ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

冷や汗かきかきの挨拶などを順次掲載

暗黙知

2018年12月17日 00時21分04秒 | その他

京都新聞に経済学者の佐和隆光が「人工知能と暗黙知」を書いていた。

結論的には、「AIが2人に1人を失業させる」といわれるが、恣意的なものであり殆どの職業は消滅しないが、AIによる職務の効率化により、ほとんどの職業の就業者数は減る。その結果、労働力人口の10~20%が失職することはほぼ不可避と見てよいだろう」といっている。そこに至る論究の過程で、長年音経験に基づく暗黙知(言葉や数式で表せない知識)の重要性を述べており、そのようなものが必要な職業は残るといっている。例えば、学者の消滅率で言えば、法律学者は51.0%に対して、社会学者0.55、心理学者0.2%のみである。「形式知」はAIが習得できるが、「暗黙知」を獲得する能力を欠くというのである。とすれば、着目すべきは、「暗黙知」であり、勘やこつといったもの、あるいは雰囲気や発想・思いつきなどといったものかもしれない。教師の仕事も、このようなもの個性的なものがつまっている。同じ手順で授業をしても、しかし、人によって学習者の状況が異なるものとなる。このようなことをもっと考えてみる必要があるかも知れない。それは、「暗黙知」を「形式知」に変えていくこともあるかもしれないが・・・・。

以前、NHKの「ろんぶ~ん」で、漫才に関する論文の紹介をしていたが、漫才のノリや突っ込みを身体表現との関係で分析する研究、また、情報科学の領域でネットの情報を使って人工的に漫才をつくるロボットに関する論究を紹介していた。そんなおもろいことを必死にやっていることもまたおもしろいのだが、後者の紹介の際、以前のプログラムで漫才を作ったものと、AIを使って漫才を作ったものを比較して、AIを使った場合、正確性は高まったが、しかしおもしろくなくなったという。この悩みは深刻であり、なにか本質的なものを示唆しているように思う。面白味というのは、どんな味なのだろうか、また、それぞれの個人の好みもあろうとおもったりもするが・・・。