代価のように
ヒト属の誰かが
直立歩行を始めたものだから
その細やかな報いのように
二足歩行で築いた巨万の夢の
その代償のような仕打ちに見舞われているのか
この二足歩行が困難な状態は・・
もしかして
僕が選ばれてしまったのか
数多のヒト属のために
その贖罪の生贄として
現代の人類の誰かが
背負わねばならない厄災のように・・
僕等の祖先が
恐る恐る歩き始めようとする以前の
言わば、ヒト科誕生前夜の
困惑に満ちた状態へと
言わば、二十万年前の感覚へと
先祖返りしているのか・・
思考が狭小の範囲でしか作動しないのだ
そのぎこちなさ故に
歩くか歩かないか以上に
歩けるか歩けないのか以外に
選択肢が広がってゆかない・・
まるで
進化の途中のクロマニヨンのように
まるで
四つ足か二本足かで葛藤する
ジャワのHomo sapiensのように
まるで
ヒト族が背負う歴史の重さを
一人でbokuが背負い込んでしまったような
・・この、疼痛は
*10/16 22:22:22 万甫