ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

冷や汗かきかきの挨拶などを順次掲載

卒論・修論の要件

2010年12月01日 00時30分21秒 | 大学
清水寛編『生きること学ぶこと』(創風社、1992年12月)

大学の4年間を春・夏・秋・冬とたとえて、その学びの特徴を記している。
卒業を迎える年の研究論文に関して…。

研究論文なるものが最低限、具備しなければならない条件として、例えば…
1.課題意識がどれだけ主体的で鮮明か
2.先行関連研究を広くかつ批判的に検討しているか
3.研究の手続きは十分に実証性を伴っているか
4.論文の内容・記述は論理的整合性(課題意識→先行関連研究との関係→目的・目標→仮説→事実に基づく多角的・総合的な検証→結論といった一連の道筋)を有しているか
5.研究上に残されている問題点や新たな研究課題をどれだけ明確に自覚し得ているか
などをあげている。
しかも、卒論では「大切なことは結果ではなく過程」として、課題に対して正面からぶつかる姿勢を強調している-要するに逃げないことである。

12月にもなった…卒論修論は執筆を開始する時期である。安易に流れることは、自分自身の喪失でもある…

間宮正幸「発達障害のある若者の教育と自立支援-共同のなかでの自己形成」

2010年12月01日 00時09分46秒 | 生活教育
教育2010年12月号
特集1 「生きづらい若者たちを支える」
間宮正幸「発達障害のある若者の教育と自立支援-共同のなかでの自己形成」

中途半端な論考…

以下抜き書き--------------------------
喫緊の課題であるわが国の若者の自立を実際に検討するという場合、発達障害のある人々の困難を省いて論ずることは到底できないことがあきらかになってきた。
これには、わが国では引きこもり者の存在をまったくもって無視できないという現実がかかわっており、わが国独自の課題であると一面がある。

精神保健相精神保健福祉の領域では、ひきこもりと青年期・成人期の発達障害に関する議論が急速に高まりつつある。職業リハビリテーション分野でも、発達障害がある場合の就労支援研究が急増している。

だが、引きこもりは容易に接近しがたく、また現実の雇用情勢は依然著しく厳しい。
本稿で、検討しようとしているものはは、主として「手帳」を持たずに「学校から仕事へ」という移行過程の困難を抱える人々の問題である。軽度発達障害を持つ人たちの生活現実と言い換えてもよい。しかも、未受信・未告知のままに成人になった場合が急浮上してきた。これらの人々には、十分な思春期青年期の教育、すなわち、共同の中での自己の形成ということが望まれるところなのだが、現実はどうだろうか。

通常これらの人々の中期高等教育移行の実態を知ることは難しい。まして、卒業の生活と労働の姿を伺うのは容易なことではない。あるいは彼らが地域でどのように暮らしているか、その情報はもどかしいほど手に入らない。

ひきこもりと再定義の中で、広汎性発達障害が非常に大きな位置を占めることが明らかになった。

引きづらさとは、「社会の矛盾を個人で引き受けなければならないと思いこまされているしんどさ」と乾彰夫はいう。
まさにこれらの若者たちは、自分という存在がどういうものであるのかが理解できないまま、社会的の矛盾を個人で引き受けていたというほかにない。ひたすら「自立」の圧力に答えようと押しつぶされていた。
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発達障害のある若者の問題が指摘されているが、そのリアルな認識は示されておらず、課題提起にとどまっているのが残念。