輪子が2階の通路から特別観覧席を見上げると、後方の席に武蔵さんが座っていた。
その席まで階段を上がって行くと武蔵さんは、輪子の姿に気付き笑顔となる。
「古河は来ているのか」と聞かれる。
武蔵さんは古河から車できている長島さんを気にかけている。
「この前会った時、焼き肉を御馳走する約束なのに、帰ってしまった」と苦笑していた。
長島さんは、「武蔵さんに誘われていたのを、すっかり忘れた」と輪子に打ち明けていた。
車券の予想に集中して、その予想が外れると拘る。
次のレースを予想する。
でもまた車券が外れる。
平常心を失う。
最終レースが終わった時点で、気持ちが萎えてしまい、空っぽの頭になったようだ。
「最終レースは勝負だ」と武蔵さんは言う。
逃げは新山1車。
好調の原田と村上、新山の勝負と武蔵さんは断言。
「ええ!新山選手と連携する山崎選手を無視ですか」輪子は武蔵さんの考えることに首を傾げた。
「箱勝負も考えている」と村上選手は競輪専門紙に答えていた。
逃げる新山選手の番手を奪いに行く作戦も村上選手に臭わせていた。
その新聞のコメントに気付いていた武蔵さんは、「さすが勝負師」と輪子は感嘆!
結果はその通りのレース展開に。
3-5-9-8のラインで先行するはずが、3-1-5-9-8となってしまう。
武蔵さんが気付いていたとおりの展開に。
「山崎は初日、新山から離れて、ダメだな」と武蔵さんは、山崎選手の評価を下げていた。
絶好調の原田選手は後方に置かれ、3着が精一杯に。
原田選手は初日上がりタイムが9・5秒の一番時計。
2日目は9・7秒、3日目は同じ9・7秒。
3日間ともに9秒台の上がりタイムは原田選手のみ。
奈良競輪開設記念GⅢ12R決勝
北日本作戦
予 想 | 好 気 合 | 総 評 | 枠 番 | 車 番 | 選手名 | 府県 | 年 齢 | 期 別 | 級 班 | 脚 質 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
△ | 9 | 1 | 1 | 村上博幸 | 京都 | 39 | 86 | SS | 追 | |
注 | 11 | 2 | 2 | 小倉竜二 | 徳島 | 42 | 77 | S1 | 追 | |
▲ | 6 | 3 | 3 | 新山響平 | 青森 | 25 | 107 | S1 | 逃 | |
× | 11 | 4 | 4 | 原田研太朗 | 徳島 | 28 | 98 | S1 | 逃 | |
◎ | 9 | 5 | 山崎芳仁 | 福島 | 39 | 88 | S1 | 両 | ||
★ | 14 | 5 | 6 | 長島大介 | 栃木 | 29 | 96 | S1 | 逃 | |
14 | 7 | 村田雅一 | 兵庫 | 34 | 90 | S2 | 追 | |||
17 | 6 | 8 | 竹内智彦 | 宮城 | 41 | 84 | S1 | 追 | ||
○ | 10 | 9 | 佐藤慎太郎 | 福島 | 42 | 78 | S1 | 追 | ||
誘導員 | 元砂 勇雪 | S2 |
1‐7 6(単騎) 4-2 3-5-9-8
2車単 1-3 2640円(11人気)
3連単 1-3-4 1万6820円(70人気)