能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

経営戦略全史 三谷宏治著 経営学を学ぶのにスゴイ本が出たものです 好きなことの中で複数の専門性を持つ

2014年01月20日 | 本と雑誌

「経営戦略全史」 

三谷宏治著 ディスカバー21刊 2800円


最近、書店に行くと経営理論史、フレームワークなどのビジネス本が平積されています。

ある意味、経営学ブームになったのでしょうか?


その中でキラリと光る一冊。

それは、「経営戦略全史」です。

2800円という少し高めの価格設定ですが、その価値は十分です。


著者の三谷さんは、現役の経営コンサルタント。

実務家視点からの解説は、たいへん分かりやすく、初心者でも、それなりの勉強を続けた人にも役立つ一冊です。


経営史の基本潮流は、大テーラー主義と大メイヨー主義があること。

1980年代に一世を風靡したポジショニング派、その後出てきたケイパビリティ派・・・。

そしてそれを融合するコアコンピタンス論やコンフィギュレーション派・・・。

経営戦略の歴史的潮流を分かりやすく解説しています。


最新のアダプティブ戦略まで、経営戦略理論の流れを、やさしく解説していきます。

わたしなどはテーラーの「科学的管理法」やダグラス・マグレガーの「企業の人間的側面」などの歴史的名著を一冊ずつ読んできた学徒ですが、その頃この本があれば、その理解も随分違ったものになったであろうと思います。


最近のワッツさんの「偶然の科学」、IDEOのデザインシンキング、ビジネスエスノグラフィ、dスクール、北欧のフューチャーセンターまで触れています。


昨年、ベストセラーになったロンドンビジネススクールのリンダ・グラットン博士の「ワークシフト」も登場します。


ここで、みなさんにプレゼント。

リンダさんの、これからのキャリアサバイバルで求められる3つの条件を同書からピックアップさせていただきます。

三谷さん独特のショートフレーズが魅力的です。


1.好きなことの中で、複数の専門性を持つ

2.他者とのネットワークを作る やすらぎの関係も含めて・・・。

3.所得と消費による満足から脱却する


最期は、東洋的な「足るを知る」の世界です。

経営学をこれから始めようとする方、ある程度、経営学を学んできた方にも、お勧めの一冊です。

2800円+税の価値は十分にあります。


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