歴歩

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浜松市・松東遺跡 8~9世紀前半の銅印が出土

2013年03月08日 | Weblog
 
 浜松市は5日、松東(まつひがし)遺跡(同市東区天竜川町)から、8~9世紀前半のものとみられる古代の銅印が出土したと発表した。古代の銅印は県内で静岡市、袋井市など4例出土しているが、市内では初めて。 印面に人名とみられる「吉人(よしひと)」と書かれており、遠江国の長上郡(ながかみのこおり)の郡司の私印ではないかと推定されている。
 銅印は青銅製(高さは2・9cm)で、印面が2・7cm四方の正方形。重さ30グラム。 奈良時代から平安時代にかけての土地を区画する溝から出土した。 銅印の形態や一緒に出土した土器の特徴、人名から約1200年前のものとみられる。
 松東遺跡はJR天竜川駅北側に位置し、市は昨年6月~今月22日の予定で発掘調査している。 周囲には建物の柱穴や鍛冶の痕跡があり、古代の集落跡があったとみられる。
 松東遺跡周辺は和田遺跡群と総称される古代の遺跡が集中する一帯で、この中に長上郡家(ながかみぐうけ)が存在したと想定されている。
 浜松市博物館(中区蜆塚)で、3月6日から4月7日まで銅印を展示する。
[参考:静岡新聞、毎日新聞、浜松の元気HP]

過去の関連ニュース・情報
 2012.9.13 松東遺跡 銅鐸破片が出土
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浜松市・篠場瓦窯跡 静岡県内最古の文字瓦が出土

2013年03月08日 | Weblog
 静岡県埋蔵文化財センターは6日、浜松市浜北区根堅(ねがた)の篠場瓦窯(しのんばがよう)跡で、8世紀初めの白鳳時代に作られた県内最古の文字瓦が見つかったと発表した。
 3基のうちひとつの窯跡から、破片を含めて14点の文字瓦が見つかった。 文字は「廣山」「山作瓦」の二種類で、「廣山」は人名とみられ、「山作瓦」も元は「廣山作瓦」だったとみられるという。 粘土が乾燥する前に指で書かれたらしい。 「作瓦」と書かれた瓦は全国でも初の出土という。
  篠場瓦窯跡は新東名高速道路の建設に伴って2002~04年に発掘が行われた。 瓦を焼いた窯跡3基が見つかり、計5.7トン分の大量の瓦が出土した。 白鳳時代の7世紀末~8世紀初頭に瓦を生産していた遺跡としている。
 県内ではこれまで、8世紀前半の竹林寺廃寺(島田市)と、8世紀後半の片山廃寺(静岡市駿河区)で文字瓦が見つかっているが、これらより数十年遡る。
 瓦は当時、寺院専用に作られ、窯は建設する寺院近くに設置されることから、篠場瓦窯跡近くに寺院の跡があるかもしれないとみている。
 今回確認された文字瓦は、県立中央図書館(静岡市駿河区)で9~17日に一般公開される。
[参考:中日新聞、浜松情報BOOK/浜名湖国際頭脳センター]
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