元旦からの競輪場通いである。
「他にやることもあるだろうに・・・」家人のみならず呆れる人が大半であろう。
フリーのライターころの輪太郎は、北は函館、青森、平、宇都宮、弥彦まで行ったものだ。
近場の競輪場には格別の思いはないが、自宅の王子から北へ向かうと漂泊の思いが募るものだ。
田畑に住んでいた作家の芥川龍之介は、上野から汽車に乗って田畑を通過する時に、複雑な想いにかられたそうであるが、その気持ちが輪太郎にも理解できた。
「あれ、あの人青森で見みかけたけど、弥彦にも居たな」
相手も輪太郎に視線を注いでいる。
だが、二人は言葉を交わすこともない。
特に相手がご婦人であると遠慮もあるが、好奇心から思い切って声を掛けてみた。
「競輪好きなんですね。宇都宮競輪場でもみかけましたよ」
「旦那が好きなの。旦那は影が薄いけど、どこかにいるはず」相手は輪太郎がナンパ目的で声を掛けたものと警戒したようだった。
母の故郷に近い前橋競輪場では、従弟と出会う。
生真面目であった従弟が競輪とは、驚きであったが、自分も以前は生真面目だった。
「宇都宮は500バンク、直線がながいぞ。何が来るかわからない。車券的には高松競輪の方がいいぞ」我孫子の勝負師が言う。
そのとおりかもしれないが、1、2日と宇都宮競輪に挑戦してきた輪太郎は3日目も車券を買うことにしていた
1月3日の宇都宮競輪日刊スポーツ杯
9レース
並び 3-6 7-1-4 5-2
レース評
菊池は唯一の3人ラインだ。果敢な仕掛けから押し切りが本線。神山−関がマーク。シャープな佐藤博は磯島に託して踏み込む
吉田の色男は「1-4-7のボックス車券だ」と言うのだ。
1番人気1-7(5.0倍)
2番人気7-1(5.1倍)
輪太郎は1-4 4-1で勝負する。
結果は正解であった。
4-1 3,980円(18番人気)
4-1-7 6,400円(20番人気)
2着の神山 雄一郎選手は53歳(61期)で健在、驚きである。
予 想 |
着 順 |
車 番 |
選手名 | 着差 | 上り | 決ま り手 |
S / B |
勝敗因 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
▲ | 1 | 4 | 関 貴之 | 14.6 | 差 | |||
○ | 2 | 1 | 神山 雄一郎 | 1/2車輪 | 14.7 | 差 | S | |
◎ | 3 | 7 | 菊池 岳仁 | 1車輪 | 14.9 | B | ||
△ | 4 | 3 | 佐藤 龍二 | 1車輪 | 14.6 | |||
5 | 6 | 大塚 英伸 | 3/4車輪 | 14.4 | ||||
× | 6 | 2 | 佐藤 博紀 | 1車身 | 14.2 | |||
注 | 7 | 5 | 磯島 康祐 | 4車身 | 14.8 |
12レース決勝戦
並び 3-1-6 2-5 7-4
レース評
真杉は修正力を見せつけた。決勝も出し惜しみせずに仕掛ける。
神山はリベンジへ差したい。ただ小松崎、吉沢ラインも互角。
1番人気1-3(6.1倍)
2番人気3-1(8.0倍)
5番の和田 健太郎選手に拘り、1-5 5-1の3連単車券で勝負する。
押さえは1-3-5であった。
だが、2番小松崎 大地選手が捲り不発でマークした5番の期待の
和田選手は内を突いてきたが伸びきれなかった。
結局、地元ラインで決着する。
9レースと同じように、3番手選手が追い込んできて車券に絡む。
500バンクの難しさだった。
反省点は、各上の和田 選手に拘り過ぎたことだ。
1-6 1,580円(5番人気)
1-6-3 4,460円(10番人気)
予 想 |
着 順 |
車 番 |
選手名 | 着差 | 上り | 決ま り手 |
S / B |
勝敗因 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
○ | 1 | 1 | 神山 拓弥 | 14.5 | 差 | |||
2 | 6 | 磯田 旭 | 3/4車輪 | 14.4 | ク | |||
◎ | 3 | 3 | 眞杉 匠 | 1/8車輪 | 14.7 | B | ||
△ | 4 | 4 | 木暮 安由 | 3/4車身 | 14.3 | |||
× | 5 | 5 | 和田 健太郎 | 微差 | 14.4 | |||
▲ | 6 | 7 | 吉澤 純平 | 4車身 | 14.8 | |||
注 | 7 | 2 | 小松崎 大地 | 1車身 | 15.1 |