先日、面白い方と話す機会がありました。
テレアポをいただき、着席した途端に、一方的な発話が・・・。
「ですから、ここは4P、ファイブフォース分析をして、社内のアトムスピアを現場インタビューでウォッチしながら、VRIOのビジネスフレームワークで再構築し、ストラテジーとタクティクスのあるビジネスモデルをクリエートしていく必要があります!・・・」
一方的に話を伺うのも、結構つらいもので、特に横文字、専門用語が詰まった話は、とても苦手・・・。
帰国子女でも使わない横文字を立て板に水で話されると、思わず引いてしまいます。
そして、ブラック的な「怪しさ」を感じます(笑)。
ヘンリー・ミンツバーグ教授ではありませんが、「MBAが会社をほろぼす」・・・MBA的存在の功罪を感じさせた出来事でした。
マーケティングや経営に関わる身として、本当に注意しなければならないと思った次第です。
30ポイントで身につく!「マーケティング思考」の技術
野口吉昭監修 HRインスティテュート著 PHP研究所刊 1400円+税
同書は、長年、日本的なコンサルティングをしている野口吉昭さん率いるHRインスティテュートの5人の社員さんによってまとめられた一冊。マーケティングの基本の「キ」から、マーケティングの最新手法を学ぶことが出来ます。
「30ポイントで身につくシリーズ」の中の一冊で、既刊として「ロジカルシンキング」「戦略シナリオ」「ビジネスモデル思考」「会社の数字を読み解く」が出されています。
目次
1.マーケティング思考とは?
・マーケティングの変遷・・・マスマーケティング・ターゲットマーケティング・ニッチマーケティング・ワントゥワンマーケティング・ソーシャルマーケティング
・マーケティングの時代・・・「1.O 製品の時代」「2.0 情報の時代」「3.0 価値の時代」
・欲求の変遷・・・「1950年代・基本欲求」「1960年代・雷同欲求」「1970年代・優越欲求」「1980年代・差別欲求」「1990年代・主観欲求」「2000年代・本質欲求」
2.マーケティング思考を仕事に活かす
3.マーケティングの3つの思考 お客様を知る
4.マーケティングの3つの思考 価値を創る
5.マーケティングの3つの思考 舞台を仕組む
同書の中で興味深かったのが、次の3点でした。
1. スペンドシフト
マーケティング3.0の時代を代表するコンセプトでガーズマ&ダントニオにより打ち出された理論とのことです。
・自分を飾るより、自分を賢くするためにお金を使う
・ただ安く買うより、地域が潤うようにお金を使う
・モノを手に入れるより、絆を強めるためにお金を使う
・有名企業でなくても、信頼できる企業から買う
・消費するだけでなく、自ら創造する人になる
・・・なるほどです。特に、3.11以降は、この流れが加速されているように思います。
昔、ポーター博士の競争戦略を学び、はまってしまった時代とは隔世の感があります。
今では、「競争」ではなく「共創」というのがトレンドのようです。
もっというと、「ソーシャル」視点がなければ、組織の存続は危うくなる時代と言えると思います。
2. プロファイリング
セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングに新たなお助け概念が出てきました。「どのような人なのか」をきめ細かく特定する手法です。
3. バリュープロポジション
自社にしかできないことをやる(顧客が望み、他社が提供できず、自社が提供できる価値)
4. コピーライティング
キャッチコピーはコピーライターだけが考えるものではない・・・まったくそのとおりだと思います。自分自身、企画書のタイトル、ザブタイトル、各章の見出しには、とてもこだわります。まさに、マネジメント&マーケティングのコピーライター的視点でジャッジしています。
コンパクトで1時間ぐらいで読める同書。
マーケティングを、もう一度おさらいしたい方には、お勧めの一冊です。