今年も残すところ、あと一週間になった。
振り返ると、イスラム過激派が仏週刊新聞シャルリー・エブドを襲撃する
衝撃的な事件で始まり、
最後もパリを舞台にした同時多発テロという悲惨な出来事で終わった。
テロを無くすための糸口は見えず
世界を不穏な空気が覆うまま、年の瀬を迎える。
国内では、安保法制が国民の理解を深められずに成立してしまった。
大規模なデモや集会が開かれ、半数を超す国民が「審議不足」と感じたにもかかわらず
その後のアベノミクスの「新3本の矢」「1億総活躍社会」のかけ声に、かき消されつつある。
安保法制による失点を経済政策でリカバーするかのような安倍政権の動きは
何の解決策にもならない。
しかも、アベノミクスで恩恵を受けているのは、経団連に加盟する大手企業だけで
全体の7割を占める第3次産業で働く人や、2千万人を超える非正社員たちは置き去りにされたままである。
日銀の生活意識に関するアンケートでも、1年前と比べて
「ゆとりが出てきた」とする家計はわずか 5.6パーセントで
半数近くが「ゆとりがなくなってきた」と答えている。
街はクリスマスで華やかに飾られ、にぎやかに見えるが
個人消費を押し上げているのは「爆買い」の中国人によるものではないかといわれている。
国内外ともに重要な政策課題はほぼ積み残されており
さながら、堀口大学の詩 「年の別れ」にあるように
「目に涙、いっぱいためて」年を越し、新年に引き継がれていく。
来年こそ、それぞれの課題に正面から取り組み、少しでも前進し、
晴れやかな気持ちで年末を迎えたいと切に願う。
朝日新聞、経済気象台より
この一年を、的を得!簡潔!に解りやすくとらえている・・・。
ヨルダン 古代遺跡 ペトラ エル・カズネ