『試験には 標準管理規約によれば と 出題されていますけれど
標準管理規約というのは それほどに威力のあるものなのですか?
そうした力を持っているものなら それに加工したりせずに規約
を作らなければならない ということになるのでしょうね ?』
という類の質問を受けることが トキドキ あります
結論から先に記しておくことにしますが
『 標準管理規約を 参考にして(コメントの参照をもしつつ) それぞれ管理組合に
相応しい
規約を制定・変更してください 』ということです
と
自身は そうした質問に答えさせていただいています
質問には 必要とあらば以下のようなことをも加えて 説明させていただく場合もあっ
たりします
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
標準管理規約 の履歴 というようなものについて
・・・・・この標準管理規約に示している事項の取扱いに関しては、マンションの所在地等の
個別の事情を考慮して、その内容に多少の変化をもたせることも差し支えない・・・・・
と 説明があったりしていました
(標準管理規約を できる限り尊重してくださいね という感があるようにも読めましょうか ?)
〔実務上接する規約は ドレモコレモ 似たような というか ホボ 同一 というものが たしかに
多く見られますね ← 自身の感想〕
そうした時期を経て
・・・・・この標準管理規約で示している事項については、マンションの規模、居住形態等それ
ぞれのマンションの個別事項を考慮して、必要に応じて合理的に修正し活用する
ことが望ましい・・・・・
と 説明がなされたりしています
ひな型〚モデル〛・指針 という考え方 から 参考 にすべきもの〔修正しつつ活用すべき
もの〕
という解釈に変化がみられるといえるでしょう(そのような説明をしている学習基本書も見られた
りします)
〘標準管理規約〙はあくまで 行政通達 であり それ自体には法的拘束力はない との説明がなされる
ことが通常です
※ 行政通達とは
行政法の基本書などには
「通達などは行政機関を拘束するが 国民との関係では直接具体的な法的効果を生ずる
ものではない」との解説があるのが通常です
・標準管理規約(単棟型)及び同コメント (PDF)(最終改正 令和3年6月22日 国住マ第33号)
とあり 国 住 マ 第33号 との表記でもって行政規則類であることも示されています
実務上重要なものであって 実質は区分所有法を補っているもの との説明もなされたりします
以上 概略
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ということですが
さて
本日の マンション管理士試験過去問学習
2018年度
//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
〔問 30〕
管理組合の会計に関する次の記述について、標準管理規約(単棟型)による、適切/不適切
を答えなさい。
ア
理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関し、管理組合を代表して訴
訟を追行する場合には、総会の決議を経ることが必要である。
イ
組合員は、納付した管理費等及び使用料について、その返還請求又は分割請
求をすることができない。
ウ
管理組合は、未納の管理費等及び使用料への請求に係る遅延損害金及び違約
金としての弁護士費用などに相当する収納金については、その請求に要する
費用に充てるほか、修繕積立金として積立てる。
エ
管理組合は、管理費に不足を生じた場合には、通常の管理に要する経費に限
り、必要な範囲内において、借入れをすることができる。
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
ア につて 不適切
総会の決議は不要
(下記60条4項 参照)
イ について 適 切
(下記60条6項 参照)
ウ について 不適切
通常の管理に要する経費に充当
(下記60条5項 参照)
エ について 不適切
管理費に不足を生じた場合 借入れはできない
(下記63条 参照)
※ 理由付けに 61条2項
(管理費等に不足を生じた場合には、管理組合は組合員に対して第25条第2項に定
める管理費等の負担割合により、その都度必要な金額の負担を求めることができる。)
を掲げる受験塾もあるようだけれど
負担を求め得るから借入れは許されない との根拠なのか?
となってしまいそうなので
肢においての借り入れの否定につき直截的な回答の根拠としてより妥当なのは63条と
解されるのですが いかがでしょう?
記
(管理費等の徴収)
第60条
管理組合は、第25条に定める管理費等及び第29条に定める使用料につ
いて、組合員が各自開設する預金口座から口座振替の方法により第62条
に定める口座に受け入れることとし、当月分は別に定める徴収日までに一
括して徴収する。ただし、臨時に要する費用として特別に徴収する場合に
は、別に定めるところによる。
2 組合員が前項の期日までに納付すべき金額を納付しない場合には、管理
組合は、その未払金額について、年利○%の遅延損害金と、違約金として
の弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用を加算して、その組合員に対し
て請求することができる。
3 管理組合は、納付すべき金額を納付しない組合員に対し、督促を行うな
ど、必要な措置を講ずるものとする。
4 理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の決議に
より、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる。
5 第2項に基づき請求した遅延損害金、弁護士費用並びに督促及び徴収の
諸費用に相当する収納金は、第27条に定める費用に充当する。
(管理費)
第27条
管理費は、次の各号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。
一 管理員人件費
二 公租公課
三 共用設備の保守維持費及び運転費
四 備品費、通信費その他の事務費
五 共用部分等に係る火災保険料、地震保険料その他の損害保険料
六 経常的な補修費
七 清掃費、消毒費及びごみ処理費
八 委託業務費
九 専門的知識を有する者の活用に要する費用
十 管理組合の運営に要する費用
十一 その他第32条に定める業務に要する費用(次条に規定する経費を
除く。)
6 組合員は、納付した管理費等及び使用料について、その返還請求又は分
割請求をすることができない。
(借入れ)
第63条
管理組合は、第28条第1項に定める業務を行うため必要な範囲内において、
借入れをすることができる。
(修繕積立金)
第28条
管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、積み
立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場
合に限って取り崩すことができる。
一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
三 敷地及び共用部分等の変更
四 建物の建替え及びマンション敷地売却(以下「建替え等」という。)
に係る合意形成に必要となる事項の調査
五 その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために
特別に必要となる管理
参考
(管理費等の過不足)
第61条
収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費
に充当する。
2 管理費等に不足を生じた場合には、管理組合は組合員に対して第25条第2項に定
める管理費等の負担割合により、その都度必要な金額の負担を求めることができる。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::