「次は、国内のMBAコースに進んで、ダブルマスターを目指したいと思うのですが、どう思われますか?」
若い院生から相談を受け、その時に助言したのが「ワーク・シフト」をじっくり時間をかけて読むということ。
同書は、現代のキャリア論の集大成と言える一冊。
2013年にビジネス書で一番売れた本です。
著者は、ロンドンビジネススクールの教授。
経営組織論の権威です。
「ワーク・シフト 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図2025」
リンダ・グラットン著 池村千秋訳 プレジデント社 2000円+税
同書の内容を一言でいうと、今からの仕事は「学び続ける事、ネットワークを作ること、足るを知ること」が重要であるということ。
特定の会社の仕事の進め方・・・ローカルルールに縛られず、高い専門性を磨き続けること、社外のネットワークを拡大していくこと、そして金銭だけの尺度に価値を見出すことを止めるということ。
日本の若者も、ゼネラリストよりスペシャリスト、社畜・ブラック企業からの回避、所有ではなくシェアといった行動パターンを取りつつあり、価値観もソーシャル、グローバルといった公的な視点・視座を持ちつつあります。
これは、現在40歳代以上のオジサン・オバサンにはなかったこと。
羨ましくもあります。
ただ、小粒な人が増えたなあという印象ですが・・・。
わたしが、同書を読んだ時の読書メモをアトランダムにアップします。
・ピラミッド組織から水平型のコラボレーションへ
・ゼネラリストからスペシャリスト技能
・5つの変化・・・テクノロジーの進化、グローバル化の進展、人口構成の変化と長寿化、社会の変化、エネルギー・環境問題の深刻化
・「漫然と迎える未来」の暗い現実
・今から必要なのは、専門技能の連続的習得、セルフマーケティング、柔軟に専門分野を変えること、人間のつながり、どういう職業人生が幸せを感じるか考える
・専門性を磨くには、10000時間。心理学者レヴィンティン
・ポッセ、ビッグアイデアクラウド、自己再生のコミュニティ
・多様性はイノベーションの触媒 コクリエーション
・ダイバーシティは、モノカルチャーを凌駕する
・第一のシフト「ゼネラリストから連続スペシャリストへ」
3つの質問
1.その専門技能は、価値を産みだせるか?
2.その専門技能は、希少性はあるか?
3.その専門技能は、まねされにくいか?・・・VRIO分析?
これから成長性の高い分野
・・・生命科学、健康関連、再生エネルギー、創造性、イノベーション関係、美的知的産業、コーチング・ケア関係
職人のように考える 子供のように遊ぶ 遊びと創造性
キャリア脱皮のために・・・新しい世界で実験・副業・違う人と接点
セルフマーケティング・・・刻印署名・ギルド・キャリアのモザイク
・第の2シフト「孤独な競争から協力しておこすイノベーション」
ポッセ・ビッグアイデアクラウド・コミュニティ
・第3のシフト「大量消費から情熱を傾けられる経験へ」
消費から経験へ
「ワークシフト」は、世界各地のバックキャスティング的な物語、巻末には子供や経営者、政治家などへの手紙など、イノベーションが活かされています。
20歳代、30歳代必読の一冊だと思います。