京都の有名ホテルが、団塊世代をターゲットに歌声喫茶を企画・募集したところ、定員300人を大幅にオーバーする申し込みがあったそうな。で、急遽第2部(200名)も追加することになったんだとか。いったい、ホテルの“何とかの間”でやる、会費3,500円もする「歌声喫茶?」って歌声喫茶なんだろうか?。そんなのになんでまた年寄りが500人以上も殺到するのか?よく分からない。古き良き時代へのノスタルジー?。
歌声喫茶世代って、団塊さんの上限を含むもうちょっと上の世代だろう。私の年代は、団塊世代に入れられたり入れられなかったりする下限中途半端世代である。若い頃、歌声喫茶はすでにピークを過ぎていて行ったこともない。私達にとって歌声喫茶に当たるものはライブハウスであった。ブルースやジャズ、アングラ、フォーク、カントリーウェスタンなどのライブハウスがあちこちにできていてよく行ったものだ。特に京都には多かったように思う。全共闘世代の「強者どもが夢のあと」、結局、時代は何も変わらなかった敗北感、焦燥感からか、店の雰囲気も演奏される楽曲も暗く、自嘲的、内向きなものが多かった。そんな中で、カントリーウェスタンだけは変わらず能天気にひたすら明かるかった。
あの時代から時は流れて40年、団塊以上世代は金と時間を手にした。「さあ、あの良き青春時代をもう一度」と見渡してみると、有り余る金と時間を使う「遊び場」がないのだ。旅行、ゴルフ、テニス、山歩きといった定番にもそろそろ飽きてきたところに「歌声喫茶」。懐かしさもあって申し込みが殺到したのだろう。小金持ちの年寄りというのは案外寂しいものなのかもしれない。