いぬ譲渡会・・・。
日曜日の東京・自由が丘マリクレール通り。
何ともショッキングな幟(のぼり)のキャッチフレーズ。
ネガティブイメージの「いぬ譲渡会」という言葉とポジティブイメージな「開催中」という言葉のミスマッチが心に突き刺さりました。
「!」が二つもついています。
目的、ミッション達成のために、良いコピーだと思います。
ペットだった犬の里親を斡旋するための「場」です。
ドッグレスキューという団体が主催しています。
若い方から年配の方たちが、犬たちのために懸命に努力されている姿にも好感が持てました。
近所に住むペットと共に、散歩で来ている人たちもいます。
低いフェンスの中と外で、天国と地獄の境遇にいる犬たち・・・何でこうなったんだろう・・・思わず考えてしまいました。
ペットである犬や猫の葬式屋さんも大繁盛、ペット用の墓地も盛況・・・そうかと思うと、捨てられる犬や猫たち・・・。
本当に考えてしまいます(人間の世界でも似たようなことが起こっています・・・)。
捨てられた、あるいは迷い犬になった犬たちの目、瞳が、いたいけで、しばらくの間、その場に立ちすくんでしまいました。
犬たちは、モノじゃなくて命・・・。
昔々、法学部で法律を学んでいた頃、ペットである犬や猫に危害を加えても、法律的には刑法第261条の器物損壊罪、行政法的には動物保護法に違反するという学んだ記憶があります。
民法第718条の動物の占有者の責任というのもありましたっけ・・・。
法律的には、犬も猫も、モノなのです。
でも、ペットである犬も猫もトカゲやヘビも、生命のある生き物です。
それが、モノのように譲渡される・・・何だか一抹の寂しさを感じた次第です。
「いぬ譲渡会」・・・それは、反面教師としての強力な、そして訴求力のあるコピーだとも思います。
スタッフの方に聞いたところ、譲渡される犬のために、譲渡する先の家庭訪問をしたり、予防注射をしたりと、犬のための仕組みを整えているそうです(ちょっと安心)。
ここにいる犬たちは、雑種や日本犬などはいません。
世田谷区や目黒区などで飼われていた、いわばセレブな犬たち。
ペット店やブリーダーで買われた犬たちなのでしょう。
昨日まで、愛情を降り注がれて、家族の一員として生きてきた犬たちだと思います。
それゆえ、ますます複雑な心境になります・・・。
ネットで調べたところ、2014年、犬だけで実に28、570匹が殺処分になったそうです。
これは、大虐殺です。
・殺処分 28、570匹(全体の47%)
・譲渡 16、963匹(全体の28%)・・・今回の譲渡会のようなもの
・変換 15、129匹(迷い犬が飼主に帰ったということらしいです)
10年前の2004年には、実に15万匹の犬が殺処分になっているとのこと。
殺処分が決まった犬は、ドリームボックスというガス室に送られ、炭酸ガスを注入、呼吸困難で命を落とすことになります。
人権ならぬ、犬権はないのでしょうか?
引っ越した先がペット禁止だった・・・
犬が大きくなって、かわいくなくなった・・・
予定外の出産で困った・・・
吠えて、うるさい・・・
老犬になって世話が面倒・・・
旅行に行くので邪魔になった・・・などなど
そんなの人間都合ですよね・・・。
最近のニュースでは、ペット数で猫の数が犬の数を抜いたとのこと。
吠えない、人見知りでもゴロニャンという仕草が好き、散歩しなくていい、多様な種類がいる・・・といった猫の特性に人気が出たのでしょう。
ということは、同じくらいの捨て猫がいることも予想されます。
譲渡、里親候補者のために、選ばれた犬たちなのでしょうが、ナーバスになって縮こまっている犬、吠えまくる犬、落ち着きなく走り回る犬、視点が定まらない犬・・・いろいろな犬がいました。
犬たちの目を見ると、寂しさ、悲しさ、人間不信・・・といったことを訴えているようです。
一匹引き取ろうとは思ったのですが、現状ではペットを飼えないので、断念。
ちょっとだけ寄付をして、帰路につきました・・・。
幸せになれよ!思わず口から出たフレーズでした・・・。
この数十匹の犬・・・一匹でも二匹でも心ある新しい飼主に引き取られ、温かいクリスマスや新年を迎えてほしいものです。
がんばれ!ドッグレスキュー・・・応援します!