浜松市は5日、松東(まつひがし)遺跡(同市東区天竜川町)から、8~9世紀前半のものとみられる古代の銅印が出土したと発表した。古代の銅印は県内で静岡市、袋井市など4例出土しているが、市内では初めて。 印面に人名とみられる「吉人(よしひと)」と書かれており、遠江国の長上郡(ながかみのこおり)の郡司の私印ではないかと推定されている。
銅印は青銅製(高さは2・9cm)で、印面が2・7cm四方の正方形。重さ30グラム。 奈良時代から平安時代にかけての土地を区画する溝から出土した。 銅印の形態や一緒に出土した土器の特徴、人名から約1200年前のものとみられる。
松東遺跡はJR天竜川駅北側に位置し、市は昨年6月~今月22日の予定で発掘調査している。 周囲には建物の柱穴や鍛冶の痕跡があり、古代の集落跡があったとみられる。
松東遺跡周辺は和田遺跡群と総称される古代の遺跡が集中する一帯で、この中に長上郡家(ながかみぐうけ)が存在したと想定されている。
浜松市博物館(中区蜆塚)で、3月6日から4月7日まで銅印を展示する。
[参考:静岡新聞、毎日新聞、浜松の元気HP]
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