Nゲージの最右翼と言えるモデルでした。
 金属ボディに金属のディテーリングですから、特に手すりやパイプ周りの表現は流石。当時のプラ蒸機は造形の関係上「真横から見れば丸い管に見えるのに上から見たら実は板でした」なんてのがざらでしたから、これだけでも大変なアドバンテージだった訳です。

 ただ、今回の個体に限って言えば塗装の色つやが強すぎて「博物館からそのまま直行してきた様な」ふうにも見えますw

 こんな風にKATOとワールドでは造形や仕上げにそれぞれの特徴が感じられるのですが、今回のTOMIXはディテーリングやプロポーションの取り方のトータルバランスが良く、現時点では決定版と呼んでもいいレベルと思います。

 ところでボディの造形とは別な所で気になった点は(KATOが特に目立ち、ワールドでもそこそこ気になる)のが「フランジのでかさと車輪のぶ厚さ」

 TOMIXのC55で「独特の水かき付き車輪が良いアクセントになっている」と書いたのですが、同じ様に水かきが付いている筈のKATOやワールドではそれが感じられなかったのです。というのも動輪のフランジがでかすぎてそちらの方に目が行ってしまい、せっかくの輪芯の表現が目立たなくなっているからの様です。
(また、この2車はいわゆる「黒染め車輪」でない事も影響している気が)

 同じ事は前から見た時の先輪の部厚さについても言える事で、なまじ上屋が細密なだけに落差が大きく感じられてしまいます。
 (個人的にはこれを「Nゲージの大根足現象」と呼んでいるのですが、NゲージやZゲージでは今後モデルが細密化すればするほどクローズアップされてくる弱点ではあります。一方でそこまでしているから安定した走行が可能な訳ですから、そこを割り切れるか否かが評価の分かれ目の様にも思います)


 この点でTOMIXの場合は水かきに注意が向く程度にはフランジが小さくなり先輪周りもごく自然に見える様になりました。プロトタイプが北海道型で「スノープラウが標準装備」なのも車輪の分厚さをいい具合に隠してくれます(ひょっとして、そうしたくて北海道型にした?)

 これらの要因が絡み合って現行型のTOMIX C55はトータルでは最もよくできた造形には感じられます。ですがワールドの現行品も造形面ではこれに匹敵するでしょうし、もしKATOが今C55を製品化してもこれくらいのレベルの造形にはなるだろうと思えます。

 走行性についても同様で、造形以上に進化が著しい走行系を比べるなら最新型が一番いいに決まっていますし。

 ですが旧モデルとは言ってもそれぞれのメーカー毎の個性や造形センスが好ましく感じられる事が多く一概に優劣を付けられないというのが今回3社を並べて感じた一番の印象でした。


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