松田敏子フラワーデザイン・徒然ローズガーデン

予定より長生きしている今を憂いながら、怒りながら、笑いながら楽しむ。

福岡伸一の動的平衡

2016-02-05 22:49:24 | その他
生命の惜しみない利他性

横浜のみなとみらい駅で降りて、長いエスカレーターを昇っていく。
すると黒い大きな壁一面に端正な碑文が刻まれている。
独語の詩とその和訳。
これはいったい何だろう。

           (確かにそんなのあった!あった!!)





「樹木は、この溢れんばかりの過剰を使うことも、
享受することもなく自然に還す」とある。

過剰 。 はっとする。 その通りだ。
もし植物が、利己的に振る舞い、自分の生存に必要最低限の 光合成 しか
行わなかったら、われら地球の生命にこうした多様性は生まれ得なかった。

碑文はこう続く。
「動物はこの溢れる養分を、自由で嬉々とした自らの運動に使用する。」
これは18世紀のドイツの詩人 フリードリッヒ・フォン・シラーの言葉。

一次生産者としての植物が、太陽のエネルギーを過剰なまでに固定し
惜しみなく虫や鳥に与え、水と土を豊かにしてくれたからこそ
今の私たちがある。
生命の循環の核心をここまで過不足なく捉えた言葉を私は知らない。
生命は利己的ではなく、本質的に利他的なのだ。
その利他性を絶えず他の生命に手渡すことで、私たちは地球の上に共存している。
動的平衡とは、この営みを指す言葉である。

この壁面自体は、シラーの言葉を引用した米国の現代アート作家ジョセフ・コスースの作品。
ほとんどの人が目もくれず、急ぎ足で通り過ぎるなか
しばしこのモノリスを前に言葉のない祈りを祈った。

生物学者・福岡伸一


   
        (そう!なんかかっこいいとは思いつつ通り過ぎていたわ)

TVで多少見たことあるお方という程度だった福岡氏
なんかピンとこない・・・人を見かけで判断している証拠か

生物学者、分子生物学。農学博士。
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書の流儀

2016-02-05 21:11:33 | 芸術鑑賞・文学・音楽・映画など
出光美術館

1月9日(土)~2月14日(日)




昨年10月から”かな習字”を始めた。
あの流麗な、かな文字に魅せられて・・・。

本日 18時より 列品解説ありとの情報!!
午前中はお仕事、期せずしてランチは東京駅あたりで○○と
丸の内仲通りをぶらぶらしながら、出光美術館へ。

天井が低いのが気になるが、好きな美術館だ。
そこそこのお客様!一回りして、皇居方面を見下ろす休憩コーナーでお煎茶を頂く。(サービス)
まどろんだり ショップを見たりするうちに解説の時間に

難しい事色々いわれても困る!なんて心配もしていたが
学芸員さんのテンポよく、ジョークも交えたとても解りやすい解説。
新知識を得た満足感あり

色々云いますが、これだけでも覚えて帰って下さいと云われたこと!
「書」は大きく分けて、皇族、貴族を中心に定義だのお行儀のよいものと
そんなのでは面白くない!と、つまり一般人が始めたものの二つになるのだそうな。

中でも面白かったのは、「こんなのどこがいいの?」と思いながら見ていた書について
やはりそうだと認められたこと
しかし、それはもともとしっかり書いて練習を積んだ人の字であるからその中にも
なかなかいいものを感じ取れるのだとか・・・。

時代時代の流れがあり、価値観も変遷していくのも当然の現象。

本阿弥光悦というお方、ほんとに何をされても「できる方」
刀の研ぎ師、茶人、絵かき、書人、どれも一流
「天は二物を与えず」って
何物を与えられたお方なの?

そこそこに解説文はあっても、何の説明もなく見て回っただけとは大違いの充実感。
100人近い?の入場者の前でも、学芸員の方の声!良くとおったのは
天井が低いおかげ?なんて

ただただ気分で始めた「かな書」
美しく綺麗な字が書けるようになるとは思えないが
しばらくは続けられそう・・・


さて帰りはもう暗くなり、丸の内仲通りはイルミネーションで輝いていた





丸ビル前(仲通り側) どうしてこの子がいるの?

丸ビルの一階スペースでは大々的なバレンタイン商戦が!!
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