柴又八幡神社古墳出土「寅さん埴輪」と「さくらさん埴輪」
奈良国立博物館(奈良市)で開催中の第63回正倉院展(~14日まで)に出展された奈良時代の戸籍が関心を集めているとして、読売新聞が11月2日と9日に「下総国葛飾郡大島郷」の戸籍(注1)に記される「孔王部(あなほべ)」、名は「刀良(とら)」という男性と、別の世帯に同姓の「佐久良賣(さくらめ)」が、映画「男はつらいよ」の主人公・車寅次郎と、妹・さくらに似ているとあらためて紹介し、さらにその戸籍のレプリカ(注3)と寅さん似の埴輪(注4)が葛飾区の「郷土と天文の博物館」で展示されていると紹介している。
[参考:読売新聞]
(注1) 「正倉院古文書正集 第二十一巻」に収録された養老5年(721)作成の「下総国葛飾郡大島郷」の戸籍。
「大島郷」(注2)は、現在の葛飾区柴又や同区奥戸、江戸川区の一部を含む地域にあたり。
その中に姓は「孔王部(あなほべ)」、名は「刀良(とら)」(33歳)という男性と、別の世帯に同姓の「佐久良賣(さくらめ)」(32歳)という女性の名がある。 2人は兄妹ではないが、近くで暮らしていたとみられる。
(注2) 上記戸籍では、大嶋郷は甲和(こうわ)・仲村(なかむら)・嶋俣(しままた)の三里から構成されている。 甲和は江戸川区小岩、嶋俣は柴又と考えられています。
(注3) 展示されているレプリカは、計130戸1191人の名前と性別、年齢が記されている。
(注4) 2001年、柴又帝釈天近くの「柴又八幡神社」の社殿裏の「柴又八幡神社古墳」から出土した。
[参考: 2009.3.13 東京葛飾区・柴又八幡神社古墳 99年に出土した土師器が6世紀後半ごろの渡来系文化の影響]