司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

オンラインによる取締役会と書面決議の併用

2020-11-18 18:03:25 | 会社法(改正商法等)
 取締役会議事録について,同一内容で複数部を作成し,取締役等が各別に署名等をすることは可能か?

 取締役会が開催された場合の取締役会議事録については,出席した取締役及び監査役は,これに署名し,又は記名押印しなければならない(会社法第369条第3項)とされており,この解釈としては,一つの議事録に出席者全員が署名等をするものと解されている。

 したがって,不可である。

会社法
 (取締役会の決議)
第369条 【略】
2 【略】
3 取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
5 【略】
 

 書面決議の場合は,取締役から各別の同意書等が提出され,これを受けて,一つの取締役会議事録が作成される(会社法第370条,会社法施行規則第101条第4項第1号)。この場合,原則として,取締役会議事録に取締役の署名等は不要であるが,登記の申請書の添付書面とするときは,記名押印や電子署名が必要となることもある。

会社法
 (取締役会の決議の省略)
第370条 取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。


 それでは,取締役会が一応開催場所を定めて準完全オンラインで開催された場合の取締役会議事録の作成については如何?

 流行の兆しがある電磁的記録で取締役会議事録を作成し,取締役全員が電子署名をする方法による場合,取締役全員が電子署名に対応可能であることが当然の前提となる。

 これに対応することができない場合,原則どおり書面による取締役会議事録を作成する他に方法はないのかであるが,例えば,オンライン会議と書面決議の併用が考えられる。

 取締役会議事録の作成を急がなければならない場合として,決議事項について登記の申請をしなければならない場合が考えられるが,オンライン会議の途中で,決議事項について全員の異議がないようであれば,当該決議事項については書面決議に切り替えて(もちろん当初から準備しておくのであるが。),議長から取締役全員にメールで提案書を送信し,取締役全員から同意する旨の返信があれば,その時点で書面決議が成立,当該決議事項に係る取締役会議事録の作成が可能となり,即刻,当該取締役会議事録と委任状に代表取締役のみが電子署名をし,司法書士にメールで送信すれば,即申請することが可能となる。その後,取締役会は,その他の事項についての審議等を続ければよい。そして,会議終結後,オンライン会議の全般に係る取締役会議事録を作成し,全員のチェックを経て,書面で作成して記名押印をするなり,電磁的記録で作成するなり,多少時間がかかっても適宜執り行えばよい。

 取締役会の決議事項のうち,登記申請を要する議案については書面決議を活用することで,この書面決議に関して電磁的記録として作成された取締役会議事録は,代表取締役の電子署名のみでOKなのである。

 もちろんこうした柔軟な対応が可能な会社ばかりではないと思うが,一考の余地はあると思われる。
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オンライン申請における電子納付の一時利用制限について

2020-11-18 17:36:38 | いろいろ
電子納付の一時利用制限について(令和2年11月18日午後0時から同月24日午前9時まで)
https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/information/info_202011.html#HI202011187549

「登記・供託オンライン申請システムと接続しているe-Gov電子申請システムのメンテナンス作業が実施されることに伴い,以下の時間帯において,同システムと連携するサービスが停止されるため,申請用総合ソフト等(申請用総合ソフト,かんたん証明書請求等)の「(電子)納付」ボタンから各連携先の銀行等のインターネットバンキングを利用して電子納付を行うことができなくなります。
 以下の時間帯に電子納付を行う場合は,お手数ですが,電子納付に必要な納付情報を確認(かんたん証明書請求・供託かんたん申請での確認方法はこちら。申請用総合ソフトでの確認方法はこちら。)した上で,直接金融機関のインターネットバンキングにアクセスして収納機関番号,納付番号,確認番号等を入力する方法又はATMを利用する方法により電子納付を行うようお願いします(電子納付を行う際の留意事項はこちら)。

利用制限時間
令和2年11月18日(水)午後0時00分頃から
令和2年11月24日(火)午前9時00分頃まで
(e-Govのメンテナンス作業の状況によっては,時間が前後することがあります。)」
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我が子に会えない親たちの告白

2020-11-18 16:54:05 | 民法改正
デイリー新潮記事
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/11171103/

 離婚絡みで,妻(母)が子を連れ去り,直接の面会交流が適わず,間接交流(結果として一方的な文通のみ)となっている夫(父)の苦悩と不満が描かれている。連載である模様。
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47都道府県『選択的夫婦別姓』意識調査

2020-11-18 16:43:23 | 民法改正
HUFFPOST記事
https://news.yahoo.co.jp/articles/64fa4a21c79860d5ac4138143375c82e17bc310d

 早稲田大学法学部・棚村政行教授の研究室と市民団体の「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」が選択的夫婦別姓に関する意識調査を行ったそうだ。

 本日,その調査結果が公表されている(下記サイトで動画でも公表)。

cf. 選択的夫婦別姓・全国陳情アクション
https://chinjyo-action.com/
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電子政府の総合窓口e-Gov[イーガブ]の停止

2020-11-18 13:58:17 | いろいろ
電子政府の総合窓口e-Gov[イーガブ]
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=417AC0000000086

電子政府の総合窓口e-Gov[イーガブ]をご利用の皆様へ
ただいまシステム保守作業中のため、ご利用できません。
大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

■システム保守作業期間: 11月18日(水)12:00~11月24日(火)9:00


 え~!
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特別養子・普通養子・元里子の「出自を知る権利」に関する実態と支援ニーズ調査報告書

2020-11-18 13:51:18 | 会社法(改正商法等)
「出自を知る権利に関するインタビュー調査」ご協力のお願い→調査報告
https://sites.google.com/site/kangaerukaisince1982/o-zhirase/-chu-ziwo-zhiru-quan-lini-guansuruintabyu-diao-zha-go-xie-linoo-yuani

 野辺陽子「特別養子・普通養子・元里子の「出自を知る権利」に関する実態と支援ニーズ調査報告書」が掲載されている。

 貴重な調査報告ですね。
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