今年の宅建でも、即時取得がでました。動産での規定で、民法192条に規定があります。
宅建では、不動産にはない制度だ、と覚えればすぐに答えがでます。
過去問では、H26問3肢1、H19問3肢1、H24問2肢2、にあります。結構出ています。
行政書士では、それだけではいかないので大変ですね。
少し基本から、
まず、即時取得とは、無権利者からの取得です。ですから、本来権利を取得できません。
でも、動産の取引が頻繁に行われていることから、例外的に善意取得者を保護しようというのが192条です。
一方、対抗要件とは、権利者からきちんと有効に権利を取得しているときの問題です。全く状況が違います。
ですから、ここでは権利者からの取得でなるべくちゃんと契約して取得しているいるのだから、広く認めてあげようと占有改定でも対抗力があります。
しかし、即時取得の場合には、無権利者からの取得だからなるべく広げないように(正義に反する)、占有改定ではまだダメだと判例は言っています。
判例での価値観は、権利者からなのか、無権利者からなのか、後者ではなるべく保護する者を広げないという態度、
ということだと思います。他のところでも通常、そのような価値判断をしています。
では、193条ですが、盗品などの場合、真の所有者などは、それでも2年間は回復できるとしています。
ここからは、おそらく宅建では出ないところなのですが・・。
「2年間は、どのような状態なのか」が問題となります。考えられるものは、以下の2つでしょう。
α例外としても即時取得が成立すると真の所有者は所有者ではなくなり、所有権による返還請求はできないから、その回復ができると考える説
β例外の例外は原則で、この場合は即時取得ではまだ占有者は所有権を得ていないが、2年間はその所有権はまだ真所有者にあり、
だから真の所有者は占有の回復のみができると考える説
です。
αが正しいのかβが正しいのか、条文ではどちらも成り立ちうるものですが、判例は後者だといえます。
判例は、やはり、積極的になるべく、無権利者から取得した占有者に
所有権を認めたくないはずだからです。
説明の仕方として、βの方では、192条はもともと例外であり、さらに193条がその例外といえ、
原則に戻る(つまり192条を排除する形)みたいな感じでとらえることになります。
以上、難しい条文でした。
説明がうまくいきましたか。分かりましたか。
では、また。
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