歴歩

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君津市・岩田寺 力士像の裏に墨書、作者は初代「波の伊八」と判明 

2010年04月21日 | Weblog
 君津市大坂の岩室山圓明院岩田寺の本堂屋根にある2体の力士像が、房州長狭郡打墨村(現、鴨川市打墨)出身で「波の伊八」として有名な江戸時代の彫物大工、初代伊八「武志伊八郎信由」(1752~1824)の作であることが分かり、19日、同寺で地元住民への報告会が開かれた。
 岩田寺は奈良時代創建とされ、本堂は江戸時代に建て直された。以前から南側の力士像の背中に作者の墨書きがあることが知られており、今年1月に地元関係者でつくる「岩田寺本堂木彫調査会」が本格的な調査を実施。その結果、「安永三年(1774)六月、房州長狭郡打墨村、伊八作」と墨書きがあり、伊八の直筆だと分かった。
 伊八は、安房・上総地域を中心に相模や江戸でも主に寺院の欄間彫刻を制作した。躍動感ある波の表現から、現在では「波の伊八」の愛称で親しまれている。葛飾北斎の「富嶽三十六景」などに強い影響を与えたといわれる。
 伊八作と分かった力士像はいずれも高さ約90cm、幅約65cmで、本堂屋根の北側と南側に1体ずつ設置。隆々とした筋肉は赤、髪は黒の塗料が使われ、目には銅板がはめ込まれた迫力のある彫刻だ。
[参考:千葉日報、房総時事新聞、毎日新聞、東京新聞]

2011.1.11 追記
 初代伊八の作品を集めた「伊八新発見」展が、鴨川市郷土資料館で開かれ、ここ数年の伊八に関する調査研究で、新たに発見された作品や資料など28点が展示されている。30日まで(月曜休館)。[参考:東京新聞]


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