スティーブン・ハッサンは1970年代にアメリカで統一教会に入信し、2年以上その会員だった。
現在はカウンセラーをしており、カルトやそのテクニックについての著作もある。
2012年、統一教会の教祖・文鮮明の死去に際して、ハッサンに入信から脱会後までの個人的な経験について英紙「ガーディアン」が聞いたインタビュー記事を全訳でお届けする。
自分は自立して物事を考える人間だと思います。トップクラスの優等生でした。8年生(日本の中学2年生)を飛び級しました。16歳のときには自転車でアメリカを横断しました。自分がカルトに洗脳されやすいなどとは思っていませんでした。
19歳のとき、大学の春学期が始まったばかりの頃、学生みたいな服装をした女性3人がカフェテリアで私のテーブルのところに来て一緒に座ってもいいかと聞いてきました。私は口説かれているみたいな感じでした。デートに行けるのだと思いました。
そのうちに、自分たちは学生運動をしていて、世界をよりよくしようとしているのだと彼女たちは言いました。「宗教団体か何かの一員ですか?」と私は言いました。違うと彼女たちは言いました。
自分たちが独身であること、また文師が信者同士をマッチングさせて、いつセックスできるかを教えるということは言いませんでした。そう言われていたら、「君たちはおかしいね、ほっといてくれ」と私は答えたでしょう。
このことを言うのは、だましの手口について紹介するためです。人はわかったうえでカルトに加わるわけではないのです。
古典的なマインドコントロールのテクニック
何も知らないまま、数週間のうちに、学校を辞めろ、銀行口座ごと寄付しろ、文鮮明を自分の真の親として見ろ、両親を悪魔だと思えと命じられることになりました。
この集団に会うまでは悪魔がいると信じてすらいませんでした。
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NHK
旧統一教会をめぐる高額な献金やいわゆる「霊感商法」の問題を受け、文部科学省は、宗教法人法に基づく質問権の行使や、被害を訴える元信者らへの聞き取りなどを通じ、献金集めの手法や組織運営の実態などの調査を進めてきた。
13日午前、教団に対する解散命令を東京地方裁判所に請求した。
そもそもの経緯、政府内の議論、政治と宗教の関係の今後はどうなるのか?解説していく。
※解散命令請求を受けて記事を更新しました。
Q.これまでの政府内の議論は?
A.政府は当初、信教の自由を保障する観点から、解散命令請求には慎重な立場をとっていた。
しかし、被害の訴えが相次いで寄せられたことなどを踏まえ、教団の実態を把握するため、質問権の行使に踏み切った。
実はことし6月から7月ごろにかけて、政府内で次のような意見が出て請求の検討が行われた。
「請求に足りる情報はおおむねそろった」(政府内)
「しっかりした証拠をそろえるため、さらに時間をかけようと判断した」(政府関係者)
Q.旧統一教会をめぐる問題、そもそもの経緯は?
A.旧統一教会をめぐる問題は、去年7月に起きた安倍元総理大臣の銃撃事件をきっかけに浮き彫りとなった。
逮捕された山上徹也被告が、母親が多額の献金をしていた旧統一教会に恨みを募らせた末、事件を起こしたなどと供述したためだ。
被害者救済に取り組む弁護士などからは、教団への解散命令を裁判所に請求するよう政府に求める声が上がった。
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