司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

最高裁判所裁判集民事編

2010-04-11 15:35:40 | 民事訴訟等
平成22年4月8日付「判例検索システム『最高裁判所判例集』」

 「『裁判例情報』に平成18年2月以前の最高裁判所裁判集登載判例(約2万件)を新たに追加しました」の意味をよく理解していなかったようだ。

 どうやら,判例検索システム「最高裁判所判例集」の民事に関しては,従来,「最高裁判所民事判例集」掲載の判例及び平成18年2月以降の「最高裁判所裁判集民事編」掲載の判例が掲載されていたが,今回,平成18年2月以前の「最高裁判所裁判集民事編」掲載の判例が追加されたということのようである(刑事に関しても同様。)。

 いわゆる「民集」と呼ばれているのは,「最高裁判所民事判例集」(「最高裁判所判例集」の「民事編」)のことであり,最高裁判所判例委員会編集で,財団法人判例調査会からほぼ月1回ペースで刊行されている。そして,「民集」に登載するほど重要でないと判断された判例については,「最高裁判所裁判集民事編」(「集民」と呼ばれる。)に登載されるが,こちらは「内部資料」扱いで公刊されてない。

「民集」不登載で,「集民」に登載された判例についても,判例タイムズ,判例時報又は金融法務事情等の判例誌に掲載されていれば,一般に入手可能ではあったが,それらの平成18年2月以前のものについては,これまで,「判例検索システム『最高裁判所判例集』」には掲載されていなかったものである。

 今回は,「民集」不登載で,「集民」に登載された判例につき,平成18年2月以前の分が追加されたということのようである。
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NPO支援税制の拡充

2010-04-11 10:08:55 | 法人制度
讀賣新聞記事
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100409-OYT1T00037.htm

 政府税制調査会が,認定NPO(非営利組織)法人への寄付税制に関する中間報告書をまとめている。

cf. 「市民公益税制PT中間報告書」等
http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/22zen1kai.html

 平成23年度税制改正における実現に向けて,具体的な制度設計が進められる模様。

 一口にNPOといっても,いろいろあるだけに,なかなか難しい感。
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墓地の所有権~御成敗式目第8条 vs 民法第162条

2010-04-11 08:46:52 | 不動産登記法その他
河北新報記事
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/04/20100409t13022.htm

 墓地の所有権を巡る訴訟で,寺(原告)は,御成敗式目第8条による時効取得を主張していたが,仙台地裁は,民法第162条第1項の規定による時効取得を認めた。

cf. 現代語訳「御成敗式目」全文
http://www.tamagawa.ac.jp/sisetu/kyouken/kamakura/goseibaishikimoku/index.html#saiban

 判決文を確認できないが,「1953年に宗教法人に認可されてから,20年以上墓地として占有している」とあるが,そうなのであろうか。

 宗教団体法(昭和14年法律第77号)及び宗教法人令(昭和20年勅令第719号)施行前に存在した寺社が,同令附則(昭和21年2月2日勅令第70号改正)第2項及び第3項の規定によって宗教法人となり,その後宗教法人法(昭和26年4月3日法律第126号)施行にともない,同法附則第5項の規定により宗教法人となっている場合には,同法附則第18項の規定に基づいて旧宗教法人の権利義務を承継している。

 したがって,取得時効の起算点に関して,「1953年に宗教法人に認可されてから,20年以上」と考えるのは,いかがなものかと思われる。
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