奈良県香芝市教委は25日、平野塚穴山(ひらのつかあなやま)古墳(7世紀後半)の発掘調査で、墳丘から古墳の表面を飾るために敷き詰められたとみられる凝灰岩の切石が見つかったと発表した。
同古墳は25~30m四方、墳丘高さ約5.4mの二段式の方墳。切石は近くの二上山(にじょうさん)で産出された凝灰岩とみられ、墳丘南側で約20個見つかった。15~30cm四方で一部が平らに加工されており、墳丘上段の表面を張り石で飾っていたとみられる。
二上山の凝灰岩が敷き詰められているのが確認されたのは、野口王墓古墳(天武・持統天皇陵)と、被葬者が斉明天皇とみられている牽牛子塚古墳に続き3例目となる。
平野塚穴山古墳の被葬者は斉明、孝徳両天皇の父で、天智、天武両天皇の祖父に当たる茅渟(ちぬ)王との説があるが、さらに高まったとする。
さらに同古墳の石室は「横口式石槨」で、壁画で知られる高松塚古墳(明日香村)などと類似。石室の石には築造の際に道具を挿入したとみられる梃子(てこ)穴も見つかった。梃子穴は後の時期の高松塚古墳とキトラ古墳(同村)でも見つかっており、同じ石工集団が手がけたと考えられるという。
現地公開は30日午前11時~午後3時。
[参考:共同通信、毎日新聞、朝日新聞、産経新聞、奈良テレビ放送]
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