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能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

「マーケティング思考」の技術 マーケティングの基本と最新事情を学べるコンパクトな一冊

2014年12月25日 | 本と雑誌

先日、面白い方と話す機会がありました。

テレアポをいただき、着席した途端に、一方的な発話が・・・。


「ですから、ここは4P、ファイブフォース分析をして、社内のアトムスピアを現場インタビューでウォッチしながら、VRIOのビジネスフレームワークで再構築し、ストラテジーとタクティクスのあるビジネスモデルをクリエートしていく必要があります!・・・」

 

一方的に話を伺うのも、結構つらいもので、特に横文字、専門用語が詰まった話は、とても苦手・・・。

帰国子女でも使わない横文字を立て板に水で話されると、思わず引いてしまいます。

そして、ブラック的な「怪しさ」を感じます(笑)。

ヘンリー・ミンツバーグ教授ではありませんが、「MBAが会社をほろぼす」・・・MBA的存在の功罪を感じさせた出来事でした。

 

マーケティングや経営に関わる身として、本当に注意しなければならないと思った次第です。

 

30ポイントで身につく!「マーケティング思考」の技術

野口吉昭監修 HRインスティテュート著 PHP研究所刊 1400円+税

 

同書は、長年、日本的なコンサルティングをしている野口吉昭さん率いるHRインスティテュートの5人の社員さんによってまとめられた一冊。マーケティングの基本の「キ」から、マーケティングの最新手法を学ぶことが出来ます。

「30ポイントで身につくシリーズ」の中の一冊で、既刊として「ロジカルシンキング」「戦略シナリオ」「ビジネスモデル思考」「会社の数字を読み解く」が出されています。

 

目次

1.マーケティング思考とは?

・マーケティングの変遷・・・マスマーケティング・ターゲットマーケティング・ニッチマーケティング・ワントゥワンマーケティング・ソーシャルマーケティング

・マーケティングの時代・・・「1.O 製品の時代」「2.0 情報の時代」「3.0 価値の時代」

・欲求の変遷・・・「1950年代・基本欲求」「1960年代・雷同欲求」「1970年代・優越欲求」「1980年代・差別欲求」「1990年代・主観欲求」「2000年代・本質欲求」

2.マーケティング思考を仕事に活かす

3.マーケティングの3つの思考 お客様を知る

4.マーケティングの3つの思考 価値を創る

5.マーケティングの3つの思考 舞台を仕組む

 

同書の中で興味深かったのが、次の3点でした。

1.  スペンドシフト

マーケティング3.0の時代を代表するコンセプトでガーズマ&ダントニオにより打ち出された理論とのことです。

・自分を飾るより、自分を賢くするためにお金を使う

・ただ安く買うより、地域が潤うようにお金を使う

・モノを手に入れるより、絆を強めるためにお金を使う

・有名企業でなくても、信頼できる企業から買う

・消費するだけでなく、自ら創造する人になる

・・・なるほどです。特に、3.11以降は、この流れが加速されているように思います。

昔、ポーター博士の競争戦略を学び、はまってしまった時代とは隔世の感があります。

今では、「競争」ではなく「共創」というのがトレンドのようです。

もっというと、「ソーシャル」視点がなければ、組織の存続は危うくなる時代と言えると思います。

 

2.  プロファイリング 

セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングに新たなお助け概念が出てきました。「どのような人なのか」をきめ細かく特定する手法です。

 

3.  バリュープロポジション 

自社にしかできないことをやる(顧客が望み、他社が提供できず、自社が提供できる価値)

 

4.  コピーライティング 

キャッチコピーはコピーライターだけが考えるものではない・・・まったくそのとおりだと思います。自分自身、企画書のタイトル、ザブタイトル、各章の見出しには、とてもこだわります。まさに、マネジメント&マーケティングのコピーライター的視点でジャッジしています。

 

コンパクトで1時間ぐらいで読める同書。

マーケティングを、もう一度おさらいしたい方には、お勧めの一冊です。


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