仕事の道楽化

 仕事が道楽になることを目指しています。

旬のものを食べたくなる本・・・水上勉氏の「土を喰う日々」(映画公開も決定!)

2022年08月14日 | 本と雑誌

 水上勉氏の本「土を喰う日々」を読んだ。(「喰う」は、「くらう」と読む)

 副題には、〜わが精進12ヶ月〜とある。

 水上氏は、九つの時から十八歳の頃まで禅宗のお寺で暮らし、精進料理を覚えたそうである。

 酒飲みの老師の食事(つまみ?)を作り、鍛えられたそうである。

 氏は次のように書いている。

 「僕に、自慢のできる料理などありはせぬが、ただ畑と共にいて、旬を喰うぐらいの才覚があると言えばすむだろう。」

「僕が、この文章に「土を喰う日々」と題したのも、実は僕の精進料理、つまり、本孝老師から習った料理法が、土を喰う日々であったからである。」

 

 水上氏が、1月から12月までに、どんな料理を作り、食べてきたか、客人に提供してきたかが書いてある。

 今では、スーパーに行けば四季に関係ない食材も手に入るが、この本にはそういう食材は出てこない。

 というより、出てきようがない。山や畑にある四季折々の食材を、どのようにして素材の良さを引き出すかを考えて料理している。

 

 やってみたいなあと思ったのが、「くわいの丸焼き」である。

 とれたてのくわいを、餅焼き網の上でじっくりと焼くだけの料理である。

 次のように描写している。

 「この場合、あんまりコロコロと転がしたりしてはならない。焼くのだから、じっくりと焼かねばならぬ、あぶるのではない。もちろん、皮なんぞはむいていない。したがって焼けたところはきつね色に焦げてきて、次第に黒色化してくる。この頃あいを見て、転がす。すると、焼けた皮がこんがりと、ある部分は青みがかった黄色い肉肌を出し、栗のように見える。」

 

「僕は、この焼き上がったクワイを大きな場合は、包丁で二つに切ってさらに乗せて出した。小さな場合はまるごと二つ。脇に塩を手盛りしておく。これは酒飲みの老子の大好物となった。」

 

 実は、自分は「くわい」なるものを食べたことがない。しかし、上記の食べ方は、里芋やじゃがいもでもできそうな気がする。

 そして、きっと美味いのだ。

 

 

 この「土を喰う日々」に出てくる食材や調理法は、自分には馴染みがないものが多い。

 しかし、なんとなく美味しそうなのである。

 

 いずれは自然農法で、自分の食べる食材は育てたいと考えているので、この本は参考になる。

 

 「この本を映像化して見ることができると、もっとイメージがわくんだけどなあ」と思っていたら、何と映画が公開されるそうである。

 タイトルは、「土を喰う十二ヶ月」、主演は沢田研二氏、料理研究家の土井善晴氏が料理担当をするそうだ。

 公開は2022年11月11日(金)とのこと。楽しみである。

 映画の公式サイトはこちら・・・「土を喰らう十二ヶ月

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「月刊誌「致知」2022年... | トップ | 中島らも氏の傑作「ガダラの... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本と雑誌」カテゴリの最新記事