司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

球団は誰のために

2006-01-02 17:22:04 | 会社法(改正商法等)
 昨日の日経朝刊35面に、「球団は誰のために」という特集記事がある。昨年は、村上ファンドによる阪神電鉄買収に絡んで阪神タイガース上場案が急浮上したが、米国でも大リーグ、NBA及びNFL共に現在上場しているチームは皆無だそうだ(過去には例があるが、すぐに非上場化。)。

 ともすれば、株式会社は、株式所有者であるオーナーの所有物という論になりがちであるが、ステークホルダー論を振りかざすまでもなく、特に所有と経営が分離した会社にあっては、株式所有者の手を離れて独自の主体として社会的に存在するのであり、「誰のものか」論はもはや意味を有しないように思われる。会社は、もはや誰のものでもなく、独立独歩の社会的実在である。株主は、極めて重要なステークホルダーの一に過ぎない。

 上場せずとも、同記事中のパッカーズ(NFL)の例のように地元市民に株式を保有してもらう手法もある。J2サガン鳥栖は100%減資問題で難渋したが、会社法では全部取得条項付種類株式の活用により、同様の問題はクリアできるであろう。

cf. 平成16年4月21日付「J2サガン鳥栖の100%減資問題」
その後日談
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%AC%E3%83%B3%E9%B3%A5%E6%A0%96
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