能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

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空飛ぶ「くりーむパン」 たまに無性に食べたくなる八天堂のスイートパン 広島発のイノベーション

2015年11月26日 | マーケティング

こんなマーケティングやイノベーションのやり方があったんだ!

ケーキでもなく、和菓子でもないというのがポイント。

短い鮮度やブランドで戦わなくてもよい切り口・・・それが八天堂(はってんどう)「くりーむパン」 戦略です。

山手線に乗っていて品川駅に着く頃、脳裏に浮かぶのが八天堂の「くりーむパン」 。

一個210円。

一般的なクリームパンとは異なり、シュークリーム、クリームパフに近いスイーツです。

この「くりーむパン」、毎日、広島空港から航空機で空輸されています。

地上一万メートル、約900キロを飛んで羽田空港に着く「くりーむパン」。

まさに、空飛ぶクリームパンです。

もともとこの八天堂は、昭和8年創業の和菓子屋さん。

そして、パンの製造を開始。

広島県三原市のフツーのパン屋さんだったようです。

一時期、業容が拡大、広島県内に10店舗、約100種類のパンを製造していたそうです。

そして、三代目の社長の時、イノベーションを起こします。

100種類のパンのうち、人気だった「くりーむパン」に集中。

研究開発、販路開拓を進めていきます。まさに「選択と集中」です。

 

広島空港が近いという地の利を活かし、東京進出を果たします。

空飛ぶ「くりーむパン」は、東京駅や品川駅、秋葉原や永田町、新宿に販売店を出店します。

さらに、韓国やフィリピンなどの海外にも進出します。

社長の決断、投資が、小さな地方のパン屋さんを、大きく発展させます。

銀行をはじめとする金融機関の融資担当者も八天堂の「くりーむパン」を食べると、その美味しさに思わずハンコを押すのではないでしょうか?

数年前、広島空港そばに新工場を建設。

さらなる飛躍を目指しています。

これはまさに、スポーク&ハブ戦略です。

日本ニュービジネス協議会でも優秀賞を受賞。

今まで誰も手を付けなかったスイーツパンのビジネスを事業化していきます。

まさに、中小企業の星です。

同社のホームページを見ると社員数は約100名。

資本金は1000万円。

売上は、数億円ぐらいに達しているのでしょうか。

学卒の採用にも力を入れているようで、「学卒30名」という表示がありました。

若い力は、会社をパワーアップしていくと思います。

 

そういえば、広島という地。

マツダのスカイアクティブエンジンやヨーロピアンデザイン、かっぱえびせんのカルビー、ボールのモルテン、デニムのカイハラ、パン製造のアンデルセン、100円ショップのダイソー、洋服の青山などのイノベーティブな企業がたくさん出てきています。

 

広島空港で見つけた八天堂の「くりーむパン」。

今日は、チョコ味を試してみました。

一個210円(税込)。

コスパが高く、期待を裏切らないおいしさです。

包装紙のデザインもなかなか優れていますし、また、ハンバーガーの包装紙のような形状で、とても食べやすい・・・。

このあたりも、相当研究された跡が見えます。

八天堂・・・「くりーむパン」の次に来る商品やサービス・・・それが次の社運を左右する次のステップになると思います。


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