中部電力浜岡原発~運転差し止め訴訟
想定を越す地震が起きるかどうか?
中部電力側は 「考えられない」と繰り返してきた。
地震の影響で、原発の非常用電源が起動しないことがあるかどうか?
一審で中部電力側の証人として出廷した班目春樹・東大教授(現・原子力安全委員長)は
こうした可能性を「想定していない」と断言。
「可能性があるものを全部組み合わせていったら、モノなんて造れない。
どこかでは割り切るんです。」と説明した。
福島第一原発では実際に動かなくなり、大事故へとつながった。
2007年10月の静岡地裁判決は
「耐震安全性は確保されており、原告らの生命、身体が侵害される具体的危険は認められない」
と、原告側の請求を棄却。控訴審は今も東京高裁で続く。
「電力会社、国、裁判所、世論・・・。これで考えが変わらないのなら、命を軽視することにほかならない。」
(原告団代表、白鳥良香さん)
危険認めた判決もあった。
2006年3月、金沢地裁の井戸謙一裁判長は、北陸電力の志賀原発2号機の耐震性は不十分だとして、
稼働中の原発の運転を差し止める全国唯一の判決を言い渡した。
しかし、国が耐震指針改定、北陸電力が再評価や補強工事をしたため、
二審・名古屋高裁金沢支部は2009年3月、住民側の請求を退ける逆転判決を言い渡し、
最高裁も昨年に追認した。
「今回の事故は決して想定外ではない。原発を容認してきた裁判所にも責任の一端がある。」(弁護団長、岩淵弁護士)
後で活断層発覚した 島根原発
「耐震設計上、考慮すべき活断層はない」として、1974年運転開始した。
昨年5月、松江地裁判決は
「活断層や原発の耐震安全性の調査は、最新の研究成果を反映した国の耐震指針などに基づいている」
と述べてうえで、住民側の運転差し止め請求を退けている。
3月4日、広島高裁松江支部で、控訴審の第一回口頭弁論が開かれた直後の11日、今回の震災が起きた。
「今回の津波で、国側がよりどころにしてきた研究成果は崩れた。裁判所は、
国や電力会社の言い分をうのみにせず、安全性を判断するべきだ」 (弁護団長、妻波俊一郎弁護士)
四国電力伊方原発と、福島第二原発
1992年、設置許可処分の取り消し訴訟で、最高裁は
「現在の科学水準に照らして、行政庁の判断に不合理な点はないかをチェックする」という立場を示した。
青森県六ケ所村の核燃料サイクル施設の事業取り消し訴訟
青森地裁で、18年も審理が続いている。
近くに活断層が存在し、耐震性が争点となっている。
「これまで裁判官は ”国の専門家が確認しているから ” と軽くみていたのだろう。
今回の事故で、国の安全審査がいかにずさんか裁判官も再認識したはずだ。」(原告団代表、浅石紘彌さん)
四季咲きアカシア・「シルバーワトル」 (オーストラリア原産)
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