「ねえ、私を愛してる?」
「もちろん。」
「結婚したい?」
「今、すぐに?」
「いつかもっと先によ。」
「もちろん結婚したい。」
「でも私が訊ねるまでそんなこと一言だって言わなかったわ。」
「言い忘れてたんだ。」
「子供は何人欲しい?」
「3人」
「男? 女?」
「女が2人に男が1人。」
彼女はコーヒーで口の中のパンを噛み下してからじっと僕の顔を見た。
「嘘つき!」と彼女は言った。
しかし彼女は間違っている。僕はひとつしか嘘をつかなかった。
~「風の歌を聴け」より~
映画"プルートで朝食を" 最後に聞くダスティ・スプリングフィールドが歌う”風のささやき the windmills of your mind” はぐっと心にしみた。もともとこの曲は、スティーブ・マックイーン主演の「華麗なる賭け The Thomas Crown Affairs」の中で使われた主題曲。名匠ミシェル・ルグランによる主題歌は、ノエル・ハリスンが歌いアカデミー主題歌賞を獲得した。
映画ではマックイーンが操縦するグライダーが風の中で舞うシーンに使われている。何故この曲のメロディーにこんなに郷愁を感じるのかわからないけど、とにかく口ずさんでも聴いていても泣ける。
The windmills of Your Mind
Like a circle in a spiral, like a wheel within a wheel,
Never ending or beginning on an ever spinning reel,
Like a snowball down a mountain or a carnival balloon
Like a carousel that's turning running rings around the moon,
Like a clock whose hands are sweeping past the minutes of its face,
And the world is like an apple whirling silently in space,
Like the circles that you find in the windmills of your mind.
丸いリンゴのような世界と静かに廻る 心の風車を見つけた