司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

法人設立や不動産登記の煩わしさが壁になっている?

2020-11-14 11:07:46 | 会社法(改正商法等)
日経記事(有料会員限定)https://www.nikkei.com/article/DGKKZO66228520T11C20A1EA3000/

 登記手続の押印が存続されるのが気に入らないのか,やり玉に上がっている感。

 本来,現行においても,申請人が添付書面の電子化に対応することができるのであれば,完全オンライン申請が可能であるので,何の問題もない話である(商業登記の印鑑届を除く。)。

「法人設立や不動産登記の煩わしさが壁になっているとの分析がある。」(上掲記事)

 申請人が法律の専門家ではない場合,手続のルールが厳格で煩わしいと感じるのかもしれないが,押印の要否とはそもそも関係ないであろう。煩わしく感じるのは,単にルール(会社法や民法等の実体法や,商業登記法や不動産登記法等の手続法を含む。)を知らないからであるし,そのルールが自らの権利を護るために機能していることを知らないからである。

 世の中には様々な手続があり,単に申請すれば終わりの手続では押印は不要であるのはそのとおりであるが,申請から手続完了(何らかの「物」の受領を含む。)まで一連の手続が予定される場合には,認印は簡易なIDとして機能している。

 何かをしなければならないのは,面倒や煩わしさを感じさせるものであるが,それが真正の担保や権利の保護に役立っているのである。そのように考えられないだろうか。
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