おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

只今21時 事務室30℃越え 扇風機ガンバッテ

2023-07-15 | マンション管理関連試験等サポート   

司法書士試験の学習を経験した方にとっても マンション管理士試験に登場の
不動産登記問題(例年1題)には 苦手意識を持つ方が多いですね

たしかに 手ごわい 範囲です

 

 

その不動産登記法の知識の ホンノワズカの一部で 質問の多い箇所です 

参考にしてみてください

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〔A〕

建物の分割登記(不登法54条1項1号)というのは
表題登記のある甲建物の付属建物を登記記録上別の乙建物とする登記

建物の区分登記(不登法54条1項2号)というのは
表題登記のある甲建物又は付属建物の部分であって区分建物に該当するものを登記記録上乙区分建物
とする登記    
 ※ 数棟の建物を登記上それぞれ別の建物とするのは 建物の分割に当たることがあるが建物の
   ではない

建物の合併(不登法54条1項3号)に3つの場合がある
(1)表題登記がある甲建物を登記記録上他の表題登記のある乙建物の付属建物とする登記
(2)表題登記がある甲区分建物を登記記録上これと接続する表題登記のある乙区分建物と合併する
   登記
(3)表題登記がある甲区分建物を登記記録上これと接続する乙建物の付属建物(区分建物)と合併
   する登記

以上の場合 建物の観念的な個数が変更されるだけであって 建物の物理的な状況に変動はない

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〔B〕

建物の分棟及び合棟というのは
分棟は 一棟の建物を物理的に分離して二棟又はそれ以上の建物とすること
合棟は 二棟又はそれ以上の建物を物理的に接合し全体で一棟の建物とすること
区分建物の合体(不登法49条)は 合棟の一類型〕

この場合 〔A〕 のそれらとは異なって 物理的な状況に変動がある 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 

 

 

さて

本日の マンション管理士試験過去問学習

2015年度 です

///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

【問 18】
 
区分建物の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法及び区分所有法の規定による正誤
を答えなさい。

1 建物の区分の登記は、一棟の建物である甲建物を物理的に区分して二棟の建物とし、
 既登記の建物の登記の登記記録から区分して新たに一個の区分建物とする登記である。


2 敷地権付き区分建物についての一般の先取特権に係る権利に関する登記であって、
 敷地権が生ずる前に登記原因が生じ、区分建物に関する敷地権の登記後に登記がされる
 ものは、建物についてのみ効力を有する登記として登記することができる。


3 区分建物である建物を新築して所有者となった者が死亡し、表題登記のない当該区
 分建物の所有権を相続した者は、被相続人を表題部所有者とする当該区分建物について
 の表題登記を申請しなければならない。

 
4 区分建物の合併の登記は、表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他
 の区分建物である表題登記がある建物に合併し、これらを同一の登記記録に記録するこ
 とによって、一個の建物とする登記である。
 
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


1 について                        誤 り
 
  登記記録上において区分建物とする登記であり 建物を物理的に区分して2棟の建物とする
  場合の登記ではない


(建物の分割、区分又は合併の登記)
第五十四条 
次に掲げる登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。
 
二 建物の区分の登記(表題登記がある建物又は附属建物の部分であって区分建物に該当するも
  のを登記記録上区分建物とする登記をいう。以下同じ。)




 
 
2 について                         誤 り

 肢にある 
 敷地権付き区分建物についての一般の先取特権に係る権利に関する登記であって、
 敷地権が生ずるに登記原因が生じ、区分建物に関する敷地権の登記に登記がされるもの
 は 下記条文(73条3項)の
 建物のみを目的とする質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該建物の敷地
 権が生ずる前にその登記原因が生じ 区分建物に関する敷地権の登記後に登記がされるもの
 ではない(ただし書きにあたるものではない)ので 当該建物のみを目的とする担保権に係る
 権利に関する登記
をすることができない 
 〔一般の先取特権は 法律上債務者の一般財産すべてに生じるのであるから 建物のみに設定
  されるということはあり得ないので 除外されている〕
 
 〔当該建物のみを目的とする質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該建物の
  敷地権が生ずる前にその登記原因が生じたもの については当該建物のみを目的とする担保
  権に係る権利に関する登記をすることができるとされる理由は 一体性の原則(区分建物と
  その敷地利用権とを分離して処分することができないとする原則)が適用される
前にした処
  分についての登記であるから
です〕

 
(敷地権付き区分建物に関する登記等)
第七十三条
3 敷地権付き区分建物には、当該建物のみの所有権の移転を登記原因とする所有権の登記又は
当該建物のみを目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。
ただし、当該建物の敷地権が生じた後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の場合を除く。)
又は当該建物のみの所有権についての仮登記若しくは当該建物のみを目的とする質権若しくは抵当権
に係る権利に関する登記であって当該建物の敷地権が生ずる前にその登記原因が生じたものは、この
限りでない。

  ※ 某受験塾の過去問題集にある解説には

    〚敷地権付き区分建物について質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって、区分
     建物に関する
敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建

     物の当該敷地権が生ずる前に生じたものは、敷地権である旨の登記をした土地の敷地権につ
     いてされた登記としての効力を有せず、建物についてのみ効力を生じる〛

    との解説がなされています
    が
    肢における問いかけは〔敷地権付き区分建物についての一般の先取特権に係る権利に関する登記〕
    についてであり 上記の解説には 一般の先取特権に係る権利に関する ことについては一切
    登場がありません
    質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記 に関しては こうなっているのだが ということ
    なので 肢についての説明になっているわけでなく 解説の対象がヅレてしまっていて 読者は 

    ? となってしまうことでしょうね〛← 当該過去問解説本を利用の受験者さんから質問があり
    解説の柱というか趣旨が
    ボヤーッとしていて なんのことなのか 何度読んでもハッキリシナイ ということでしたので
    念のため 記しておきました(あなたの利用の問題集には どのような解説が載っていますか?)


 

 

 

3 について                         誤 り                      
     

 肢の相続人は 肢にある表題登記を申請することを義務付けられているのではなく
 申請することができる と されている



(建物の表題登記の申請)
第四十七条 
新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から
一月以内に、表題登記を申請しなければならない。

2 区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったとき
は、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請する
ことができる。
 

 

 

4 について                           正しい

  不動産登記法54条1項3号にあるとおりである



(建物の分割、区分又は合併の登記)
第五十四条 
次に掲げる登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。
 
 建物の合併の登記(表題登記がある建物を登記記録上他の表題登記がある建物の附属建物とする登記
又は表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物若しく
は附属建物に合併して一個の建物とする登記をいう。以下同じ。)
 

 

 

 以前に掲載したものですが 関連する部分も含まれるものとして以下のようなものもあります
 お時間があるようなら サッと 眺めてみてください