1年以上前のこと、あるところで、この本のことが話題に上がった。その後、同僚の先生が、この本よんでみたといっていたので、買っておいていた。いつもの調子で、風呂の中で読んでいたが遅々として進まず。ちょど、3連休に、風邪と1年間のつかれで伏せっていたので、布団の中で読んでいたら、とまらなくなった。
服飾デザイナーの水樹が、小・中・高等学校過去を回想する。同級生の家族のことと共に、いろいろなその後が描かれている。裏表紙には、次のような紹介が・・・
デザイナーの水樹は、自社が服飾業から撤退することを知らされる。45歳独身、何より愛してきた仕事なのに……。途方に暮れる水樹のもとに中高の同級生・憲吾から、恩師の入院を知らせる電話が。お見舞いへと帰省する最中、懐かしい記憶が甦る。幼馴染の三兄弟、とりわけ、思い合っていた信也のこと。〈あの頃〉が、水樹に新たな力を与えてくれる―
団地に住む水樹の家は貧しい、そして、高等学校時代の担任遠子が、背中を押してくれて服飾の道へ。おなじ団地に住む同級生信也の弟悠人には、てんかんと発達障害があり、いじめられている。それを守る兄弟。信也の兄の事故死。憲吾の母は心をわずらっており、憲吾はある意味、ヤングケアラーとして母をケアするなかで、信也との友情が芽生える。貧困、障害、ケアなどなどが交差し、物語が展開していく。場所は、京都の向日市、あそこかなとその場が浮かぶ。