映画が斬新なストーリーや話題性を追求すれば、どうしても社会的なタブーに挑まざるを得ないのだろう。したがって、一般にタブーとされがちなことがスクリーンに映し出されることが多くなってくる。人は刺激に対する要求は、歯止めがきかないのが常だ。だから、この先もノーマルの領域がどこまでかわからなくなるほど、領域を踏み越えた世界が映像化されていくに違いない。この映画で挑んだものは、聖職者の性衝動とゲイの自分探し。ゲイの男は自分を見つけるために母親探しの旅に出て、ロンドンの雑踏に飲み込まれて父親に出会う。そして、最後に得られたのは家族愛。
はっきり言えば、この映画はぼくには「合わない」。ひとことで言ってしまえばそれで終わり。60年代のポップスに乗せられて、ただそれらの楽曲を聞きたいがために耐えて観ていた。一生懸命に耐えていた分、最後に聞くダスティ・スプリングフィールドが歌う”風のささやき the windmills of your mind” はぐっと心にしみた。
ダスティ・スプリングフィールドは、イギリスが生んだ最も偉大な白人ソウル・シンガーの1人である。60年代の終わり頃には、時代遅れのアーティストとなりつつあったが、ソウルの本場アメリカのアトランティック・レコードと契約しテネシー州メンフィスでアルバム”Dusty In Memphis”を発表する。 このアルバムからは、「Son of a Preacher Man」(邦題:「プリーチャー・マン」)が、アメリカとイギリスで共にヒットし、後にクエンティン・タランティーノ監督の”パルプ・フィクション”に使われて、リバイバルヒットした。 そのアルバムの中の一曲が先の”風のささやき the windmills of your mind”だ 。
もともとこの曲は、スティーブ・マックイーン主演の「華麗なる賭け The Thomas Crown Affairs」の中で使われた主題曲。名匠ミシェル・ルグランによる主題歌は、ノエル・ハリスンが歌いアカデミー主題歌賞を獲得した。
映画の中でも出てくるが、プルートは冥王星のこと。ディズニーのキャラクターとして親しまれているプルートは、冥王星が発見された年に誕生しており、冥王星(プルート)から名前が取られている。冥王星(プルート)の名前の由来は、ギリシア神話のハデス信仰を起源とするローマ神話の冥府の王プルートから来ており、太陽系最深部の暗闇に存在する冥王星のイメージを象徴している。ハデスは、冥府が地下にあることから地下の神ともされ、地下の鉱物資源の守護神である「富める者」の意味のプルートーン (Πλούτων)とも呼ばれる。 だが、オリンポス12神の中で唯一席を与えられておらず、冥府の王というイメージから、弟ゼウスとは不仲とされ、悪役としてのイメージが強い。
冥王星(小惑星番号134340 Pluto)は、海王星軌道の外側で太陽を公転する天体のうちで最初に発見されたものである。1930年に発見されて以来、長い間太陽の9番目の惑星であり外惑星の一つとされてきた。しかし、1992年に冥王星以外の外縁天体が初めて発見されて以降、冥王星と似た大きさの外縁天体が続々と発見され始め、現在、冥王星は準惑星に降格された。太陽系外縁天体内の新しいサブグループ(冥王星型天体)の代表例である。
そんな暗闇に存在する冥王星で朝食をとろうとする彼(ゲイ)は、生まれついた捨て子の孤独を太陽系のさらに外へ捨て去ろうとする。シリアスな事柄は地球上で、自分は遥か遠くの太陽系外縁天体内惑星の冥王星で楽しく生きる。常に求めるのは、太陽のような母の愛。しかし、暗く遠い外縁天体には、太陽の愛は降り注がないし、身内(惑星)の扱いをしてもらえない。わずかな絆で変則的な軌道を描いて太陽(母親)の周りを回るしかないのだ。
92年の「クライング・ゲーム」も、おなじニール・ジョーダンの監督作品。この作品も太陽系外縁天体内の話。領域外の異性人が愛を探すそんな話・・・・・・ニール・ジョーダンのコメディの軽妙さと奥深さは、ぼくには合いそうもない。もう、ゲイ関係はどんなに話題作でも終了(ry
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