goo blog サービス終了のお知らせ 

能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

東京銀座のど真ん中に銭湯・・・江戸時代から続く老舗銭湯は江戸っ子の心意気が支えています 金春湯

2014年12月29日 | まち歩き

今年も残すところ、あとわずかとなりました。

忘年会も終わりを告げる時期。今年ラストの忘年会で銀座へ・・・。

イルミネーションもクリスマスの時に比べると、ややシックな感じになっています。

そこで、発見したのが「金春湯」の暖簾と看板。

なかなか粋なのれんです。

銀座八丁目。

ちょうど資生堂パーラーの裏手、銀座のど真ん中にあります。

実は、今年11月の銭湯検定3級を受検した時に、この「金春湯」が出題され記憶に残っていたのでした。

(ちょっとオタクっぽい検定試験ですが、江戸の文化を学ぶにはピッタリの学習機会です)

「コンパル・ユ」と読みます。


銭湯検定の公式テキストにも載っていますが、この金春湯は江戸時代の創業。

1863年(文久3年)に銀座に開業しました。

近所に幕府お抱えの能役者・金春座があったため、それにちなんで命名されたとのこと。

当時は、少し離れた場所だったと聞いています。


おそらく、当時は、浴室は暗く、混浴。石榴口から「田舎者でござい~」などと言いながら、江戸っ子が入浴していたのだと思います。

当時は、浴槽の湯も少なく、今で言うサウナに近い状態の風呂屋。

浴槽になみなみと湯がはってある湯屋の登場は、ずっと後のことになります。

今度、時間があるときに、金春湯で江戸情緒を満喫したいものです。

この金春湯、実はビルの一階。

昭和32年に建てられたものらしいです。

二階には居酒屋。

一階の銭湯にゆっくりつかり、二階にあがってビールを一杯。

今では、湯女はいませんが、なかなかオツなひと時だと思います。

調べてみると、銀座には銭湯がもう一軒。銀座一丁目に銀座湯という銭湯があるそうです。

金春湯さんに銀座湯さん・・・末永く続けていただきたい江戸の文化です。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホンダスピリットはどこへ行った?ホンダのTOYOTA化、トヨタのHONDA化が進行中・・・

2014年12月29日 | マーケティング

ホンダ車に乗って27年。

シビック、CR-X、SM-X・・・。

「H」らしいと言われるクルマに乗り続けてきました。

部屋にHONDAのカレンダーを貼っているですが、12月はフィットハイブリッド。

フィットの横にキャッチコピーが入っています。


「さあ、クルマで世界を驚かそう」


そりゃ、フィット一車種で5回もリコールを出せば、世界は驚きます。

本当に洒落になりません。

 

過去、ここまで本田技研工業の評価が落ちたことはなかったと思います。

しかも、安全問題や品質問題・・・自動車メーカーにとって、まさに生命線となる部分です。

同社のホームページを見ると2013年~2014年にかけて、リコール数が激増。本当に大丈夫なのでしょうか?

 

HONDA語録は、たくさんありますが、本田宗一郎さんが一番強調していたのは、次の一語だったということを本田技研工業本社の社員さんから直接聞いたことがあります。

 

「人に迷惑をかけるな」

 

メーカーの使命、役割を一言で言い切ったシンプルなフレーズです。

本田宗一郎さんは、工場の周辺の環境問題にも気を配り、青山の本社ビルの設計でも防災、食料備蓄等で気を配っていたとのことです。

三現主義(現場・現物・現実)、ワイガヤ、大部屋、マストとウォント、三つの喜び(買って喜び・売って喜び・作って喜ぶ)、失敗コンテスト・・・HONDA魂のこもったホンダ語はたくさありますが、その中心となるのは、「人に迷惑をかけるな」。

本田技研の社員なら心に刻まなければならないと思います。

 

リコールをゼロにするということは、難しいことだと思います。

ただ、その努力の姿勢を、現場で発揮し続けていくこと、ちゃんとした製品を世間に出し続けることはメーカーの義務であると思います。

この背景には、極度のコストダウン、非正規の期間従業員の雇用、大企業病の典型である上を見ながら仕事をするヒラメ型社員の増加、本社第一のマネジメント、短期目標を中心とする目標管理制度・・・複合的な要因が絡み合い現場での問題が出てきているのだと思います。

 

また、日本車への風当たりというというのも無視できないと思います。

トヨタのブレーキ問題、タカタのエアバック事件なども、ある意味、狙い撃ち的なものがあるようにも思えます。

現実的には、アメ車の方が、故障や不具合が多いように思われますが、それがリコールとして出てこない・・・そう考えるのは私だけでしょうか?

世界で最も厳しいと言われたマスキー法をCVCCエンジンでクリアしたHONDA。

その心意気を復活させるのは、まさに「今」だと思います。

社長の報酬を20%削減するとか、そんな形式的なものではなく、HONDA魂を復活させる・・・それしかないと思います。

 

HONDAのレジェンドも、安全問題が理由ということで、販売がのびのびになっているとのこと。

ホンダは、どこに行ってしまったのか?

レジェンド・・・伝説・・・。

そのレジェンドを復活させることが必要だと思います。

 

今では、本田技研工業も世界的な大企業。

でも、最近思うのが、ホンダのトヨタ化

そして、トヨタのホンダ化・・・です。

 

トヨタの豊田社長は、モータースポーツを愛し、86を産み出し、社長業でも常に最前線。

御曹司とかおぼっちゃまとか言われながらも世界トップのTOYOTAを牽引していくリーダーシップを持っています。

米国でのクレーム事件対応でも最前線に立ち、ニッポンのサムライとして堂々と渡り合いました。

今では、社長ランキングでもトップ3の常連になりつつあります。

クルマが好きで、TOYOTAが好き・・・そんな社長は、社員からも慕われているように思います。

豊田社長は、何としてでも大企業病に陥ることなく、組織の活力を生み出したいと考えているのではないでしょうか?

世界最強と言われるトヨタ生産システムに、イノベーティブな組織風土が加味されれば、その強みはさらに強化されます。

事実、ここ数年のトヨタ車は魅力的なクルマを出し続けています。

さらに、ハイブリッドの強化、水素自動車など他社の追随を許さない比較的優位性を堅持しています。


一方のホンダ。

すでに、大企業病が相当程度進んだ重症患者。

わが社は大企業・・・絶対に潰れないから安心だ・・・。

社長も社員もそんな風に考えているとしか思えません。

創業者本田宗一郎さんや藤沢武夫さんも想定しなかった状況だと思います。

出てくるクルマもイノベーティブというよりコンサバティブ・・・大企業の出す保守的な「車」が中心となっているように思います。

おそらく、社内の開発許可制度や稟議制度などの壁にはばまれ、途中でオシャカになっているのではないでしょうか?


社内の会議では、

美しいカラースライドによる紙芝居が行われ・・・

聞いたこともない横文字が跋扈し・・・

ヘタなMBAホルダー風のエリートさんがビジネスモデルを語る・・・

現場やお客様を見てもいないのにマネジメントやマーケティングのフレームワークで括ってしまう・・・

稟議制度や社内手続が複雑化・・・

形式化し新しいことに挑戦できない・・・

セキュリティや情報管理のため社内のコミュニケーションが図れない・・・


そんなもフツー以下の会社になってしまった感じがしています。


今では、スバルやマツダも魅力的な車や新技術を産みだしています。

スズキにしてもダイハツにしてもマーケットや現場をしっかりと捉え、いいクルマを出し続けています。

んな状況を青山一丁目の上層階におられるエライさん達はどう見ておられるんでしょうか。

 

このままじゃマズイということで、「わが社は、モータースポーツ」というスローガンを掲げ、ふたたび、F1参戦・・・。

社員の求心力を高める、広告宣伝のため、社内の盛り上がりを作る・・・様々な経営陣の思惑があるのでしよう。


でも、もう、いいでしょう。

大量な化石燃料を燃やして、爆音轟かせ、タイヤをすり減らし、場合によっては死傷者も出る・・・。

半世紀前、リンゴ箱の上に立ちマン島TTレースで参加し優勝することを高らかに打ち出した本田宗一郎さんの時とは明らかに時代そのものが違うのです。


世界が困っている環境問題、エネルギー問題、高齢化の問題、貧困などの社会問題などなど、そうした課題を解決していくんだという高い志、ビジョンが大切だと考えています。

まさに、「The Power of Dreams(ちゃんと複数形になっています。ちなみにトヨタはDreamsをドライブするというのが同社のスローガンです)」。

それこそが、会社の求心力を高め、社会への情報発信力、共感獲得に結びつくものだと思います。

 

でも、今のホンダに、当面必要なのは、本田宗一郎さんの言葉。

「人に迷惑をかけるな」

の一語だと思います。

 

一人のホンダファンとして、本田技研工業の改革を心から願っています。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする