降って来るもの

写真と散文とぽえむ

心訓抄・LXⅦ

2017-10-06 21:37:20 | 心訓抄

                   LXⅦ「旅人」

 

誰一人として

旅人のままで留まってはいられないのだ

 一つの旅を終えれば

 速やかにでも徐々にでも

ヒトは秩序や順列の中に

含まれてゆくしかない

 在籍するイノチの住所を

 劇的には変換できないのだ

早いか遅いか

或いは、豊かであったのか、貧しかったのか

 貴重だったか、もしくは

 懺悔の値打ちもないものだったか

閻魔の判定が気懸かりなのか

仏陀の糸を授かれるのか

 あれやこれやの恣意を一束にして 

 やがて、必ず来る

二度と戻れない全ての旅が終わって

ほんとうに旅立つときが・・

*10/06 21:36:21 万甫

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心訓抄・LⅩⅥ

2017-10-06 12:10:28 | 心訓抄

                LXⅥ「blog」

 

何十年にわたって行き交ったとしても

百二十%ほどの確率で

 決して

交差することなど

爪の垢ほどの可能性もない僕が

 こうして

幾足りのヒトと巡り合っているのは

偏に

blogという発信機を

あの日、偶然に手にしたが故の事だ

 

人生の方向を換えたり

イノチの有り様に作用したり

五情五感を慈しんだり

 大袈裟に言えば

お陰で僕の陰影は、その良き道標で

クッキリと清々しく、凛として瑞々しく

 思いの他に、豊饒で潤沢になっている

*10/06 12:10:10

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君の詩を!!

2017-10-06 06:04:08 | 

               君の詩を!!「ふたり」

 

張り巡らされた血縁の

切っても切れないイノチの糸で

存在の奇跡を生きる「ふたり」、湊人と蒼唯

    

   

兄が傍に来ると、条件反射のように

頬が緩む妹

その自ずからなる親密さには

到底、爺ぢいは太刀打ちできないものだ

     

もはや高這いを始めようとする

早い速い君の発達過程の

その意識の働きは

すでに兄妹の結ぼれを

謳歌しているかのような笑顔なのだ

それは、時折ボクに見せてくれるものより

本当に自然に発生し

パッと広がる歓びの表情なのだ

このままココロを結びあい

「ふたり」の哀楽を重ね合って生きて欲しいと

心底から、この爺ぢいはそう願うのだよ

蒼唯よ、そうして、湊人よ

      

2017 10/03 5ヵ月の誕生日の君へ

                君たちの爺ぢい 

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アラームのように

2017-10-06 05:20:05 | 

                 アラームのように

 

肝腎かなめの、親指の、付け根の

writerに必要絶対条件の

握る行為に必須条件の

開閉を司る筋肉の

閉じる機能を任された筋肉の辺りに

鈍痛を覚えてからほぼ一ヶ月が経過した

思い当たる節のない、原因不明の

突然訪れた、招かれざる客のような

好運に紛れ込んだ微かな不運の棘のような

突然降って湧いた不幸を認知させる針のような

日常に連れ立つようになった痛覚

今は、まだ

開閉機能を辛うじて維持できていて

何とかアイロンを操り

日頃の執筆にも

何とか支障なく貢献してくれているのだが

胸の底の奥底の方に、不安や恐怖が蜷局を巻いて

日々のイノチの更新を脅し続けているのだ

その不気味さは

利き腕の先の手の指の

人差し指と親指の間に身を伏せて

執拗に、陰険に、無言で無表情に

危険準備情報のアラームの様に

シグナルを送りつけてくる

解放されるときは・・、解らない

若しかしたら、来ないかもしれず

或いは、脆い均衡を保ったこのまま

住所不定、行方不明の鈍痛と

何処までも、同居してゆくしかないのかも知れない・・

*10/06 05:20:05

 

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