週末、日経ビジネス2014.12.22号「特集/GEの破壊力」が届きました。
同誌が入った封筒に、何かゴワゴワ感が・・・何か書籍的なものが入っているのです。
開封してみると、
「M`s Opinion」という紫色の小冊子。
サブタイトルに「明治大学発、社会への提言」という文字が・・・。
この冊子は、明治大学の広告、PR冊子ということらしいのです。
オールカラー、全116ページ。
約50名の同大学の教員が、社会への提言という形で、特定のテーマについて見開き2ページで解説されています。
ツーリズム、東京五輪、国際政治、中小企業経営、地方自治などなど様々な分野についての意見、見解等が掲載されています。
とても面白い取り組みだと感じました。
大学と日経ビジネス誌のコラボ・・・なかなか画期的です。
同誌も編集長が変わり、誌面を刷新。
明治大学も近畿大学に次いで受験生に人気がある大学です。
18歳人口の減少に危機感を募らせた大学は、今、学生獲得のために、広告やPRを展開しています。
今回の明治大学の取り組みも、この一環と言えるのだと思います。
ただ、このキャンペーンの費用対効果を考えると、ちょっと思考停止してしまいました。
まず思ったのが、すごいコストをかけたんだろうなあということ。
そして、誰をターゲットにした広告、PRなのかということ、です。
日経ビジネスのメディア特性は、経営者や企業の管理職、問題意識の高いビジネスパースン。
おそらくそこを狙ったという推測は立ちます。
いっぽうの日経。以前、大学別のムック本を出していたということもあり、一般企業の広告収入だけではなく、全国に770校ある大学を新たなターゲットとして開拓していくということもあるのでしょう。
日経ビジネス誌の公称発行部数は21.9万部。
同冊子を一部300円として20万部作成して印刷・製本費6000万円。
執筆者の工数や編集費用、デザイン、写真撮影、送付料等を含めると、おそらく数千万円がプラスされると思います。
学生70~100名分の授業料になります。すごい!
また、何のために、つまり誰に向けて出された印刷物か、そして効果性はどうなのかを推測してみました。
・明治大学OB、卒業生に向けての情報発信として
・明治大学在学生に向けての情報発信として
・就職活動の窓口開拓のツールとして
・企業の就職窓口との関係性強化のため
・読者の子弟を明治大学に志願させるためのツールとして
・大学のイメージづくり、ブランドのため
・教員のモチベーションアップのため
・明治大学職員の一体化醸成のため
・高校生へのPRのため
・高校の進路指導の担当教師へのPRのため
・明治大学のwebサイトに牽引するためのツールとして
今回の効果性について、◎・○・△・×の4段階で評価してみました。
「◎」・・・効果性が高い
「○」・・・効果性あり
「△」・・・まあまあ
「×」・・・効果性少ない
・明治大学卒業生に向けての情報発信として ◎
・明治大学在学生に向けての情報発信として ○
・大学のイメージづくり、ブランドのため ○
・教員のモチベーションアップのため ○
・高校の進路指導の担当教師へのPRのため ○
・企業の就職窓口との関係性強化のため ○
・明治大学のwebサイトに牽引するためのツールとして △
・明治大学職員の一体化醸成のため △
・就職活動の窓口開拓のツールとして △
・読者の子弟を明治大学に志願させるためのツールとして △
・高校生へのPRのため ×
最終的に、効果性は同小冊子の表四にある同大学のwebサイトへのアクセス数になると思います。
クリック&モルタルならぬ、オムニチャネル的なアプローチなのかもしれません。
特に、大学関係者、マーケティング関係者の方に目を通していただきたい一冊です。
明治大学の果敢なチャレンジに驚いた週末でした。